気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

独楽

2005-10-11 22:42:53 | つれづれ
しづかなる旋回ののち倒れたる大つごもりの独楽を見て立つ

独楽は今軸かたむけてまはりをり逆らひてこそ父であること

夕ぐれの大地に独楽を打ち遊ぶくれなゐのひも湿り帯びたり

(岡井隆 禁忌と好色)

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いつか買った短歌新聞社文庫を読む。このシリーズは、手軽で読みやすい。字が大きく一ページに三首とゆったりしているのが良い。
このごろ読むことはとても楽しいのだけど、自分ではなかなか作れない。読むことが栄養になると信じて、何かを待つしかない。

あるネット歌会に参加していて、何も書けていないのに、気分が消耗してしまった。人前でものを言うこと、しかも繰り返して読まれる文を書くということはしんどい。予め「もしも失礼があったらごめんなさい」と言っておかなければならないような雰囲気。ネット上での言葉のやりとりは過剰に気配りする性質を持っているからだろう。