団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

異次元の少子化対策

2023年01月23日 | Weblog

 「神 彼等を祝し 神 彼等に言たまひけるは 生よ 繁殖よ 地に満てよ」聖書 創世記1-28

 私の父は、三男二女の次男、母は四男五女の次女だった。父も母も極貧家庭に生まれた。父は、尋常小学校に2年間、母は、他の兄妹の子守の為、ほとんど学校へ行けなかった。私は一男三女の長男。私は一男一女の子ども二人。長男が二男、長女は一男。我が家でも少子化が進んでいる。

 岸田首相は、最近、異次元の少子化対策なるものを発表した。詳細は分からないが、要は子育てに対する援助を増やすということであろう。コロナ禍、感染者は全額国費で治療が受けられる。ワクチン接種も国費。事業者には、支援金や助成金が。いったいどこからこの金が出てくるのか。これはまるで打ち出の小槌を政府が持っているかのようだ。イタチごっこになる軍拡競争突入が確実な防衛費の増額を増税で賄うとも言いだした。

  最近、私が聴いているラジオのコマーシャルは、過払い金とB型肝炎と相続税の3つに占領されている。英語にbeg(乞う)と言葉がある。Begする人の事をbeggarという。ローマ時代と同じ『パンとサーカス』の愚民化政策かと耳を疑う。ラジオで「もらわないと損ですよ」と煽る。それはまるで政府もマスコミも国民をbeggarにさせようとしているように思える。

  私の父や母が子どもの頃、あれほど貧しくても父や母もちゃんと育って家庭を持った。私が生まれた頃だって、終戦直後で近所みんなが貧しかった。貧しさの中で、両親は、政府からの援助金などbegすることもなく、食べて、教育まで受けさてくれた。今は、何か違う。行く末に不安ばかりが募る。

  少子化対策に予算を組む。軍備費を増額する。遅いのである。長期展望を持たずに何事も先延ばしにしてきた報いだ。政府にも責任があるが、その政府を構成する議員を選んできたのは、国民である。

  少子化に関して大きな原因が、学校教育の在り方にあると私は、思っている。私が中学生だった時、私は恋をした。好きになった女子生徒に恋文を渡した。後日、私は彼女の担任に職員室に呼び出された。他の先生がいる職員室で、その教師は、私の恋文を、こともあろうに声を出して読んだ。職員室中に笑い声が満ちた。私と同じ学年に信州大学の教育学部の教授の息子がいた。学校全体で男女交際が禁止されていた中、彼は堂々と好きな女子と愛の交換日記をしていた。教師のほとんどが彼の父親の教え子だった。まったくおとがめなし。忖度だったようだ。

  今でも小中高、どこもほとんどが男女交際を禁止している。校則でガンジガラメである。思春期を規則で抑え込む、そんな国の子どもが大人になって、急に結婚というわけにはいかない。恋愛にも経験が必要。私は、高校の途中からカナダに留学した。カナダもアメリカも高校生でお母さんになる生徒が大勢いる。日本の高校では考えられないことだ。カナダでもアメリカでも、思春期に男女交際を求めるのは、当たり前の事と捉えているようにみえた。異次元の少子化対策で金をばらまく前に学校内での規則の多くの見直しの方が、この先、効果が大きいと思う。金ばかりBegするのではなく、政治を変えるbegが、私たちには必要ではないだろうか。

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ネパール飛行機事故 | トップ | ぐじ 甘鯛 »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事