備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

幸せの大小

2014-10-07 12:06:25 | 料理・食材


先日の事。
朝、外出した折に魚屋さんに寄ってツナシをトロ箱一杯購入しました。
帰宅して外でウロコの処理をしてから、家の中で捌いて、ザルに立て回して振り塩。


毎度の事なので、ツナシの説明は省略。過去記事はコチラ
と、これも毎度ながら単価計算すると、50尾を400円で購入したので@8円ですな。最安記録更新!
この魚は、安いけれど丁寧に下処理するほどに旨みが増す気がするなぁ。寿司ネタでは一番好き。

さてさて、午前中に振り塩まで処理していると、昼食後には酢へダイブ出来る。
……と、いうことはっ!! 
今晩の『酒器の勉強タイム』に間に合う。ビバッ。

いやぁ、楽しみ、愉しみ。「美味しくなぁ~~れ」の時間も幸せやねぇ。


それにしても、朝から実に上手く時間が使えた。
我ながら段取りの良さにも小さく感動しているところ、玄関からピンポ~~~~ン。おっ、宅配便?

大きな箱を抱えた宅配便のお兄さんの笑顔が眩しいぜ。いや単なる逆光か。「幸せは些細なものにも輝きをもたらす」(by小生 ← うかれてる)


で、大きな箱を開けてみると!! ド~~~ン。


ド~~ン。ド~~ン。ド~~ン。

「伊勢海老の玉手箱や~~~~」 喜びMAX!!
「ぬぉ~~」という歓喜の声を上げつつ、「ん、ツナシの立場は……」と脳裏をかすめる少し複雑な想い。

そうか、人は小さな幸せと大きな幸せを同時には感じにくいのか……。
幸せの大小は、錯視で反転図形が複数同時に見えないのと似ているな。いや、似ない。(無意味に二重否定 ← うかれてる)


「今は少々、幸せに対する認知が混乱しているだけだ。まだ慌てる時間じゃない」と眉間に皺を寄せつつ検討する。
ツナシはもう少し長く漬け込む方針に変更。
つまり、頂くのが今晩ではなく明日以降ということだ。半熟れ寿司を思えば少々の時間延長は問題ない。解決。(早っ)


まずは、番犬福助くんに見せびらかす。ほれっ! (← うかれてる)


「どうせ呉れないじゃん」の顔。(← うかれてない)


しかるべく夕刻。いつもより仕事が早く終わった気がしないでもないが……。
まずは冷酒をグラスに注いで捌く準備。落ち着いて伊勢海老と対面する。
この場合、冷酒は勿論ツマミ食いでお刺身を頂きつつノドを潤す為に、仕方なくだ。うん、仕方ない。
まな板の隅にワサビと醤油も準備しての本気のツマミ食い。仕方ないねぇ。

蒸すでしょ。洗いにするでしょ。


具足煮だって、ほらっ。

明日の昼は、海老出汁うどん確定ですな。


「ぬはははっ!」と海老と酒盃を両手に御満悦な夜は、更けて尚も伊勢海老三昧。そして、やはり……ツナシも投入された。
大小の幸せWAVEが繰り返し押し寄せてくる。
さてさて「こんなに海老と光モノを食べて、明日、痛風発作が出ないかしら……」とか、そんな『幸せの代償』なんてことは全く考えませんでした。

いやはや長い夜。いや、長い一日だった。


関係各位の皆様に感謝。m(_ _)m