世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
オランダ絵画
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少し前に相棒と、鉄道の日の乗り放題切符を利用して、「栄光のオランダ・フランドル絵画展」を観に三宮まで遠出した。フェルメール「画家のアトリエ」もやって来るというので随分前からチェックしていたのだけれど、結局、観に行ったのは最終日。当然のごとく、人、人、人!
フランドル絵画は全体にルーベンスの影響が強すぎて、華美と言うか豪奢と言うか、なかなか落ち着けない。それに対してオランダ絵画は質実で、私には好もしい。
オランダ・バロック絵画と言えば、日本ではレンブラント、フェルメールあたりが人気だけれど、私は風景画のほうが好き。オランダ風景画は、地平線を低く空を広く取る構図で、川辺や砂丘などの単調なモティーフを、写実的な描法で描く絵が多い。簡素で静謐な風景のなかで、雲の表情が実に豊か。シンプルかつエレガントという感じ。
私はまだナマで観たことがないけれど、かのレンブラントも、わずかながら風景画を描いている。レンブラント特有の光と影の効果を駆使した、一種宗教的な雰囲気の漂う風景画だ。
これはセーヘルスの影響だという。セーヘルスの風景画は、いわゆる世界風景画の系譜にあって、荒涼とした怪奇な岩山などを鳥瞰的に描いている。風景そのものよりも、自然の神秘や威厳が表現されている。
レンブラントの風景画は、傑作という評価だけれど、私にはちょっとおどろおどろしい。
一方、フェルメールの唯一の風景画、「デルフトの眺望」は絶対に観てみたい。
写実的なオランダ風景画のなかでも、フリーヘル以降の海景画を是非観てみたいのだが、日本ではなかなかお眼にかかれない。やっぱりマイナーなのだろう。
水平線を低く空を広く取る構図で、海の通景が描かれている。風景としての海を描いた絵。魅力的だと思うのだけれど。
画像は、カペレ「凪」。
ヤン・ファン・デ・カペレ(Jan van de Cappelle, ca.1624-1679, Dutch)
他、左から、
ホイエン「ナイメーヘンの眺望」
ヤン・ファン・ホイエン(Jan van Goyen, 1596-1656, Dutch)
S.ライスダール「川景色」
サロモン・ファン・ライスダール
(Salomon van Ruysdael, ca.1600-1670, Dutch)
W.フェルデ(子)「凪、オランダ小船と手漕ぎ舟」
ウィレム・ファン・デ・フェルデ(子)
(Willem van de Velde the Younger, 1633-1701, Dutch)
A.フェルデ「牧草地の牛」
アドリアーン・ファン・デ・フェルデ(Adriaen van de Velde, 1636-1672, Dutch)
ウェイナンツ「森の風景」
ヤン・ウェイナンツ(Jan Wynants, ca.1630-1684, Dutch)
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