備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

往年の温度計

2006-08-11 12:20:45 | 陶芸

縁あって、窯焚き。

ちょこっと頼まれた窯焚き。
といっても 素焼きまでです。


高温の温度を測るためには、
『 熱電対、補償導線、温度指示器 』が必要です。

棒のような『 熱電対 』の先端を窯の中に入れます。
先端に合わさった2種類の金属(白金ロジウムと白金)があり
熱を直接 電圧に変換します。(かなりラフな説明やなぁ~)
それを『 補償導線 』というコードを通して 
『 温度指示器 』で読み替えるという仕組み。

この中で何が高価って、やはり白金。プラチナ!



さて、写真の物体は、
最近見ることが少なくなったタイプの温度指示器。
『アナログ式のパイロメーター』です。


最近は当たり前のように デジタル表示が多くなりましたが、
一昔前は、このアナログな『 針 』で表示するタイプでした。

中に細いヒゲゼンマイのようなものが入っていて、
機械的に精密に作られています。
なかなか繊細なもので、水平にキチンと置かなければならず、
横倒しにしようものなら、大変に叱られる代物でした。

小生が弟子入りした頃は、既に アナログ式は少数派。

デジタルの温度指示器の部品だけを
使っている人がほとんどでした。
むき出しの表示部分の裏側にある端子に
「温度計の線」って呼ぶ補償導線を
無理やり ねじ込んでいました。
動かないように レンガを乗せておくというのも定番。

最近は、箱に入ったキレイな温度計が売られていますが、
部品むき出しに比べると、「えっ!?」という価格です。



デジタル式になって、燃料効率は良くなったし、
窯焚きを理論化して考える為には 便利かつ必需品。

でも窯焚き中に 時々、温度計を信用しないのが、
やきもの屋という人々の人間性でもあります。


今回は素焼きまで。
さほど精度を必要としないので、アナログ式で充分という訳。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿