団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

チンピラの喧嘩

2010年12月21日 | Weblog

 歌舞伎役者市川海老蔵(33歳)さんの記者会見を見た。チンピラの喧嘩の釈明を名優が好演しているという印象を受けた。普通人間は、1分間に200語の早さで話すという。海老蔵さんは、1分間に100語ぐらいでゆっくり話した。テレビに向かって、私は「イヨゥ カッコつけるじゃねえか」と思わず野次りたくなった。


 驚いたことにNHKのニュースでもこの会見のことを報道した。たかがチンピラの喧嘩である。騒ぎすぎだ。現在の日本には、こんなことよりもっと重要なことがたくさんある。無視することも大人には必要である。テレビが騒げば騒ぐほど、多くのテレビに映し出される立場の人間は、調子づくのが常である。


 ここまで書いたから言いたいことを私自身がスカッとしたいので書き並べる。3月3日に結婚式を挙げたばかりの海老蔵さんと小林麻央(28歳)さんは、新婚9か月だ。一般的に結婚して少なくても2年くらいはラブラブの毎日だと思うのだが。海老蔵さんは、朝の7時に帰宅したという。それって朝帰りということ?もう結婚生活に飽きたということ?いくら市川団十郎の息子であっても、33歳の既婚者にあれほど親が物申すものなのか。チンピラの親なら、バカ息子のことなんか知るかと放っておくだろう。それがチンピラの親の仁義だろう。チンピラの親がカッコつけてどうする。「殺されると思った」と彼は言う。彼がそう思うなら、相手もそう思っただろう。それにしても大暴れしたようで、ニュースから判断する限り、中々の乱闘の痕跡である。酒の力とは言え、舞台並みの大立ち回りだったようだ。あんな所で“国宝級?”の芸を無料で披露してどうする。高い切符を買って劇場に来る歌舞伎ファンに申し訳が立つのか。君子危うきに近寄らずとは、別方向で、好んで近寄った感がある。夜の世界というのが、東京のような不夜城都市には、あのように朝まで飲める場所があるらしい。私のような夜8時を過ぎれば、眠くなる者には、死ぬまでうかがい知ることさえできない世界のようだ。


 お坊ちゃまは世界のどの国にもいるものだ。ネパール、セネガル、セルビア、クロアチア、チュニジア、ロシアのサハリンに住み、困ったお坊ちゃまたちの事件を数多く見たり聞いたりした。その多くが酒や麻薬がらみだった。甘やかされたお坊ちゃまが世界を跋扈する。日本の芸能界、政治屋どの職業世界も世襲世襲のオンパレードである。世界はどこまで世襲のお坊ちゃまお嬢さまたちによって腐らされていくのか。そんな中、真面目に命がけで仕事に励む、普通の親を持ち、親の期待だけを胸にする若者たちが数多くいることを私は知っている。私は彼等を誇りに思う。今回の海老蔵さん事件は、名も無く、ごく普通に,真摯に生きる者たちへスポットライトをあてたと私は受け止めている。

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