団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

千両万両 子孫繁栄

2020年01月08日 | Weblog

  散歩していると綺麗なオレンジ色の実がこぼれんばかりについている木を見つけた。ユーゴスラビアに住んでいた時、正確な木の名は、わからなかったが日本の千両や万両に似た木があった。あまりに見事な実の付き方に感心した。現地の人に尋ねると、子孫繁栄を願ってユーゴの人たちも家の庭にこの木を植えると教えてくれた。

  今年は子年である。子孫繁栄といえば、ネズミはネズミ算式に子を産む。その他にもネズミは、商売繁盛・無病息災の象徴とされる。ネズミは地球上に2800種類生息しているという。おそらく人類よりその数は、多いに違いない。昔何かのテレビ番組で、人類の次に地球を制覇するのはネズミだと言っていた。私はネズミが苦手である。しかしネズミ目の中には、カピバラ、モモンガ、リス、カンガルーなど見た目可愛い動物もいる。私が苦手なのは、家ネズミの類なのだ。

  子供の頃、夜な夜な我が家の天井は、さながらネズミの運動場のようであった。父親がネズミ捕りを仕掛けた。よく捕れた。相手はネズミ算式に増えている。どんなに退治しても、我が家の天井裏の運動会は終わらなかった。高校生になって家を出て、カナダへ渡った。カナダで家ネズミに遭遇したことはない。広大な大平原の牧場で、プレーリードッグ(カナダではゴルファーと呼ばれていた)がたくさんいた。農場主たちは、学生などのアルバイトを雇ってライフルで撃って駆除していた。そのアルバイトを1回やった。ベトナム帰りの学生と一緒だった。ライフルの望遠レンズに映るゴルファーがあまりにも可愛くて、私は与えられた弾をすべて空に土手に打ち尽くして牧場主のもとに行った。すでに車で牧場を廻って各人の成果を調べていた牧場主は、私に「お前に日当は払わない。もう2度とここへ来るな」と言われた。ゴルファーは穴を開ける。そこに牧場の牛が脚を入れ、動けなくなり牛が死ぬことがある。牧場主にとっては、損失である。私が首になったのは、当然である。

  いくらネズミがネズミ算式に増えると言っても日本の人口は、逆ピラミッド型で減少する一方である。与謝野鉄幹と晶子には、11人の子供がいた。光、秀、八峰、七顔、麟、佐保子、宇智子、アウギュスト、エレンヌ、健、藤子。今ならテレビの特番『大家族』で取り上げられるであろう。ずっと生活が厳しかった時代、各家庭は子供がたくさんいた。今はどうか。私には孫が3人いる。私の子供が言った。「子供はたくさん欲しいが、現状では育てられない」。私も子供は2人だ。3人目の名前も考えていたが、その前に離婚した。私は姉と妹が2人の4人姉弟妹妹である。子供の数はどんどん先細りである。少子化になっても子供への虐待が増える。訳が分からない現象である。ネパール、セネガル、チュニジアの子供の多さ若者の多さに圧倒された。貧しくても勢いを感じた。

  今年も初参りに近所の神社に行った。普段は無神論だと言いながら、何か抗しがたい大きな力に引きずられてしまう。神社には、五穀豊穣、大漁追福、商売繁盛、家内安全、無病息災、子孫繁栄、招福祈願、厄除祈念、安寧長寿、夫婦円満を求めて大勢が押し寄せていた。子孫繁栄と言っても少子化が進む。子が少なくても、やはり血の継承を求める。

  日本国内での年間の中絶件数は、20万件を超えるという。年間出産数が100万を切った。20万+100万=120万。日本はどこへ向かおうとしているのか。聖書で神は「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」言ったとある。真意を知りたい。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 年末年始狂騒曲 | トップ | 家なき女性びと »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事