ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険(続々々々々々々々々々)

 
 カリュブディスの側では船もろとも全滅は必至だが、スキュラの側では犠牲は6人にとどまる。ので、船は大抵、海峡をスキュラ寄りに通るのだそう。
 が、ギリシャの英雄たちが怪物に殺されてはならない、というヘラ神の命令で、ネレイデスのテティスがアルゴー船を守護して、船は無事、海峡を通り抜けることができた。

 さらにアルゴー船は、パイエケス人の国に到着。王アルキノオスと王妃アレテのもとで(後にオデュッセウスを助けた王女ナウシカアは、彼らの娘)、イアソンとメデイアは結婚する。

 その後、クレタ島に船を着けた際、青銅の巨人タロスに襲われる。
 タロスは、エウロペがたどり着いたクレタの地の番人として、ゼウスがヘファイストスに命じて作らせた巨人。首から踵まで、一本の静脈に神血イコルが、釘で打ち止められている。毎朝、クレタ島の海岸を巡回し、アルゴー船を見つけた際にも大岩を投げつけて威嚇した。
 が、メデイアは呪文でタロスを眠らせ、その隙に踵の栓を外してイコルを抜いたため、タロスはあっけなく死んでしまう。

 ……こうして、数々の危難を伴う長い航海の末に、アルゴー船はようやくイオルコスへと帰着する。

 さて、イアソンがコルキスに向けて出航してからというもの、ペリアス王は、イアソンが生きて戻ることはあるまい、と楽観し、イアソンの父アイソンを執拗に虐待していた。で、とうとうアイソンは、牡牛の血を飲み干して自死し、イアソンの母も、王を呪いながら縊れ死んでしまった。

 To be continued...

 画像は、ブーティボンヌ「セイレンたち」。
  シャルル・エドゥアール・ブーティボンヌ
   (Charles Edward Boutibonne, 1816-1897, French)


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