ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-魔女キルケ

 
 アイアイエ島に着いたものの、一行は疲労と心痛とで立ち上がる気力もなく、2日2晩、海辺でぐったり横たわっていた。ようやく3日目、オデュッセウスは部下に偵察を命じる。
 が、これまでのことがあるので、みんな怖気づいて尻込みするばかり。オデュッセウスは部下を22人ずつの二組に分け、一方を自分に、もう一方をエウリュロコスに従わせ、さて籤を引いたところ、エウリュロコスの隊のほうが偵察に向かうこととなる。

 渋々、森の奥へと分け入るエウリュロコスの一隊。やがて森の開けたところに、石造りの美しい館を見出す。これぞ、太陽神ヘリオスの娘、魔女キルケの館だった(キルケは、イアソンを手玉に取った魔女メデイアの叔母に当たる)。
 館の周りには、獅子や狼などの猛獣が放し飼いされている。で、偵察隊を見ると、尻尾を振ってじゃれついてくる。これら猛獣は実は、キルケの魔法で姿を変えられた人間たちだった。

 偵察隊が案内を乞うと、キルケその人が彼らを館に招き入れる。で、一同に黄金の杯の葡萄酒を振舞うが、実はそれは薬入り。彼らがそれを飲み干すや、キルケは杖で打って、豚になった彼らを豚小屋へと追い立てた。

 ただ一人、用心して館の外に残って様子を窺っていたエウリュロコスは、部下たちが豚に変えられて、キイキイ鳴き喚きながら豚小屋へと入れられるのを見て、びっくり仰天。急いで海岸に逃げ戻り、オデュッセウスに事の次第を報告する。
 
 To be continued...

 画像は、ウォーターハウス「オデュッセウスに杯を差し出すキルケ」。
  ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
   (John William Waterhouse, 1849-1917, British)


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