気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

猫と短歌

2005-10-30 23:49:44 | つれづれ
猫のする正坐のかたちに韻(ひびき)あり森岡貞香をつとおもはしむ
(小池光 滴滴集)

「猫投げるくらいがなによ本気出して怒りゃハミガキしぼりきるわよ」
(穂村弘)

ほんたうはわれの妻なり五号室の白猫(はくべう)が夜の階で待つてゐる
(高澤志帆)

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短歌人11月号、特集*猫と短歌を読みすすむ。
編集長の小池さんの影響か短歌人会には猫好きが多い。全国集会では猫の歌は人気がある。現実の生活の周辺に短歌をやる人がいないので、森岡貞香の名を上げて盛り上がることはないが、言わばマニアックな話題で「うんうん。知ってる。なるほど」と思えることが短歌の愉しみだろう。
最近では、ほかでも「短歌人会の近藤です」と自己紹介するようになった。

穂村弘の歌は、以前の関西歌会研究会で大橋麻衣子さんが好きだと言ってた歌。会話の中に勢いと怒りがある。

高澤さんの歌は、題詠マラソン2003の歌。猫の持つ艶っぽさがよく表わされている。高澤さん、今年もマラソン完走されて良かった。

穏やかな陽だまりで寝る猫のごと静かにほどけて流れる時間
(近藤かすみ)