団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

セカンドライフ問題 冷凍

2007年07月07日 | Weblog
 どこに住んでも年に数回先進国へ買出しに行った。特にベオグラードに住んだ時は、旧ユーゴスラビアは経済制裁を受けていたので、鎖国状態でした。ここでは車でオーストリアのウイーンへ買出しに行った。車に積めるだけの物資、食料を買い込んだ。特に和食関係の食材を買って持ち帰った。帰ってくるとほとんど徹夜で下ごしらえを夫婦で協力してやった。

 ほうれん草は大きな木箱で10箱ぐらい買い、洗って、茹でて、ラップに包んで冷凍した。ベオグラードでは買えなかった魚介類もした処理して冷凍した。買ってきたときはこんなに大量の食材を食べきれるのだろうかと不安になったが、次の買い出しまでにはきれいに食べきった。そんな生活の連続だった。 

 冷凍庫は常にすき間もないほどいっぱいに理由があってしておいた。冷蔵庫と違って冷凍庫は温度が低く設定されていて、庫内に空間をつくらないように食料を冷凍しておくと、停電の時でも、ドアを開けさえしなければ、3日くらいは、中のモノは凍ったままである。こうすることで私たちはなんとか食べつなぐことができた。

 今日本では冷凍庫はほとんど使わない。 神奈川県に住んでいる姉夫婦をたずねたとき。義兄が「こんど24時間開いてる大きな冷蔵庫が近くにできべんりしている」という。意味が最初わからなかった。すぐそばに24時間営業のスーパーができ、以前のように買い物して溜め込まなくてもよいということだった。

 賢いと思った。そうすれば常に新鮮なものを食べられる。便利な時代、便利な国に生きているものだ。それにしても海外でのあの買い出し、下ごしらえ、冷凍の苦労は、いま考えても苦行だった。でも本当に夫婦で協力してよくがんばった。あの苦労が二人の関係を強化したことは、収穫だった。でももうしたくはない苦労だ。

 日本に帰国して3年、まだ一度も停電したことがない。感謝の気持ちで、毎日その日に食べるものを買って暮らしている。
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