世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
子供の虐待
坊がまだ保育園の頃、同じクラスにショウくんという男の子がいた。眼の大きな、愛嬌のある子だった。
少しぽっちゃりしていた。遠足のお弁当のおかずはハンバーグとフライドチキンだったし、お父さんもお母さんも恰幅のある体型だったから、きっと肉食系の家庭だったのだと思う。
ある朝、ショウくんの左眼が異常に腫れていた。「どうしたの?」と聞くと、「お母ちゃんにペン! された」と答えた。
平手で叩いたくらいで、こんなに腫れるものだろうか。私はそれを担任の保母に伝えた。保育園が対応しないなら、行政のところに行く、と付け加えて。
保母は心配げに、ショウくんのお母さんに事情を聞いてみる、と約束した。そしてその翌日、安堵の表情でこう説明した。
ショウくんが夜、眼に異物が入ったと言うので、お母さんはショウくんの左眼をこじ開け、いじくりまわして、その異物を取ろうとした。朝起きてみると、ショウくんの眼が腫れていた。だからショウくんは、眼が腫れたのはお母さんのせいだと思ったのだろう、と。
To be continued...
画像は、カサット「裸足の子供」。
メアリー・カサット(Mary Cassatt, 1844-1926, American)
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