気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

2005-10-05 18:48:00 | つれづれ
猫にだともの言ひやすくこもごもに猫にもの言ふ家の者たち

猫のする正坐のかたちに韻(ひびき)あり森岡貞香をつとおもはしむ

冷房をいれてくれよとすがる猫額(ひたひ)の汗を手にふきながら

(小池光 滴滴集)

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図書館で借りたままになっている河合隼雄「猫だましい」を読んでいる。そして、小池光に猫の歌がたくさんあるのを思い出して、また滴滴集をパラパラとめくる。家で飼っている猫はけっして従順ではないだろうが、飼い主の思いを反映するのだろう。猫にことよせて、家族に文句を言ったり、冷房を入れてくれと言ったり・・・。ペットというのは、家族の緩衝材なんだな。

穏やかな陽だまりで寝る猫のごと静かにほどけて流れる時間
(近藤かすみ)