団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

めまいと耳のゴロゴロ

2019年06月24日 | Weblog

  妻は耳が変なので耳鼻科へ行くと言った。どうやら綿棒で耳を掃除していて傷をつけたらしい。私が車で耳鼻科医院へ妻が休みの土曜日の午前中に連れていくことにした。私は内心もうこれ以上の医者通いはごめんこうむりたい。

  妻に私は難聴だと始終言われる。確かにテレビやラジオの人の声は、よく聞き取れない。妻に「何て言ったの?」と尋ねることが多い。妻には聞き取れても私にできないことがある。2万円くらいの簡易音声拡大器を買ったが、耳にモノを入れる不快さを嫌って放置している。

  唾を飲み込む時、耳の中で「カックン ジュワー」と宇宙や深海にいるような音が響く。急に首を回したり、振ったりするとゴロゴロとまるで耳垢の塊が転がるような感じになる。

  私は心臓バイパス手術を受けた後から、うつぶせ寝から仰向けに寝るようになった。万歳するように両手を上げて、降参するかのような寝姿だった。還暦を過ぎたころから、横向きに寝るようになった。右、左どちらにでも向いて寝ることができた。ところが左耳を下にするとめまいがして気持ち悪くなるようになった。私はベッドの端で寝る。妻は堂々と真ん中で私よりの位置を取る。私が右耳を下にして寝ると、私の背中を妻に向けることになる。妻は私のこの寝方が気に入らない。いろいろ試したが結局、妻に背中を向けた状態に戻った。

  めまいは、重大疾患の前兆と聞いている。良い機会なので妻と一緒に耳鼻科を受診することにした。私が6年前に受診した耳鼻科医院に行った。妻は耳鼻科を受診するのは、小学生の時以来だという。そこの耳鼻科の医師は、病気になったのか医院を増改築した後、数年医院を閉じていた。受付で診察券の提出を求められたが、失くしてしまって持っていなかった。「再発行に50円かかります」と言われた。もちろん妻は初診。二人で問診票を書き込んだ。私は症状の欄に「耳の中がゴロゴロするとめまいと難聴」と書き込んだ。待合室には10人くらいの患者が待っていた。「予約の〇〇さん、中の待合室へどうぞ」 どんどんそうして患者が呼ばれる。予約時間に合わせて次から次と新たな患者が待合室に入ってきた。予約の方式がうまく機能しているようだ。予約がない患者は、私たちだけだった。それでも40分くらいで中に呼ばれた。

  以前私が診てもらった同じ医師だった。しかし風貌が変わっていた。病気だったせいか一気に老けた感じ。優しい医師で話し方も丁寧である。声が小さくマスクをしているので余計に聞き取りにくかった。夫婦のせいか、二人が医師の前に並んで座った。先に妻が診察を受けた。以前と違って耳鏡を使わず、内視鏡を耳に入れ、テレビ画面に耳の内部が映し出される。妻が心配していた傷もすでに完治していて、吸引機でカサブタを除去して妻の診察は終了。次に私。医師は、額帯反射鏡ではなくLEDのヘッドライトをつけていた。耳鼻科の医師のトレードマークのような反射鏡はもう使われていない。子供の頃、耳鼻科の医者がつける反射鏡をとてもカッコ良いと思った。内視鏡が耳に入れられた。細くて違和感もない。医療機器の進歩は目覚ましい。有難いことだ。テレビ画面に私の耳の中が映る。何か恥ずかしい。耳垢が散在。おや、あれは何。画面を横切る一本の黒い線。機械の不具合。「毛が入っています。これがゴロゴロの原因です」「先生、毛が耳の中に入るんですか?」「入ります。結構多いですよ」 私が推測するに、床屋で散髪してもらった時に入ったらしい。こんな小さな毛がゴロゴロや違和感の原因だったのか。

 「難聴とめまいの方ですが、まず検査を受けてください」と私だけ残されて検査を受けた。検査の後、また診察室に戻り、医師の所見を聞いた。右耳の難聴が進んでいる。もうしばらく様子をみましょう。めまいは、いろいろな原因が考えられるので一度耳のMRIをやって調べることを勧められた。

  妻が耳鼻科に行きたいと言ってくれたおかげで、耳の中の毛を除去できた。まさか毛が入り込んでいたなんて。とにかくコキイチは、あちこちに不具合が出てきている。逃げずに定期的な点検が必要だと実感した。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 百寿者 | トップ | クイーン『Radio Ga Ga』 »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事