千恵子@詠む...................

リンクにて開く世界は万華鏡 あれやこれやと交差の果てへ

パチャママのお話絵本ペルーだよ 「わがままリンド」井江春代なり

2016年06月30日 | 詠む

「わがままリンド」 井江春代 フレーベル館

   「ペルーの働く子どもたちへ -Nから子どもたちへ- 〜ペルーの仲間たちを迎えて」

朗読: 水野慶子      ← 劇団「風の旅団」は、むかしみてた
伴奏: 宇佐照代 (ムックリ) ← 映画「陸軍登戸研究所」音楽、アイヌ口琴の演奏者

予習したもんね。

リンドは女の子かと思ったら、大きな木だった。

「パチャママ」は、アンデスの神話にあらわれる豊穣を司る女神。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「証言拒否 リンカーン弁護士」 マイクル・コナリー 講談社文庫

2016年06月29日 | 詠む

「証言拒否 リンカーン弁護士」 マイクル・コナリー 講談社文庫

映画も、そこそこ良かった。「リンカーン弁護士」シリーズ原作の第4弾。

住宅ローンを払えなくなった人に対する銀行による詐欺的な差し押さえ。貧乏人の味方になって稼ぐミッキー。そして事件が。

48 接見時に、鞄の隠し入口から妨害電波を発するリンカーン弁護士。

57 黙秘

90 ミランダ警告

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「北海道警察 日本で一番悪い奴ら」

2016年06月28日 | 

映画「北海道警察 日本で一番悪い奴ら」

原作は、稲葉圭昭の「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」、講談社

題名となった織川隆のルポ、 講談社本も良い。

だけど映画は、綾野剛かわいすぎる。なにやら青春エンタテイメント物語。

最後は50代で捕まるのに、人気俳優「お肌ぴかぴか」なんだもん。

史上最大の不祥事。とても根は深いのだが...「娯楽」として「消費」して良いのかという思いがよぎる。

唐突だが東京スカパラダイス・オーケストラの音楽は、よかった。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「北海道警察 日本で一番悪い奴ら」 織川隆 講談社

2016年06月27日 | 

「北海道警察 日本で一番悪い奴ら」 織川隆 講談社

この題名の映画ができたので、読んだ。

そういえば、主人公の悪徳警官の本「恥さらし」も読んだなあ。こっちが映画の原作だと。昨年の感想は、職務(捜査)に燃えたがゆえに、ずぶずぶになる刑事。組織は、自浄作用がない。発覚したら全力で隠蔽するのみ。

本書は、告発者の側からも取材した丹念な記録。最初の「告発者」の部分で、ぐっと引き込まれる文章。

------- 目次 緑字は千恵子メモ -----------

序章 告発者の怪死 靴下で自殺できるか? 16

第1章 黒い警部

第2章 女と金とシャブ 日勤に変わって遅刻ばかり、ゆえに覚せい剤?? 72 六千万円強盗も、もみ消す! 84 三人もの不審死 100

第3章 「S」――捜査協力者がはまった泥沼 自首したのは愛する娘のためなのに、財布のなかにいれた写真を押収する警察 153

第4章 墜ちた英雄

第5章 北海道警察の深い闇

Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンカーン弁護士なるは検察官 第三作は「判決破棄」と

2016年06月26日 | 詠む

「判決破棄」 マイケル・コナリー 講談社文庫

リンカーン弁護士シリーズの第三作。ふと気付いたんだけど、著者はわたしと同い年なんだ。

今回はミッキー・ハラーは検察官になる。元妻で検事のマギー組む。異母兄弟のハリー・ボッシュ刑事が調査する。

24年前の少女殺害事件の有罪判決破棄を巡り、再審で辣腕刑事弁護士のミッキー・ハラーが「特別検察官」になる。

司法制度のなかで一番に反対しているのが死刑。そんなミッキーが、ロサンゼルス郡検事長の政治ショー的記者会見のなかで「死刑を求刑」、はてさて波乱万丈。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

強制失踪者の家族であること―アルゼンチン社会と日系コミュニティの40年

2016年06月25日 | 企画

「強制失踪者の家族であること――アルゼンチン社会と日系コミュニティの40年」

アルゼンチンでは1970年代後半の軍事政権期に多くの人々が軍部の手によって拉致され二度と戻ってこなかった。民主化以降、徐々にこの強制失踪作戦の内容が明らかにされてきたが、いまだに行方のわからない例を含む多くの「失踪者」の家族や市民団体は40年近くにわたって「記憶、真実、正義」をめぐる活動を続けている。

過去の政治暴力をめぐる責任の追及、真実解明、家族の救済などは、現在もアルゼンチン社会が直面する大きな問題のひとつといえる。

こうした国内の政治的動向のなかでやや特殊な位置を占めてきた日本人移民コミュニティと、そのなかでの日系失踪者家族会の活動を紹介したい。

日時=2016714()午後79

会場=千代田区和泉橋区民館2階洋室A

JR秋葉原駅昭和通り口下車、駅前の昭和通りを岩本町方向に歩き、最初の信号を渡って右折。書泉ブックタワー隣り。駅から徒歩3分くらいの距離。書泉の大きなビルを目指せば、すぐわかります。

発題=石田智恵 (日本学術振興会特別研究員PD(東京大学))

会場費=400

メキシカン・ガールズ・モード オアハカの衣装がわたし


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「わたし、出馬しまんこ!」 新宿眼科画廊

2016年06月24日 | 芸術

福島みずほ議員の改選期だ。ところで、こんな選挙もやるんだよん。--- 以下、転載。

個展「わたし、出馬しまんこ!新党まんこ党」(^o^)/

■ 2016年7月08日(金)~20日(水) 12:00~20:00(最終日~17:00) ※木曜日休廊

■ろくでなし子個展

〔会場〕
新宿眼科画廊 スペース M、S、E
 新宿区新宿5-18-11
03-5285-8822
スペースM、S、E

 特設!投票サイト
http://mankoparty.taboo.jp/

 ろくでなし子を応援しよう! パーティ券(わいろ)など販売サイトhttp://6d745.thebase.in

 あなたも立候補者になれます!候補権販売サイト
 http://6d745.thebase.in

 オープニングパーティ(党首が支援者のみなさまにまん汁(とん汁)をふるまいます)
 7月9日(土)16時~

 投票結果開票日
 7月18日(祝)13時~

逮捕歴2回、ワイセツ罪で起訴され、先日第一審判決を終えたばかりのろくでなし子が、この国の表現の自由の危機を感じ、この度、政党を結成し、自身の個展会場内にて選挙に立候補いたしました!

まんニフェストは「取り戻そう!輝くまん権!」 投票権は会場に来たみなさん全員に有ります!

他にも、あべチンぞう氏(ぢ民党)、ビラリー・栗ントン氏(みんしゅ党)、虎ンプ氏(きょうわ党)など、強豪立候補者達を押しのけて、ろくでなし子は果たして当選できるのか!?

「俺(私)も立候補したい!」という方も新候補者として随時歓迎いたします!


詳しくはコチラへ→http://6d745.thebase.in


会場には、実際に警察に押収されて返って来たデコまんも展示予定!!是非会場に遊びに来てネ!

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「空にまんまるの月」 木村まき 西田書店

2016年06月23日 | 芸術

「空にまんまるの月」 木村まき 西田書店

横浜事件の代表告訴人木村亨さんにあったとき、青年の面影があるひとだなあと思った。もう70歳とかだったのに。

亡くなった彼の妻であり、遺志を受け再審請求を受けついたひとでもあるまきさんの詩集。

あとがきで、「そんななかで、詩は私にとっては杖であり、隠れ家があること」とある。そうなんだ。

独特な言葉の紡ぎかたをした詩の数々。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「パプーシャの黒い瞳」に何をみる 26日ラヴァンデリアと

2016年06月22日 | 詠む

 「パプーシャの黒い瞳」 ポーランド映画 (日本語字幕)

6/26 (日) 開場 15:00 開始 15:30

文字を持たないジプシーの一族に生まれながら、幼い頃から言葉や文字にひかれ、詩を詠んだ少女パプーシャ。わずか15歳で年の離れたジプシー演奏家との結婚、彼女の才能を発見した詩人イェジ・フィツォフスキとの出会いと別れ、ジプシーの社会からの追放など、激動のポーランド現代史に重なる実在した女性詩人の生涯が描かれる。
http://www.moviola.jp/papusza/

場所 カフェ・ラヴァンデリア(新宿)

東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル1F

地下鉄新宿3丁目駅歩2-3分 TEL03-3341-4845
http://cafelavanderia.blogspot.jp/

入場無料(ワンドリンクオーダー)+投げ銭制

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夫夫円満-HUSBANDS-」 パトリック・リネハン 東洋経済新報社

2016年06月21日 | 

「夫夫円満-HUSBANDS-」 パトリック・ジョセフ・リネハン 東洋経済新報社

弁護士夫夫(ふうふ)の波瀾万丈奮闘記にでてきた、大阪・神戸の米国総領事夫夫の本。

少しずつ道を広げていくようすが、すてき。ふたりで、みんなで。

----------- 目次 緑字は千恵子メモ ------------------------

第1部 パトリック・リネハン

序 章 「私たち」
第1章 「私の歩んできた道」 秘密結社のように 59 大使公認へ 62
第2章 「見える存在に」
第3章 「ゲイ・フレンドリーな日本へ」 尾辻かな子ほか 87
第4章 「あなたにできること」 動画メッセージ 108
第5章 「どちらも夫」

第2部 エマーソン・カネグスケ 金城、かなぐすくって沖縄の呼び名だと思ったらやはり 133

第1章 「2人の夫」
第2章 「パトリックとの出会い」
第3章 「カミングアウト」
第4章 「広い世界に」
第5章 「パトリックとの暮らし」

第3部 LGBTを理解するために

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

腕章が海を隔てつ欧州で 腕むすびつ労働者たち

2016年06月20日 | 詠む

腕は「かいな」と詠んでね。
佐野碩の「インターナショナル」の歌詞「海を隔てつ我等 腕(かいな)結びゆく」からきてるからね。

闘いのあるところに全国一般東京南部  なんぶメールニュースからの転載。

▼フランスでは労働法改悪に反対する労働者の大規模な抗議行動が、連日組まれています。

先日も、ストライキで原発も止まり、ショッピングセンターの明かりが消えました。

若い労働者は夜通し、スタンディング・デモで改悪阻止を訴えています。

そんなフランスの抗議行動の様子をニュースが伝えています。

https://youtu.be/xRG12wfzEf8

※フランス語のニュースですが、0.17秒から10秒くらい、インタビューされている人の後ろの人物に注目してみてください。

見てもわからなかった人は連絡ください。

 いんてるなしおなる そりだりて!

(旗開き 平賀委員長と)

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

取り調べ問題研究会 大口昭彦弁護士 7月2日(土)1時

2016年06月19日 | 企画

第1回取り調べ問題研究会

  7月2日(土)13:00~

  ほっとプラザはるみ1・2号室(地下鉄勝どき駅)

  報告者 榎下一雄 ほか最近の被逮捕者

  コーディネーター 大口昭彦弁護士

  参加費 ¥500

救援連絡センター主催なんだけど、まだサイトに載ってないや。

(参考画像 久里洋二 榎下一雄表紙の絵が見つからないので)


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「灰色のバスがやってきた」ナチ・ドイツ 障害者らを殺戮すなり

2016年06月18日 | 詠む

灰色のバスがやってきた -ナチ・ドイツの隠された障害者「安楽死」措置  フランツ・ルツィウス 草思社

副題に「安楽死」と括弧書きしてあるが、安楽死とは程とおい「虐殺」なのだ。

村木一郎弁護士がフェイスブックで「当時、ドイツに暮らしていましたら、私なんか、いの一番に消されていたことでしょう。」と書きながら紹介していたので、読む詠む。

フランツ・ルツィウスは西部ドイツの障害児施設の沿革を取材するうちに、このナチによる障害者殺戮の恐るべき記録に出くわした。この施設からだけでも800名近くの収容者が、「灰色のバス」に乗せられて行く先もわからぬ地へと強制移送され、そのほぼ全員が、二度と帰っては来なかったという。

事実を基にした小説。ノンフィクション・ノベル

背中に名前を書いた絆創膏を付けられたり、番号を烙印されたり、薬の実験やら皮膚移植されたりの人体実験も。

抵抗するひとたちの様子を知ることは、いまを知ることに繋がる。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人」 池谷孝司 真下周 共同通信社

2016年06月17日 | 

「死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人」 池谷孝司 真下周 共同通信社

2009年夏、16歳で母親を殺害し、3年間の少年院の後、大阪で見知らぬ姉妹刺殺事件を犯した25歳の若者の死刑が執行された。
「反省はしないが、死刑にしてくれていい」。

少年時代に広汎性発達障害と診断され、後に精神鑑定では人格障害とされた彼。

貧困と、家庭内暴力。打ちのめされるルポだ。

家族がいない、自助グループもない。疑似家族って、暴力団か宗教くらいしかない?

----------- 目次 一部 --------------------

1章 母親殺害まで (心閉ざし内面見せず/ 上下階に被害者、加害者 ほか)

2章 少年院 (「超長期」に戸惑う現場/ 埋もれた母親殺害事件 ほか)

3章 二度目の殺人 (絶望への旅路/ 支える人いれば ほか)

4章 では、どうすればいいのか (大人の発達障害と今後の処方箋/ 「発達障害をもつ大人の会」 ほか) 

Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先駆者だ「女が映画を作るとき」 浜野佐知なり平凡社新書

2016年06月16日 | 詠む

「女が映画を作るとき」 浜野佐知 平凡社新書

著者浜野佐知監督の名前は30年くらいまえから知っていた。

2008年に大宮のオークラ劇場の閉館のイベント浜野佐知監督特集に、おんなたちが誘いあって観にいったこともある。

2011年には「百合子、ダスヴィダーニヤ―湯浅芳子の青春」を見たあと、遡って原作百合子の本も含めてシスターフッド三昧だったな。

 --------- 目次 緑字は千恵子メモ-------------------------

■第一章 ピンク街道まっしぐら
  三百本のピンク映画 田中絹代監督が最多6本なんだ 浜野監督の300本のピンク映画は数えられない 7 /若松プロの門を叩く 足立正夫もいたんだ 11 /現場を一日で飛び出す/撮影現場はセクハラの嵐/女優のイジメが辛かった/「小茶」のおばちゃん/本木荘二郎と梅沢薫/ハダカの代役も/「青年群像」に拾われる/私の監督修業/監督逃亡でデビューのチャンス/ロマンポルノ襲来/小さな挫折から自分の会社設立へ/なぜ私は「売れっ子」になったか
■第二章 『第七官界彷徨-尾崎翠を探して』
  日本の女性監督の最多本数/尾崎翠を探して/鳥取での現地取材/女性作家や研究者の協力/私物化する全集編者との闘い 最低の男 54 /フェミニストとの出合い/鳥取にも支援する会/翠を知る高齢者たち/運命的なキャスティング/困難を極めた鳥取ロケ/鳥取砂丘でヘリの空撮/女性スタッフの活躍/東京国際女性映画祭/海外の女性映画祭との出合い/尾崎翠フォーラムが始まる
■第三章 『百合祭』の長い旅 いいなあ みたいなあ 82
  パリで口走ってしまったこと/女性が鑑賞するポルノ/男女の異性愛を超える試み/四ヶ月で映画が作れるか?/吉行和子さんがダメなら映画も断念?/最後まで難航した老・光源氏役/同窓会のような役者陣/日本の男社会にケンカを売る?/トリノでまさかの準グランプリ/感涙のモントリオール/イスラム圏で『百合祭』の反応は?/世界のレズ&ゲイ映画祭との出合い/日本脱出した女たち―海外浜野組/海外の日本女性はなぜ優秀か?
■第四章 女性映画祭と共に ヨーロッパの女性映画祭・主宰者インタビュー
  作品は映画自体の運命を走り出す/女性映画祭への世界的な逆風/女性映画祭が立ち上がる時/イデオロギーの戦争が始まった―クレティーユ/ドイツで初めてのテーマを掲げた映画祭―ドルトムント/男性の目を通した女性像に飽き飽きして―トリノ/アンチ・フェミニズムの女性映画祭―ボルドー/実力派女性監督は語る/若い世代の女性映画祭離れ/二本目、三本目と撮っていくと分かること/性に関しては女性監督の方がラジカル/「母船」としての女性映画祭
■第五章 「早く生まれ過ぎた世代」から ―高野悦子さんに聞く
  やりたいことだけ実現しなかった/海軍兵学校へ入りたかった 東宝を29歳で辞めてパリに渡る 映画学校の監督科で優秀な成績 165 /国際女性映画祭のスタート/女性監督が不思議でない社会に/女性映画祭の必要性/男のモラルは女に通らない/孤独で変人と思われてきた/生きることは行動すること/「刺すなら心臓!」
■終章 映画監督は男の世界か?
  何にも変わらない/深作欣二監督の「男の仕事」/セクハラ認識の性差 深作欣二監督 意外と、なかなかよいじゃん 193 /大島渚監督の言葉 私たちの大切な友人 196 /バカ女の壁/女は五十から


あとがき

 

 多くの人は、観客として映画を見る。監督が女であるか男であるかなど、ほとんど意識しない。映画は面白ければいいのだ。ところが作る側に立ってみると、絵画や小説、短歌など個人の創作と違って、職種の異なるチームワークが必要な映画は、女が監督としてリーダーシップを振るうことは相当難しい。莫大な制作費がかかることも、女にはネックだ。

 思いがけなくこのような本を書くことになった。私は三十五年ほど映画監督として過ごしてきたので、文字で、しかもこのようなまとまった形で表現することは思いもよらなかった。平凡社編集部の首藤憲彦さんの提案を受けた時、私がまず考えたのは文化庁芸術家海外派遣研修員として二〇〇二年のパリ研修で行った、女性映画祭主催者へのインタビューを、ぜひとも形にしたいというものだった。そのレポートを締め括る意味で、以前からお願いしていた高野悦子さんへのインタビューも今回実現した。高野さんには深謝したい。

 ピンク映画に始まる私の映画人生を辿るような形になったが、私には自分の人生を語るつもりはまったくなかった。女優以外、女のいない撮影現場で映画を撮り続けてきた私が、五十歳を目前に自主製作を志し、企画から上映に至るプロセスで多くの女たちに出会った。製作した『第七感界彷徨―尾崎翠を探して』『百合祭』の二作品が上映されるほとんどの現場に私は出かけ、ディスカッションを重ねたが、そこで交わされた言葉、触発された思いが本書のベースとなっている。その意味でこれは私と女たちとの出会いのドキュメントであり、彼女たちが私に明確な言葉を与えてくれた。

 しかし『第七感界彷徨―尾崎翠を探して』が完成して四年も経たないうちに、この作品の製作段階から応援してくれた矢川澄子さん・石原郁子さん・塚本靖代さんを私たちは失った。〇二年の春から初夏にかけて彼女たちが亡くなった時、私は茫然自失したが、天上の尾崎翠同様、彼女たちの魂はこの映画にこれからも同行してくれるものと信じている。

 がむしゃらに映画を撮り続けてきた私だが、今回自分でも新しい発見がないでもなかった。二十歳でピンク映画に飛び込んだことをはじめ、世間的には爪弾きにされる人生の選択をしてきた私だが「マイナスのカードを引き続け、それがいつか一挙にプラスになる」という言葉は、太宰治だっただろうか。私はおそらくラッキーな映画監督に違いない。

 あらためて思う。一本の映画を作ることで、人生が変わる。映画もまた、女が撮ることで変わる。これから大挙して女性監督が登場してくることを、私は心から願っている。


吉行和子と浜野監督

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする