気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

no news 島田幸典

2005-10-06 20:55:34 | つれづれ
横がおを見せつつ橋をゆきちがう光のなかの北山時雨

カーソルを後退させて感情の編集なせり朝地震(ない)ののち

しら鷺はつばさを撓め水に降る水面におのが影確かめて

巨窓(おおまど)に銀杏若葉は犇めきて葉に副(そ)う翳のひといろならず

改札の流れに雌波雄波ありて雄波の人の足どり迅し

(島田幸典 no news )

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以前にも一度読んだ歌集だが、再読し始める。
京都しかも左京区の歌が多く、それだけでも私には嬉しい。歌を作るのに感情をすぐに言葉にせず、一度自分に取り込んで、ゆっくり言葉を紡いである。
まだまだ好きな歌がいっぱいありそう。

いまはネット上でもたくさんの歌が発表され、それをどんどん読めるが、こうして歌集にするためにしっかり洗練して活字になったものを読むのは、また格別の味わい。私は、歌集を手にとって読むのが好きだということを改めて思った。