団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

相撲力士が内閣総理大臣になったなら…

2020年09月16日 | Weblog

 安倍首相の突然の辞任で政界は、大騒ぎ。そんな中、大相撲の秋場所が始まった。応援する朝乃山がなんと3連敗。でも初日、2日目はそれほど悪い相撲ではなかった。3日目の相撲は、何か精神的に迷いがあるような負け方だったので、この先心配だ。

 テレビの大相撲中継が終わった後、ニュースになった。自民党の4役とやらが決まったらしい。平均年齢が71.4歳とか。コキゾウ(古稀+3歳)の私と、さほど違わない。少し前まで観ていた、大相撲の関取との格差に愕然。皆、一様に身長が低く、髪の毛も薄い。表情もどちらかというと強面。さっきまで闘っていた力士たちは、大きな体に大銀杏の髪型、締め込み一本でほぼ裸。激しく体と体をぶつけあう格闘技。なのに厳格な神道の作法や伝統を重んじる。私はふと思った。もし相撲取りのような人が日本の内閣総理大臣、大臣や4役になったら…。

 以前アメリカ人が私に言った。アメリカ大統領になる人は、WASPで身長が6フィート以上で、歯が白くて歯並びが良くなければならないと。WASPとはW(白人)AS(アングロサクソン系)P(プロテスタントのキリスト教徒)。確かに歴代の大統領をみると、その範疇に当てはまる。ただケネディ大統領から変わった。彼は、アイルランド系でカトリックだった。それから、ついにオバマ大統領が、黒人初のアメリカの大統領になった。人種、宗教が相当しなくても、いまだに身長や歯の条件は、残っているようだ。

 日本は、身長も宗教も歯も壁にならない。なるのは、世襲という壁である。よく政治の世界に入るには、3バンが必須であると言われている。地盤・看板(肩書)・鞄(金)。そういうことで言えば、日本はまだ封建時代のままなのだ。私はずいぶん前に日本の政治への関心を失った。選挙と納税は、国民としての義務だと信じて忠実であることを守っている。不満はある。でもどうにもならないと諦めてもいる。

 私は政治に関わる人たちが、テレビに映ると点検する。どんな背広を着ているか。ネクタイの趣味。靴が映れば、靴。ワイシャツ。ベルト。髪の毛の手入れ。歯並び。歯の色。自分の事はさておき、よく他人の評価などできる。私が今一番おしゃれだと思う男性は、NHK・BSのワールドニュースに出てくるフランスの男性アナウンサーだ。彼の服装は、素晴らしい。背広、ネクタイ、ワイシャツ。特にワイシャツの着こなしがいい。センス抜群。残念ながら、日本の政治関係者に、私を感心させる人がほとんどいない。麻生財務大臣の背広とワイシャツは、立派だと思うぐらいである。

 身長や歯並びなどは、決して良い政治家の条件ではない。もっと大事なことがあることは、私だって百も承知している。しかし日本という国が一人の内閣総理大臣によって、どうこうなることはない。日本の政治は、党利党略で動く。であるならば、誰がトップに立っても同じ事しか起こらないのではと思ってしまう。

 好きな朝乃山、貴景勝、正代の相撲を応援して思った。もし内閣総理大臣が彼らのような関取だったら…。まず世界の日本を見る目が大きく変わることは間違いない。羽織袴に大銀杏姿のまま首脳会談でどこの国と対峙しても、並んで写真を撮っても、まず見劣りしない。相手がとんでもない要求やいざこざを起こすような事を言ったら、立ち合いで相手を睨むように目を向ければ、相手はひるむ。会談がうまく行って、握手する時、満面の笑顔は、世界のどんな首脳をも魅了するに違いない。小市民の私は、そんな夢をあと12日間、贔屓の力士を応援しながら、見させてもらうことにする。

 


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