団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

生ハム

2023年07月20日 | Weblog

  現在日本では、イタリア産の生ハムを入手できない。2020年1月から禁輸措置が取られている。これは、イタリアやヨーロッパでアフリカ豚熱が流行っているからである。スペイン産の生ハムは、禁輸対象になっていない。スペインは、アフリカ豚熱に関して清浄国とされているからだという。私は、イタリアのサンダニエル産の生ハムが好き。成城石井で買えるので重宝していた。

 ネットで興味深い記事を見つけた。ニューズウイーク日本版7月15日版『金正恩の「謎に包まれた食習慣」が料理人に暴露される・英報道』「……イタリアのパルマ地方で作られるプロシュートの一種であるパルマハムを大食いするのが好きである……。」

 えッ、北朝鮮でイタリア産の生ハム禁輸されていないの。調べてみると、イタリア産の生ハムを禁輸しているのは、日本と香港だけだという。北朝鮮の、あのお方なら禁輸だろうが、何だろうが、欲しいものは手に入れられるであろう。

 あのお方が、パルマの生ハムをどう食べているのか興味がある。私は、メロンはもちろん、スイカ、柿、イチジクと食べるのが好き。特に黒イチジクが一番生ハムと相性がいいと思う。最近、キングというイチジクを初めて生ハムと食べてみた。これもいける。すでにシーズンが終わってしまった。来年のお楽しみである。通販サイト『産直アウル』の香川県三豊市のai-sai自然園から 6個入り2290円(税込み 送料込み)で購入できる。ここは9月から黒イチジクも3950円(税込み 送料込み)で買うことができる。

 イタリアで生ハムは、プロシュートと呼ばれる。スペインでは、ハモン・セラーノ。私は、イタリアのプロシュートが好き。日本でも最近スーパーなどで「生ハム」が売られている。しかしあれは生ハムでなくて、ハムの一種になる。製造法がまったく違う。日本の一般的な生ハムは、低温で調味液に7日間以上漬けたものである。1,2週間で製品化できる。一方イタリアやスペインの生ハムは、1,2年かけて作られる。全く違うものだ。

 しかし日本のあちこちで本格的な生ハムを製造する企業や個人が増えてきたという。喜ばしいことである。日本には、優れた醸造技術がある。生ハムを熟成させるために、醤油麹などの麹菌を活用して独特の風味を生み出している企業もあるそうだ。生ハム製造には、良質の豚肉もいる。豚の品種改良も進んでいている。日本の生ハムもそのうちに世界で評価される時代が来ることを期待したい。

 私が初めて生ハムに出会った時、“生”という言葉が、とても気になった。豚肉は、よく火を通して食べなさいと言われていた。豚を生で食べる。いくら魚の刺身を食べる文化の国で育った私でも、豚肉を生で食べられない。名前が良くない。生というより漬けてから熟成させた豚肉である。良い名前を考えて欲しい。

 イタリアから生ハムが再輸入されるまで、まだまだ時間がかかりそうである。私は、すでに海外旅行を諦めた。でもイタリアへ行けば、生ハムを食べられる。最後の海外旅行に、イタリアへ行こうかと思い始めている。イタリアのサンダニエル村に行って、大皿に隙間なく並べられた黒イチジクの上に薄く薄くスライスされた生ハム。イチジクと生ハムをほおばり、冷えた白ワインを含む。もう一度あの至福を感じたい。


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