気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

湾口 林悠子

2005-10-19 12:00:37 | つれづれ
ふるさとの博奕岬は黒白(こくびゃく)のいずれの石も降る雪の中

風吹けば…東宮(ひつぎのみこ)が娶るとぞ我が家はクッキー焼き増している

仕掛人見えいるブームであるといえ乗るほかあらず仕込む「ティラミス」

今日ひと日に何をなししか幾百のマドレーヌ菓子包みたる他は

弥次郎兵衛の重しの先に居るひとと思いぬ永遠に距離持ちて廻る

(林悠子 湾口 ながらみ書房)

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短歌人会の先輩である林悠子さんから、歌集「湾口」を贈っていただく。林さんとは何度か歌会でご一緒して、城陽市で洋菓子店を営んでおられることは知っていたが歌集のことは、知らなかった。一冊を読むことで歌人の全体が掴めてくる。
1996年の出版なので当時の世相も見えてくる。少しずつ読みすすみたい。