気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

豆餅ふたば

2005-10-07 21:23:56 | つれづれ
水たまり壊しつつゆくトラックの青さに映ゆるその水たまり

朝曇り映す午前の水の面を背鰭に裂きて鯉は潜れり

桜川水の遅速を映しけり「御」を消して出す返信葉書

先廻りして黄昏ているような小春日のNo news is good news!(いや、なんでもないさ)

死後もまた抜け出して来ん川と川出合う出町の豆餅ふたば

(島田幸典 no news)

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歌集の題名の「no news」はこの四首目から採られている。(いや、なんでもないさ)という大胆なふりがなにびっくりするが、先取り不安の傾向のある人には、よく効く歌。早くに老けこまずに、(いや、なんでもないさ)と明るく行きたいものだ。
出町のふたばの豆餅は、よう知ってます。いつでも行列が出来てる店。

帰り道に足元見れば水たまり小さな空のコピー一枚
(近藤かすみ)