「ライファーズ 罪に向きあう」ひとびとの 歩みの記録...米国にては
「ライファーズ 罪に向きあう」 坂上香 みすず書房
ライファーズとは、終身刑もしくは無期刑受刑者のこと。
アンジェラ・デイヴィスの「監獄ビジネス」やら堤未果の「ルポ貧困大国アメリカ」シリーズ等により...心を痛めていたが本書によって、すこし光を感じた。
最初は「まさか」と思ったが、著者が十数年に亙って付き合い映像作品も作っているようす。
いろいろな場面を知るにつれ、真実なのだなあと実感した。
米国でできるのなら、日本でもできないわけがない。壁は高いだろうけれど。
嗚呼、言葉が足りない。本書について月末に再度の紹介の予定。
--------------------- 備忘メモ -----------------------------
24 アリゾナ州 貧民
39 暴力の世代間連鎖
50 監獄大国
105 受刑者の7割以上が、こどもの頃に性暴力を受けていたんじゃないか
154 修復的司法
176 真実和解委員会 南アフリカ
216 アミティでは女性を積極的に雇用
229 シングルマザー 母子プログラム
236 希望の手紙 レジーナ
241 30年の受刑の後 小学生に渡ってきた以来の...メキシコへ強制送還
279 暴力をめぐる果てしない旅。その中腹で立ち止まり荒野を俯瞰する作業。
-------------------- 目次 -------------------------------------
第一章 出発点
道標/旅の始まり/日本初の刑務所内TC/蒔かれた種
第二章 ツーソン
アミティへの旅/アリス・ミラーの伝言/ナヤのストーリー/番号から名前への旅
第三章 サンディエゴ
社会の監獄化/刑務所内TCへの道/監獄の中のサンクチュアリ
第四章 オータイメサ
一枚の写真/ライファーズとは誰か?/刑務所という名のホーム/デッドエンド
第五章 サンイシドロ
仮釈放審議会への道/遺族の存在/花とスクランブルエッグ/秘密
第六章 サウス・セントラル
審議の決定/ゲットーのオアシス/寛容の博物館/バラの苗木/犯罪者の子どもとして生きる/釈放後の現実
第七章 コンプトン
ホームカミング/ゲットーのクリスマス/足下からの脱ゲットー化/修復的な対話の場
第八章 ランカスター
処遇される側から処遇する側へ/ジミーの旅/人種差別と勇気/ロックダウン下のクリスマス/誕生を祝う
第九章 ワッツ
続編への旅/新しいホーム/窓から見た世界/サイコドラマ
第十章 ロス・ルナス
男性受刑者の動揺/女性に向けられる眼差し/二つの死/加害の語りに耳を傾ける/母子プログラム/鏡との対話/希望の手紙
エピローグ ティワナから 番号から名前への旅
強制送還/ティワナへの道/ホーム(刑務所)からの旅立ち/新しいホームを求めて/刑罰を超えて