団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

大使館がマンションに

2010年02月01日 | Weblog
 私が月一回通う東京の病院の近くにベルギー大使館がある。この大使館が今度マンションになった。大使館がマンションに!かつて週刊誌の連載で北野たけしが、世界に展開される日本大使館をホテルにしたら、と提案した。私はとても良い案だとその時思った。ホテルとマンションの違いはあるが、たけしの言っていたことが現実になった。主旨は異なると思うが、田中真紀子元外務大臣も「どこの日本大使公邸もまるで体育館のようで、たった二人(大使と大使夫人)のためには大きすぎる」と発言した。

 ベルギーだけでなく今度、南麻布にあるフランス大使館も大使館の敷地を整備して大使館と併設して商業施設とマンションを建設するという。そのマンションの一部を大使館、大使公邸に使用する。さすがだと思う。東京の地価は、世界で最も高い。高く売れるうちに売っておけば、資金の有効活用が可能となる。多くの国々は、どこも経済が悪化している。現地で自立して独立採算制も考える傾向がでてきたことは好ましい。過去のまだ地価が安価であった帳簿価格で処分できれば、更に利益は大きくなる。

 外務省の関係者に「日本の在外公館が東京のベルギー大使館やフランス大使館のように海外公館の敷地に分譲マンションを建設できるのか」と尋ねた。法的に問題は無いという返答をもらった。

 私は、日本の在外公館にホテルとマンションの複合施設を建設することを提案したい。大使館と大使公邸が一体化し、ホテルが大使館や大使公邸の宴会を担当し、大使館の独身職員、単身赴任者の貧弱な食事も中国大使館並みの整備されたものにしたらよい。まともな食事が精神衛生上のみならず肉体の健康にも良い影響を与えるはずである。日本のような輸出が経済を支える国なら、なおさら世界中の大使館や領事館のある都市に、日本の企業も支店や営業所が入ることができるマンション、ホテル、商業ビルとしての施設ができる。一時期、日本は、世界中から“日本国株式会社”とか“エコノミックアニマル”と化していると、非難された。何ごとでもそうだが、日本は少しタイミングが早すぎる。そして批判されると即、自己を恥じ、態度を修正し八方美人となる。叱られたことのない秀才に多い性向である。

 そんな中、特に中国政府はそうして世界に進出攻勢をかけて着々と目覚しい成功を収めている。日本は、外国からの中傷批判に極度の過敏症に陥っている。先の戦争で敗戦国となった後遺症かもしれないが、現在の国際競争の中で国家を維持していくためには、政府が積極的に企業産業を支援するべきである。そのためにも世界140箇所以上に展開する在外公館の賢い運営を、官民一体となって事業仕分けして、作戦を立て直すべき時期だと確信する。日本に普通に流通していて、世界ではまだまだ知られていない優れた製品や技術や伝統は、たくさんある。今のうちに売り込まないと、それらさえ、新興国に凌駕されてしまうだろう。

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