気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

樹下

2005-10-12 20:59:29 | つれづれ
大いなる樹下(こした)にやすむ一家族夕まぐれまでゐるにやあらむ

きつね色の革の手帳ににくしみのふかぶかとさす書き込みしたり

手をだせばとりこになるぞさらば手を、近江大津のはるのあはゆき

(岡井隆 禁忌と好色)

***************************

岡井さんは、昭和三年生まれなのにとても色っぽい。男性はそれでいいのだろうが、女性は結婚すると色っぽさを封印してしまう。家事や子供の世話でバタバタして封印せざるを得ない状況にいるうちに、本当に色気のない存在になってしまう。
それで終るには人生はながい。家族も同じ樹の下にはいない。
肉体的にやりなおしは利かないが、ペンネームでやり直し・・・というのもええんやないかな?

手触るればひそとその身を閉ぢてゆく知羞草に咲く花のくれなゐ 
(近藤かすみ)