平井玄の文章は、いつも...ほとんど分からない。過去に何冊も読んだが、つねに苦痛だった。出てくる固有名詞が分からない。表わした概念が分からないの、ダブルですもの。
本書は、もうすぐ開店20周年祝いを迎える新宿「ベルク」が出てくるので、ひさしぶりに無理して読んだ。迫川尚子が、211頁。
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知らない分野が多いが、たまたま知っていた名店「バードランド」についての印象が、わたしのものとはかなり違う。物理的な店の内装などは合っている。しかし酋長やツヤコさんの関係は、わたしらが知っているものとは全然違う。
音楽のことを知らない愛想のいいだけの...印象の薄い酋長。髪結いの亭主か。それにひきかえ、ツヤコさんは顔つきも身なりも存在感ありあり。聞いた話では、酋長はツヤコさんに追い出された由。本書では「愛らしいカップル」なんて書いてあって、びっくり仰天。
自分が視たい形「あらまほしきさま」にしか視えないだろうかと、つくづく思う。こんな風だと、知らないことは「もっと違う」視点が注入されるのかなぁと思いながら読み進む。
だいたい貧乏といいながら、幼稚園(わしの生まれた、ど田舎には保育園すらない)から、有名私立大学まで行っている...お金持ちに見えるしさー。
ようやくとたどりついた、「ベルク」の211頁。立ち位置が近いせいか、違和感は少ない。しかし、大仰な書きかただな。なんでこんなに、おおげさなの。
書評を見ると、みんな誉めてるんだよな。前田朗も面白いと書いてるし。インテリには、受けるのかしらん。奇書、珍書の類。