団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

所さんの目がテン

2016年11月14日 | Weblog

  日曜日の朝7時から始まる日本テレビの『所さんの目がテン』を夫婦そろってかかさず観ている。身近な話題を科学的に解明する番組である。所ジョージの冠番組だが他の出演者も持ち場をわきまえて活躍して視聴者にわかりやすく科学をひもといてくれる。日本テレビアナウンサーの後藤晴菜、ユージ、酒井嘉史などのレギュラー出演者もだが、その時の話題事に専門家学者が解説してくれる。ただユージが俳優渡辺徹と歌手榊原郁恵の息子渡辺裕太に替わった時はもうこの番組を観るのをやめようかと思った。長年観続けた『笑点』も大嫌いな林家一家の林家三平に替わってから一度も観ていない。日本テレビという会社には何か旧態依然な目に見えない企業風土があるとみる。科学を扱う番組にただ2世タレントというだけで出演させたら、科学がかすんでしまうだろうに。これも私が文系ゆえの邪推かもしれないが。渡辺裕太は毎週でるわけではない。番組自体に問題はないので観続けている。

 科学をわかりやすくという『目がテン』というテレビ番組があるように本屋にはこの手の本がたくさん置いてある。最近中西載慶著『続・サイエンス小話 身近な食物』(東京農業大学出版会 1380円+税)を手に入れた。同じ著者による『サイエンス小話――身近な物質から好奇心を育てる本――』も以前読んでいた。『所さんの目がテン』が身近な話題を科学的に解明する番組なら『続・サイエンス小話』は身近な話題を科学的に解説する本である。

  『続・サイエンス小話』のはしがきにこんなことが書いてある。「学ぶことは、充実した人生と楽しい生活を送るために必要不可欠な要件ですから、つきつめれば、生きるための目標は、学び続けることにあると言っても過言ではないと思います。学びの原点は好奇心にあります。加えて好奇心はアンチエイジングの妙薬ともなりますから、老若男女、常に好奇心を持ち続けることが重要です。好奇心をかきたてる事柄は、身の回りに無数に無限に存在しています。例えば、日頃あまり気にとめることもない身近な物質や食材や食品なども、それらを多面的視点でとらえれば、歴史や文化、科学や技術、生活や社会状況など、あらゆる分野の素材となります。」

  妻は私を好奇心の塊のようなヒトだという。私はただ欲深い人間で「あれも知りたい、これも知りたい」「もっともっと」と生きてきた。69歳になった今でもその傾向は変わらない。自分でも困ったものだと思う。しかし“知りたい”という好奇心は、私という生き物のエンジンを動かせ続ける燃料みたいなものである。知りたいと私が思うことは、決してノーベル賞級でなくごく身近なことである。私の“知りたい”欲求に応えてくれるのが『所さんの目がテン』であったり、中西載慶の『サイエンス小話』『続・サイエンス小話』なのだ。テレビ番組であっても本にしても、私にちょうどいいものは数が少ない。だからこそ、私がそれを目にしたり、読めることは嬉しいことである。

  私は長く主夫をしてきた。料理は科学だと実感している。料理を通して湧くように生まれたたくさんの疑問をひとつ一つとひもとく。日常のありふれたことでも、ふと立ち止まって持った疑問に対する科学的な解明に納得できるのは、私が作った料理を妻が“美味しい”と言ってくれるのに次ぐ喜びである。『続・サイエンス小話』を読み終わって、自分の人生、捨てたものではない、と思えた。そしてこの本から得た知識知恵をこれからの主夫生活の中に取り入れていこうと思っている。私の人生、「もういいかい?」との問いに「そろそろかな」と答えかかっていたが、「私の人生、ま~だだよ~。」に修正する。

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