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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

T1  T2  T3

2006-10-23 09:53:26 | 窯作り・窖窯について


T1  T2  T3

これは、スカイネットの生み出したロボットが登場するシュワちゃんの映画タイトルではありません。

「ティーワン、ティーツゥ……」と呼んでいて、カッコイイのですが、レンガの種類です。

『 縦落ちレンガの1番、2番、3番 』セリ具合(角度)による分類。

『 T 』とは縦落ち。
レンガの長い方向への落ちなので そう呼ばれます。
では、短い方向への 横落ちはというと…… 『 Y 』です。
ローマ字表記ですな。

通常、焼物屋の窯で使うのは、T1、T2ぐらいまでで、T3は使いません。


アーチの径によって使う組み合わせがあって、それに もとづいて使うレンガの形と個数が計算できます。

設計段階で、アーチの径を決めると、レンガの幅は65mmなので、全長に対する個数をかければ窯全体でのレンガ総数が出てくるという仕組み。


規格品というのは 実にありがたく出来ている。

が、規格外レンガでパズルを楽しむ小生には、所詮 関係ないこと。

写真は 左から 『 並、T1、T2、T3 』

 

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うさぎアーチ

2006-10-09 22:53:27 | 窯作り・窖窯について

本日、窯正面 入り口部分のアーチ完成。
アーチの最上部はキャスター(耐火セメント)を流し込む為、流出防止の板を打ち付けてあります。

その板を固定する為に 木っ端をつけると、ウサギの耳のような感じになりました。

あまり表情のなかった窯が、ウサギの仮面をつけたみたいな可笑しさになったので、
しばらくこのままにしようと思っています。

ふと、童謡を思い出しました。


「うーさぎ うーさぎー 何見ーて跳ねーる
十五夜 おーつきさま 見ーてはねるー」


今日は、ひとつ小さな完成があったので、充実感を持って一日を終えることが出来た。

これから、横焚き口を作ったり、その他もろもろレンガ積みの正念場へと突入します。


虫の音が静まった夜更け。


月明かりの中 窯をかたどる竹カゴが 白く浮かび上がり じっとその時を待っています。

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インキュベーター2006

2006-10-02 18:58:06 | 窯作り・窖窯について

カゴ編み終了。

これが、窖窯(あながま)の内型となる。
いよいよ これに、レンガを乗せて積み上げていく。
窯が出来て 中から見ると、今 見えている竹カゴの反転された面が、レンガで表現されているという訳。


アーチのピッチを細かく編んでいったし、ツッパリも入れた。もちろん柱も立っている。

強度充分すぎのハズ。

おおむね 出来上がってから、カゴの上を歩いてみた。

普通に歩けた。何故か うれしい。

レンガが乗ると、一時的にかなりの重量がかかる。
レンガのアーチが完成してしまえば、重量はアーチに逃げるので、下からの支えが要らなくなる。その一時的な支えの為に、この数週間を費やした。

あとは霜が降りるまでに、レンガ積みを 終えなければならない。
負けちゃいけない この時間との勝負。


こうして見ると、『竹のインスタレーション』

もう少し 眺めていたい気もする。

という訳で、お題は
 『 インキュベーター2006 』


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ツッパリ君登場

2006-09-26 09:09:13 | 窯作り・窖窯について

竹カゴが緻密になる前に、内側にツッパリを入れていく。

いわゆる斜交い(はすかい)です。これも例によって アテガイ大工でやっていく。

竹カゴの目の隙間から 木を差し込んで適当な長さのところでカット。
斜交いと竹をジョイントして出来上がり。

この斜交いをしっかりと入れることによってレンガが乗っても 壊れない安定した構造物となります。

この後、竹を更に緻密に編んでいってカゴが出来たら いよいよレンガの積み上げ再開。

最近、運動会やら子供会やらで忙しくて窯作りが 進んでいなかった。


ちょっと ストレスになっていたのだろう。
滅多に覚えていない夢の中でも レンガを積んでいた。
しかも 些細なところで 結構悩んでいたりして……。

夢見が悪い。目覚めが悪い。
夢そのものがストレス。朝 起きた時点で 「疲れた~」

 

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最小のアーチ部分

2006-09-16 13:20:45 | 窯作り・窖窯について

窯の入り口部分。
アーチで作る。
窯のパーツとしては 一番小さなアーチ部分となる。

しかし、ドームとの接合、出入り口、焚き口、加重の大きさ……と、役どころが多いアーチである。

その為に、小さなノウハウが色々とあります。


今回 特に注意したのは、焚き口を作ったときの強度を増す構造。
レンガでふさぐ為に、レンガのサイズで作ること。一輪車が入れられる横幅 等々。

レンガをのせ始めると 重量が かなりかかるので丈夫に作り、かつ、動かないように設置。

インパクトドライバー使いまくりで ガチガチにしてある。とりあえず 乗っても 踏みつけても問題なし。後は カゴが編めたらレンガをドンドンとのせていけば良い。

なかなか時間がかかっていますが、安全第一。丈夫第一

自分のせっかちさと調整中。

 

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ふぞろいな竹たち

2006-09-10 08:45:30 | 窯作り・窖窯について

竹割り工程。
竹カゴを編む為の竹を割る。

竹は、孟宗竹(モウソウダケ)。
肉厚で強度があり、いい具合のしなり。淡竹(ハチク)は節のスパンが長く、きれいなアールが描けない。

隣の家の荒れた竹やぶから、竹を切り出してくる。歩きにくいので 薮から棒を出すのは結構疲れる。理想を言えば、元から先にかけて太さが均一な竹。しかし、コチラの思惑通りのものは なかなかない。


太さも長さも マチマチな ふぞろいな竹たち。

『竹割り』という道具で 一気に6分割していく。

あまりに太いサイズや、肉厚すぎるものは、鉈(なた)で手割りしていく。大概、うまくいかない。 長い、短いが色々出来てくる。

もっとも 使う部分によって 長短両方必要なので失敗を失敗と思わなければ 「それで良し」 とする。


『竹割り』の教訓……、


「分割は4,5程度。または径が大きいものを選ぶべし」
「太すぎる竹は選ばない」

何事も 経験ですなぁ~。

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柱を立てる その2

2006-09-05 22:45:39 | 窯作り・窖窯について

昨日、柱を立て終わり、竹カゴを編みだしたが、一部、気に入らない部分があり、カゴ撤収。

で、やり直し。
何が大事って、設計図ではない。

竹カゴで作るライン。

この段階で狂うと修正は難しくなる。大きくするのは良いが、縮めることは不可能。
慎重な判断が要求される。


この後は、土壁の下地『竹木舞』を巻くのと同様。手間仕事になるので、仲間を呼んで一気にする事が多い。

でも もうチョット後回し。人が大勢来ると、目が行き届かないこともありうるから。


重要ポイントは 落ち着いてやるべし。

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柱を立てる

2006-09-03 21:27:25 | 窯作り・窖窯について

垂直に積み上げる側壁は終了。
これから、窯のアーチを作っていく。

いきなり空中に レンガでアーチは組めないので、レンガを下から支える物が必要。
竹で窯の内径の形に『かご』を編む。この内径の『かご』に沿わしてレンガを積んでいく。

幅も高さも変化していく複雑な曲面、その曲面を表現していく為には 『竹かご』は重要。


そして、その下準備。

窯の中心に柱を立てていく。この柱に対して、アーチを組む。

ポイントは、高さ。
竹を編む度に 上に上にと足していくので、幾分、柱は竹の厚みを考慮して低めにしておく。これを失敗すると、ドンドン背の高い窯になってしまう。


アーチを積み始めてから、
『かご』が つぶれたという話を聞いた事がないので、失敗した人がいないという事だろう。


丈夫な柱を立てるに越したことはない。そして丈夫な『竹かご』も。
おおむね あてがい大工である。

間違いがない。ハズ。

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道具いろいろ

2006-09-02 22:35:36 | 窯作り・窖窯について

レンガを割る道具いろいろ。

ケレンハンマー、レンガタガネ、ディスクグラインダー。
これらの物を使って、レンガを割る。

うまく出来るときもあるし、苦労するときもある。
それなりにコツがいる。


レンガタガネのことを チィスという。

なぜ 『 ドのシャープ(チィス) 』なのかが判らない。
叩いているときは、明らかに違う音程。


まっ いいか……

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古式ゆかしく……。

2006-08-31 21:41:45 | 窯作り・窖窯について

レンガのパズル。
あるものを組み合わせるだけでなく、時にはレンガをカットして 組まなければならない。

近頃は、高速切断機という便利な道具がある。
電ノコの大きなモノといえばよいか。食パンや食肉のスライサーというべきか。
回転するダイヤモンドの刃で レンガを切断する。


これは良い。早い。キレイ。しかし難点は、ついついキッチリ作ろうとしてとにかく 何でも 切り刻みすぎるという事。

それで逆に 時間がかかるという矛盾もおこり得る。


前回は、とかく やりすぎの傾向だった。
ピッタリと頑丈に作れたが……。


今回は、そんな自分の性格が判っているので、最初から 高速切断機は封印。
あえて、使わない事にした。


で、どうするか……。

古式ゆかしく、ハンマーとタガネで叩き割る。
時々、気持ちよくスパッといくことがあると一人で 喜んでいる。

相手がレンガだから まだまし。


お城の城壁の石組みなんて…… 「素晴しすぎる!」
マッタクもって 脱帽です。

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