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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

彫る…削る…

2012-06-26 18:51:43 | 陶芸


7月にある展示会に向けて、チビ窯を焚く予定。
というか、絶対焚かないといけない。

モノが足りないのと、今回の個人的テーマである『夏の備前焼』がある為。

『夏の備前焼』は、窖窯(あながま)半分、チビ窯半分の構成でする。
『緋色と白』『青備前と象嵌』のラインナップの2本立て。

おっと、あまり風呂敷を広げるとあとが大変なので、これ以上は語らないとして……。


チビ窯の分は、今作っている素地の色に近いまま焼き上がる予定なんだけど、窯の湿気が多いのが気掛かり。
この時期は仕方ないな。
ちと心配。

でも、とにかく作るべし。(家訓:いけいけドンドン)


昼夜問わず、彫る…削る…彫る…削る…の繰り返しです。


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ドンドンッ! せっせっ!

2012-06-21 12:59:54 | 陶芸


お昼ご飯前。仕事しててトラックが来たことに気がつかなかった。
そして、ドアチャイムが鳴ったときにはたまたま裏口から外に出ていたんだろうなぁ~、聞こえていなかった。


手を洗って気分良く「さて、お昼ぅ~ ( ̄ε ̄)~♪」と思いながら仕事場に入ると、玄関をドンドンッ!と叩く音がする。
「えっ何?」っと思うとまたドンドンッ! 田舎の人はいきなりドアを開ける人もいらっしゃるのでおそらく他所からの訪問。
しかも今度は大声で、玄関を叩きつつ「せっせ!せっせっ!」とやっている。
ちょっと身構えをしっかりして「ハイハイ!」と返事。まだ外ではドンドンッ!
こちらの返事がドンドンッ!に邪魔されて届いていないみたい。

「ハイハイ!」「ドンドンッ!」「せっせっ!」の応酬。


返事している間に「せっせっ!」が「せんせっ!」であり、それが「先生」の意味と脳内変換されて「あぁ宅配便かな?」と。

ドアを開けると大きな体格の若者が拳を振り上げていて、殴られそうな勢いで「お届けものです~~」と荷物を差し出す。顔はニッコリ。
いやいや、その業務用ニッコリは逆に怖いってば。
しかも笑顔で「先生~?」 白い歯が眩しいぜ。

「……」

再度「先生?」と訊かれて、つい「はぁ…」と生返事。
しかし気を取り直して「あっ、ハイハイ(えぇ、もちろん私が先生でxcvbwdvhj;/☆/;l&kjhgf~~な感じで)」と受け取りつつ、チラッと宛名を見るとやっぱり『先生』でした。

素直な宅配業者さんです。そう書いてあるもんね。
荷物を引き渡すと颯爽と雨の中トラックは去っていきました。


受け取った荷物を手にしながら、ふと落語を思い出す。

五代目志ん生のマクラ。
 「私なんざ落語家も「先生」ってぇ呼ばれることもありましてね……」
 「おいコラっ! 先生よぉ~、そこの下駄とってくれぃ」
 「下駄を取る先生っていますか?」

玄関で思い出し笑い。
今度来たら「なんだ、どこの生徒だ? 授業料を持ってきたのか?」って言ってやろうかな。


しかし、ヤキモノ屋を「先生」って呼び始めたのは何処の誰?
こちとら、ついこないだまで丁稚じゃ……。


まぁ、いきなり初対面で「なべちゃん?」って言われても、それはそれで動揺するけどね。



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台風通過

2012-06-19 20:25:17 | 陶芸
どうやら台風は抜けたみたい。拙宅の周辺では雨は多かったけれど、梅雨の大雨とそう大差ない感じ。

台風前はドキドキしてアチコチの点検をして昼間の時間が潰れたけれど、被害が出ないうちに通過してくれて良かった。
全国的に被害が出ないで収まって欲しいなぁ。


進路が怪しい台風の場合、準備が大変。
特に今回はチビ窯を焚く前なので。側溝掃除して、割木を片付けて、窯にシートを掛けて……その他諸々。

そういう訳で今日は一日中ずっと外を見ていました。

雨が上がると大きな厚い雲が横たわり、その隙間からは青空も出ました。ダイナミックな景色。
田植えが終わったばかりの田圃にも空が映り込んでいます。

雨上がりの散歩では、番犬福助もヤレヤレという表情。
近くの用水路からの水音が凄いので見に行きました。福助は体を洗われるとでも警戒したのか嫌がったけれど。(ちょっとトラウマ)
こんな時にしないよ。



水量は普段よりもかなり多い。丁度、池の水が少なくなってたので良かったのかな。
お百姓さんもひと安心でしょう。


さて、やきもん屋は仕事をしないとなぁ。

順調に遅れてるよ。

(なのに、昨日ノコギリで指を切ったという間抜けぶり)
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夏っぽい写真

2012-06-11 19:41:44 | 陶芸


昨日の『夏っぽい写真』の件。
7月のDM用でして、この入梅の時期に夏っぽいものを撮るというのが昨日のお仕事。そして本日、無事に写真をデザイン会社さんへ入稿しました。(うん、仕事が早い! つかギリギリ。)

で、その余り……というか、アレコレやっている途中の気分転換の一枚です。
DMとしてはモノが小さく写っているので使えない。まぁ、暑中お見舞い葉書ぐらいの用途ですか。

寝転がって撮影していて体の節々が痛くなって来た頃に「ちょっと体を動かそう」と思い、流木を拾って、海で洗って、立て塩の如く砂を綺麗に振りかけて……。妙な行動だっただろうな。
そんな休憩がてらの一枚なので、あまり考えずにワンショット。まぁ、夏っぽさはあるか……。(ちょっと構図がハズカシイ)


ところで、使っているデジタル一眼はフルサイズではなくてAPS-C機なんですが、これは銀塩のフルサイズ(35mm)と比べると違和感がある画像の比率です。縦が長い。
最初は、妙な感覚だったんだけれど、馴れとはオソロシイものでして「トリミングすれば良いじゃん」的な使い方をしていました。
『短辺のスペースだけを決めて長辺は切り落とす』という安易な発想。


ところがっ! です。

このAPS-Cのサイズって、葉書とほぼ同じ比率なんですなぁ。(昨晩、今日のプレゼン用にラフデザインして知った。遅っ)
トリミング要らないじゃん!
いままで、トリミング前提だったので気付かなかったよ。

というわけでして、このお気軽ショットは撮りっ放しで葉書サイズ。
「しかし、ここで載せちゃうと使えんなぁ」という懸念を他所に、他にもボツショットがありまして……。なにせ20G撮影済みですから。


そして本命のDM用は死屍累々の上に生き残った……わりと地味なんですが……「DMらしい」という一言で決まりました。
あとの作業はプロにお任せ。よろしくお願い致します。m(_ _)m
格好良くね。(*^ー')b


さてさて、手元には『梅雨のわりには夏っぽい』写真が色々御座います。(お礼状に使うかな)

まずは一枚ちょい出し……と。




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ギンギンにしてやんよ

2012-05-27 20:22:39 | 陶芸


もうね、研ぐ。ギンギンに。
樫の木を切りまくったら、全然切れなくなってしまった。やっぱり樫って字の如く堅いんだなぁ。

チェーンソーは刃がピンピンに研いであってこそ実力を発揮する。エンジンをブン回すよりも研ぐべし。「ブンブン吹かしていると笑われるぜ」とは造園バイトしてた時のベテランのお言葉。
直接、その人に習って研ぎ方を教わったので今でも役立つ。
「バイトでも技術は見て憶えろ」という人だったので、荒っぽい言葉に反応して拗ねたり怒ったりしていたバイト仲間もいたけれど、小生はこういう人に苦手意識は無い。
「どうやって教えてもらおうか」というゲーム性を感じるから。
なので、しつこくいつもくっついていた。その結果、園芸の世界で『追い回し』っていうのがあるのかしらというぐらい使われたけど。時々その技術が役に立つので感謝。

たぶん、小生のジイサマっていうのがちょっとヤカマシイ棟梁だったっていうのが影響しているのかも。孫にも容赦無い接し方してたからなぁ。
正月に挨拶に来る設計士さんが凄く緊張してたのを憶えている。
でも、いつもくっついていたお陰で五右衛門風呂も焚けたし、刃物の研ぎ方も習ったし……。惜しむらくは早く亡くなり過ぎた事か。
時々、煙管でカンナを引っ掛けてスーーッと木を削るのを見せてくれたのは、孫に対するサービスのつもりだったんだろうなぁ。判りにくいな。

刃物を研ぐたびに、ジイサマを思い出す。


チェーンソーは手入れが大事。とりあえず、コイツをギンギンにしてから次の仕事。

ところで、いつも思うんだけど。
こういう洋物(?)って道具としてのデリカシーが欠如してるよなぁ。
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ネット個展開催中

2012-05-23 16:06:42 | 陶芸


SNSでは告知していましたが、ブログでも。


【ネット個展】をしています。
『備前焼わかくさ様』の御尽力により開催しております。

テーマは、『纏matoU』。


新しい試みの技法などの反応も楽しみですし、窖窯(あながま)の雑木焼成のものも見ていただきたく。
あとは『引き出し』とか。

ネット個展の良いところはクリック一発で御来場いただける事です。
ひとまずご覧いただければ幸いです。
では、どうぞ。

 →→→ コチラ (備前焼わかくさ個展会場へリンクしています)

http://www.bizen.biz/gallery-matou.shtml
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窯焚き手伝い

2012-05-10 09:13:10 | 陶芸


窯焚き手伝いが始まりました。ウチの窯と焚きあいっこしている窖窯オーナーのところです。
今回は火入れ場面からの立会いでした。これまで何回も焚いているけれど、火入れを見るのは初めてかも。

お神酒を上げて、ちょっと神妙な顔でゴニョゴニョ言って、木っ端に火をつけて……次第に太い木へと火を移していきます。
すかさず直会。酒呑一杯の御相伴。

うん、まぁ、ウチと同じようなものか。


さてさて、窯焚き初日は小さな焚き火程度なのでユルユルと。
やっぱり焚き火は良いねぇ。いや、窯焚きか。火を眺めているだけでも良い雰囲気です。

揺らめく火の明るさが及ばない闇の中でフクロウが「ホッホゥ」と2回づつ繰り返し啼いていて……おそらくアオバズクあたり。
ところどころからカエルの小さな合唱も続いているけれど、時折ピタッと一斉に鳴き止んだり、またそろそろと鳴き始めたり。
やがて世も更けて、静謐な空気に包まれた頃の読書が至福のひとときです。

夜明け前に少し気だるさを感じると、本を置いて熱いコーヒーを片手に外気を吸いに窯場の外へ。窯の前よりも少しひんやりとした清涼な空気で気分転換。夜露に濡れた緑の香りが感じられる。
空に光が戻ってくると、ツバメ、スズメ、ウグイス、ハトなど野鳥が一日の始まりを教えてくれます。

空気にザワメキが混じると、すっかり朝。集団登校の子供たちの声も近くに遠くに。


窯焚きの担当は深夜から朝までです。普段は寝ていて判らないけれど、なかなか気持ちの良い朝を迎えられます。
朝日の有り難さを感じる窯焚きになるでしょう。

そういえば、窯焚き中に金環日食もありますねぇ。見えるかなぁ。



(追記:指摘があって気付きましたが、日食前に終わる予定でした。)


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GWの配達

2012-04-28 21:06:00 | 陶芸


世間はGW始まりなのですな。

本日は配達で倉敷へ。
で、この時期に観光地に車で乗り付けるからにはそれなりに予防線も張って、朝9:00には倉敷に居りました。
倉敷駅の北側(某アウトレットモール)営業開始時間とほぼ同時にパーキングに入れる。小生はそこから歩いて美観地区へ。
家族はそのまま~~どっかに行きました。


美観地区まで商店街を歩くと、幟やら案内板があって観光地特有のテカテカした商魂が垣間見える訳で……。
そういうものを見るのも疲れるので、一本裏道を野良猫(?)と歩いてみたり。裏側に現れた地元の方々の日常の想いなんぞに感じ入りつつ。

やはり海鼠壁や漆喰の素材感に目が行きます。もっとも観光目的ではないのでサッサと歩いて横目で鑑賞。
『いけず石』にも風情があります。



ヤレた感じがなかなか。。
錆びた雨樋、木目が浮いた板塀、木節のリズム感、洗われたセメント……時間経過から生まれる表情。
いけず石の『はつり具合』から石頭(せっとう)とノミの音が聞こえてくるようです。
「萌え~~」ですな。

裏道では、一眼レフを持ったカメラ女子達とも沢山すれ違いました。
興味をひかれたのは、カメラ女子2人プラス男子1人の組み合わせが多いこと!
でも特にその男子がモテている感じに見えないのが(失礼!)、小生としてはツボでありました。ガンバレ若者。
あとファッションが、フワフワ空気感スカートとかカントリー調ベストというのも決まりなのかな? まぁ、戦場風は無いとしても。

いや……別に良いんですけどね。オイチャンの一人歩きの感想なんぞ。


帰りは人通りのある道にも回ってみましたが、GW初日の午前中は移動日なのか観光客は少なく感じました。
お堀沿いに並ぶ露天アクセサリー屋さんも油売ってるような按配。
ギャラリー数箇所ご挨拶まわりしつつ、鞄を物色。(ピンと来るものが無いなぁ)


で、最終的に小生の本日の獲得物はメガネでした。乱視の矯正度数を上げたのでお出かけ又は運転用かな。
「あと仕事用とサングラスが欲しいなぁ」と、にわかにメガネ男子化しています。
それにしても最近のはデザインは細い。なんか視界がチマチマしてて……。軽いのは良いけどねぇ。


さて、家族の皆様は……、何だか大荷物になってるんですけど……。(あえて触れまい)



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アンケート集計

2012-04-03 12:16:51 | 陶芸
過日、開催されていた備前陶心会展には大勢の方のお越しがありました。
御高覧有難う御座居ました。

さて、会場では「抽選で記念品が当たるかも」という事でアンケートに御協力頂いております。
会場での感想や御意見をお伺いする為のものです。
このアンケート結果をまとめるのが小生のお仕事でありまして……春休みの子供達を動員して取りまとめました。

その設問の中で会員の関心事のひとつに『みなさまの選ぶ陶心会賞』があります。
お客さんのお気に入り作品の作家名を書いていただき、得票数が一番多い人が受賞します。
で、その結果は近日中に開かれる臨時総会で結果発表をしますが、勿論、現在、誰が受賞するのかは小生だけしか知りません。
映画のアカデミー賞の受賞結果を取りまとめた人のドキドキ感もかくの如く! (の数万分の一程度です)

また、得票の上位10名に入った作家から、アンケート協力者に抽選で記念品が贈られます。


会員の皆より先にアンケートを読む機会となりましたので、ゆっくりと読ませていただきました。
お客さんからの『テーマ募集』には、震災を受けてからの内容も多く見られました。
御協力有難う御座居ました。m(_ _)m

因みに小生作には「キャプションに惹かれた」との感想も重複して頂いております。
まぁ、狙い通り伝わったという事で……。
あ~~良かった。


さて、総会が近いのでそろそろ総務さんへ連絡せねば。機密文書扱いで。

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デコってる

2012-03-27 15:18:12 | 陶芸
窯焚き手伝いに行っている窯は、細工物の名工(故人)の窯。

窯場には破損した作品が数点残されていました。手わざの片鱗。
しみじみ見ていると「勘所を抑えるというのはこういう事なんだなぁ」と参考になります。
抜き勾配を見て型の数を推測していくと……「おぉ~」 \(◎o◎)/
こういうマニアックな技術には素直に感服します。ハッキリと実力を見せられた思いがします。
勉強になります。m(_ _)m

小生も石膏型を使いますが、そのほとんどは食器。
型通りに作るのが基本ですが、型抜きと手捻りを合わせた「型作りながら一点モノ」という意味不明な方法まで色々です。


古備前の細工物は各時代それぞれの名品が伝来していますが、今でいうところのフィギュアでしょう。
古今東西問わず、フィギュアを作るのは手間と根気に加えて高い専門技術が必要です。
小さいものは大きいものをダウンサイジングするだけではダメですし、真っ直ぐ見せる為の曲線というものもありますし……。
現在なら一級の原型師は高くリスペクトされていますが、当時はどうだったのでしょうか?

備前では細工物の成型(型抜き)職人は『デコ師』と呼ばれています。
今、一般的にデコ師といえば、キラキラ・ツブツブを携帯電話なんぞにデコレーションする『飾り職人』さんですか……。
言葉の意味って、場所と時代で変わりますな。


「ワタクシはデコ師です」と言う人が作ったモノは……、えーーっと何だ?

(……って思うのは、備前のヤキモノ屋ぐらいか。)
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