団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

心配日常

2023年09月08日 | Weblog

  日本各地で台風、ゲリラ豪雨、干ばつ、猛暑などの被害が出ている。どうにかしたくても、相手は、自然なので打つ手がない。

 妻は、新幹線で遠距離通勤して東京の職場で働いている。2日前に仕事が終わった妻からメールが来た。「最近、JR在来線の電車が遅れてばかりなので、今日は、乗り換えを違う駅にしてみます。乗り換え時間が1分なので、乗ることができたらメールします」 私は、乗り換え1分に反対だった。最近、駅構内の階段やエスカレーターで転倒する人を何人も見た。妻は、運動神経が優れているとはいえない。年齢的にも、無理ができない。私は、すぐにメールで返事した。メールも瞬時にやり取りできるものではないらしい。急ぐ時、必要な時に、意外と役に立たない。今回も連絡のやり取りは、できなかった。心配は、頂点に達した。

 私は、妻の1分乗り換えを阻止するための行動に出た。車で新幹線が止まる駅まで行き、入場券を買って、新幹線の改札で妻を待つ。駅に到着したのが、妻が乗った列車が到着する2分前だった。メールでその駅で待っていると知らせてあったが、妻がメールを読んだかは定かでない。駐車場に車を入れて、改札に向かった。妻が改札から出て来た。「乗るはずの電車、もう出ちゃった」 帰りの車中、私は、妻に説教した。もう2度と今回のような無謀で危険なことを繰り返させないように。

 8日朝、台風13号が近づいていた。すぐネットでJRの運行状況を調べた。在来線は運行見合わせ。新幹線は、平常運転だった。すぐ朝食を摂った。妻は、あわただしく出勤の用意をして、5時50分に家を出た。まだ暗かった。雨が強く降っていた。風も強くなっていた。新幹線が止まる駅まで急いだ。妻は駅で降り、改札に走り、打ち合わせておいたちゃんと動いていたら、両手で丸の仕草をした。私は、来た道を引き返した。家の近くの新幹線が走るのを見られる場所に車を停めた。妻が乗った新幹線が通過するのを携帯の時刻を見ながら待った。時間通りに新幹線が勢いよく通過した。胸が熱くなった。「いってらっしゃい」

 こんどの日曜日、高校3年生でサッカーをしている孫の試合の応援に行く予定だ。良い機会なので、4年ぶりに長男家族長女の家族と会ってランチをすることになった。試合は、11時からなので、まず皆で応援する。終わったら2時に長男が予約してくれたレストランで食事をする。楽しみにしていた。7日長女からメールがきた。孫がコロナに感染したという。長女一家は、自宅待機になる。というわけで日曜日の4年ぶりの皆が集まることができなくなった。

 心配事がつきない。コキロクは、時間を持て余している。待つのは仕事、散歩が日課と言ってきた。待つのは仕事、散歩が日課、心配日常と言い換えなければならない。

 ニュースを観たり聴いたりするのを避けるようになっている。中国や北朝鮮やロシアの暴走が酷くなるばかり。異常気象、コロナ、政治不信、原子力発電所の汚染水、ジャニーズ問題。どれも私に何とかできる問題ではない。心配しかできない。心配の向こうに私の祈りがある。心配する。そして祈る。死ぬまでそうするしかない。


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