「公の時代」 卯城竜太(Chim↑Pom) 松田修 朝日出版社
一橋大学でのChim↑Pomと鵜飼哲のゼミなりき 東京五輪アートから問うでの話。真綿の首絞め現象じわじわを聴いたので、読む詠む。
復興、オリンピック、芸術祭、都市再開発、表現の自由などなど。“ブラックボックス化”した大正の前衛アートを手がかりに、開かれた社会と個について語り合う。これは紹介文の説明より。
ウェブ版『美術手帖』連載を纏めた一冊。対談なので「まんま喋り」口語体なのだが、多用される片仮名についていけない面もあった。新たな検閲、安全安心!?社会を危惧するひとには注目の書なり。
---- 目次 緑字は千恵子メモ ----------
はじめに 卯城竜太
1. いまアーティスト論を語るということ 12 キューレーターが描く「世界像」かあ
2. 「マジョリティ」園の出現
3. 「にんげんレストラン」は生きていてた 52 高円寺での路上の規制で活気がなくなる 54 人間の証明 そんなのやってたんだ新宿
4. 公化する個、個化する公 73 権力の監視や政治参加がオワコン化 んー、そこまで軽く言われちゃうとなあ 事実だろうけど 82 放射能も福島もNGワード
5. 日本現代アートの始祖・望月桂と黒耀会 +福住廉 106 小泉明郎作品 天皇を消すのも展示不可 そりゃひどい
6. 横井弘三が夢見た理想郷の建設 114 知的障害の説もあった大正天皇が詔勅を遠眼鏡に見立てた、事件 131 理想建設事業か
7. 大正の前衛が開いた個のポテンシャル
8. 「表現の自由」が問われた芸術祭 +津田大介 200 ニューヨークの美術館デモ おもしろい やりたい 214 プロセスがガラス張りな公開検閲
9. 新しい公共をつくる方法論とは +青木淳 249 広場は道の扱い ふーん 263 住宅地のなかの体育館
10. アーティストたちよ、表層を揺さぶれ 273 アイ・ウェイウェイ ろくでなし子が北京で逢った芸術家だよね
おわりに 松田修
卯城による「日本の前衛」DIY年表