団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

健康問題 入院

2007年05月29日 | Weblog
 インターネットのニュースに“小3男児に教室のバケツで排尿させる・・・広島の男性教諭”が出た。なんでもトイレに行きたがっていた男子児童に、「そこでしなさい」と近くにあった掃除用バケツに排尿させたそうだ。

 排尿、排便はプライバシーの極みである。学校の先生の人格が疑われる。  日本人は、“出もの腫れ物、所かまわず”などと言って、大らかというか、無神経というか原始のままのところがある。

 私が入院して、10畳くらいの8人部屋にいた時、よその病棟から老婦人が移動してきた。男性が6人、女性が2人になった。病室で男女混合とは恐れ入った。消灯時間の9時が過ぎ、ほとんどの患者は寝息をたてていた。私もウトウトしかけていた。部屋に響き渡る強力な放水がオマルのプラスチックにぶちあたる音、続いて吐き気をもよおす悪臭が鼻をつき、目がさめた。なんと新人がベッド脇で用をたしている。小も大もである。部屋の入院最古参のおじさんが「ふざけるんじゃねえよ、便所へ行け。歩けるんだろうが」と吠えた。おばあさん、まったく気にもせずベッドに戻り、すぐにイビキをかき始めた。このくらいの太い神経でないと、この年代の人びとは、激動の時代を生き抜いてこれなかったのかも知れない。いやはや日本の田舎の病院は、アニマル・ファームかと驚いた。  

 世界第2位の経済大国、日本の病院とは信じられない。日本の医療技術は最先端を行くと聞く。医療技術の進歩と患者に与えられている環境は、月とスッポンである。地方の高額納税者ランキングに多くの開業医が名を連ねる。開業医のりっぱなお屋敷とは裏腹に、多くの入院施設に進歩は見られない。昔から日本の貸し家がそうであるように、江戸時代の長屋の感覚がそのまま残り、住民の不都合さなど気にもされない。悪徳大家と病院サイドの住民(入院患者)への対応は似ている。何事もお粗末にして、東は東、西は西を決め込む。こんな国がODAで海外に日本にもない快適な病院をあちこちに建てているのだから、国民は哀れなものである。日本国民の病気、老後にこそ気配り、手配り、目配りをして欲しい。

 友人の見舞いで神奈川県葉山の病院へ行った。病室から富士山や相模湾、江ノ島が見えた。私が入院していた8人部屋より広い20畳の部屋に4つしかベッドがない。部屋にはシャワー室、車椅子で用がたせる広いバリアフリーのトイレがついている。私は友人に尋ねた、「毎日いくら差額ベッド代払うの?」友人はびっくりして「ここ保険適用の普通の部屋だよ」という。

 できる病院もあるじゃないか! 探せばまともな病院もある。日本の絶望的な多くの一般病院のインフラ未整備問題は、黙認放置されている。これが日本のさもしい現実である。  団塊世代がこれから病院の世話になることも多くなるはずだ。しっかり自分の入院する病院を調べて決めておかなければ、自分達が築き上げてきた生活の質、信条、感性を一挙に崩されかねない。

 病気にならないで、病院の世話にならないのが理想であるが、そんな運のよい人はまれである。世の中進んだようでまだまだ旧態依然な部分も残っている。その改善にこれから皆で取り組めたらいい。病院快適度ランキングなどに関心を示し、患者サイドが何を求めているか知らしめれば、団塊パワーはジワジワと病院側の改善を迫ることができるだろう。差額ベッド一日5万円でも個室に入ることができる方には、関係ないこととは思うが。
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