団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

詐欺メール

2022年02月16日 | Weblog

  「初めまして! 残念なお知らせをするために、ご連絡を差し上げております。僕は、約2〜3ヶ月前にネット閲覧用に貴方が利用しているデバイスにアクセスし、その後ずっとネット行動を追跡していました。」 

  コロナの第6波を受けて、外出は散歩と買い物だけにして外出を避けている。一日のほとんどをパソコンの前や、ラジオを聴きながら漢字パズルを解くのに費やしている。友人知人家族からのメールでどれだけ勇気づけられ励まされていることか。パソコンがなかったら、この自粛隠遁生活がどうなっていただろうかと思ってしまう。自粛にはなくてはならないライフラインである。時代の進歩に感謝する。

  そんなありがたいパソコンだが、思わぬ悪の手が入り込もうとしている。パソコンのメールのアイコンをクリックした。開くたびに勧誘宣伝のバナーが数十件表示される。まず友人知人家族からのメールがないか探す。読まなければならないメール以外を次々に“削除”。「うッ」と声が出る。「…残念なお知らせ…」 叩けばいくらでも疑いのホコリが立ち昇る私である。またこの爺様、何かしでかしたかと心当たりを懸命にさぐる。ない、自覚がない。でも最近の傾向として、知らぬ間に何か変な所をクリックしていたかも…。

  私の妄想は、強力でエンドレス。呼吸が荒くなる。深呼吸して肩を数回まわした。少し落ち着いた。考える。まず「初めまして!」っておかしくねぇ。だんだん脳が働き始めてきた。心配や恐怖を助長する妄想が、引っ込んできた。今度は推理連想対策への意欲が顔をもたげた。「まずは検索だ」 グーグルに「詐欺メール 初めまして 残念なお知らせ」と打ち込む。あった。やはり詐欺メールだ。選んで打ち込んだ言葉で知りたい情報源に当たった小さな喜びが、だんだん怒りに変わって来た。冒頭の「初めまして! 残念なお知らせをするために、ご連絡を差し上げております。僕は、約2〜3ヶ月前にネット閲覧用に貴方が利用しているデバイスにアクセスし、その後ずっとネット行動を追跡していました。」がそっくりそのまま詐欺メールの一例として出ていた。

  腹が立つ。コロナ感染を恐れて自宅に籠っている。友人知人家族だれも玄関の前にさえ来てくれない。なのに見ず知らずの悪党が、私のパソコンに許しもなく入り込む。この手の詐欺メールは、開けたら最後、手を引かせるために請求された金を払わなければならないそうだ。詐欺から身を守るには、メールを開けない事だという。今回は、開かずに忌まわしいメールを、いつもより3倍くらい力を込めて、“削除”するキーを叩いた。

  コロナのウイルスも恐ろしいが、パソコンを通して入り込む詐欺メールも恐い。詐欺メールは、注意怠りなく対応すれば、防げる。しかし私は自信がない。自分で気が付かないうちに、何かヘマをしでかす可能性が日増しに大きくなっている。

  詐欺メールをまき散らすのも人間。コロナのウイルスをまき散らすのも人間。誰を見ても「おぬしもワルじゃのう」に見えてしまいそうな自分が、今、一番怖い。

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