ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

雨だれ

2022-05-17 22:24:38 | 日記
                     雨だれ

                 もういない兄のいた2階
                 誰もいない夜に
                 破裂したのか
                 水道の水が噴きだし


                 1階の天井
                 水びたし
                 

                 兄の携帯電話
                 電源をいれずにほっといたのに
                 きょう
                 携帯の中で
                 虫の息
                 力石徹の
                 闘いの後の写真

                 天井の水滴も
                 滝になって
                 床にあふれている
                 涙もあふれ

                 苦しかったね
                 食べたがっていた
                 マカロンひとつ
                 写真の前に

                 きょう
                 私はいきなおしたくて
                 わがままを実行した

                 3年前の日常のなかに
                 懐かしい教室に
                 
                 

                 
                 
                 

アイデンティティーというものーなににふっきしたのやらの50年ー

2022-05-15 23:48:11 | 日記
                          アイデンティーというものーなににふっきしたのやらの50年ー


                    いまはむかし
                    おうさまがいったそうな
                    もういいんですよ
                    かえらなくても
                    「おうこくのことばもつかわなくていいんですよ
                     もういいんですよ
                     これでよかったのですよ」

                    おうさまは
                    もう
                    いざこざをさけたくて
                    おうさまにかつぎだされるのが
                    おいやなのでございましょうか
                    それは
                    きっと
                    おうであるという御自覚がおありだからでしょう
                    じぞくかのうならしめるのは
                    このまま
                    とりこまれて
                    ひそやかに
                    ミトコンドリアのなかで
                    永遠にいきながらえるってことでしょうか
                    いつか
                    でてくるかもしれない
                    おうこくのDNAをまちつづけて

                    大雨の音を聴きながら
                    この
                    抱え込ん矛盾と葛藤
                    は
                    国際人あるいは地球人になればいい
                    ともいえず
                    中途半端な言葉を使い
                    相容れない
                    なにものであるのか
                    わからない哀しみを
                    吃音でしか
                    あらわせない
                    でてこない言葉を
                    中途半端な言葉で紡いでいるつもりの
                    きょうも
                    こんがらがる糸を
                    解こうと
                    こうやって
                    テレビの特集に背を向けて
                    古い写真に
                    話しかけている

                    たどたどしい
                    どっちの言葉も

                     

けむたい

2022-05-11 23:43:56 | 日記

                       けむたい


                    恥の書き捨て
                    もう
                    尽きてしまったか
                    尽きるほどのことはしていないし
                    考えることも充分ではない

                    浅き夢
                    遠い憧れ
                    曖昧模糊とした
                    ここほれ
                    深く掘れ
                    
                    しかし
                    飽きてくるんだ
                    ぼーっとして
                    なにがなにやら
                    しょぼしょぼとした
                    網膜に浮かぶ記憶とやらが
                    浮かんでは消え

                    はて
                    今何を考えていたっけ
                    てなわけで
                    1日が過ぎていく

                       ねこがひかりをおいかけていたころ
                       なにもかもが
                       新しい発見で
                       楽しかった
                       なつかしく
                       このままでいられない
                       時間が
                       かなしい

                       そういうことを思うことさえ
                       ゆるされないひとびともいるのに
                       

                   世界は
                   きなくさく
                   黒煙で
                   めがいたい
                    


どこへ・・・

2022-05-06 23:11:22 | 日記
                       どこへ・・・


                   どこへいくのか
                   向こうから
                   ちょろちょろと流れてきた水は
                   だんだん大きな流れになり
                   
                   振り向くまもなく
                   とめようもない激流
                   見ているだけか
                   見てしまったら
                   もう飲み込まれている
                   あの日を思い出したくもない
                   
                   忘れたつもりが
                   あふれてくるのだ

                   どこへいくのか
                   毎日穏やかな平凡の日常は
                   いつのまにか
                   表情を変え
                   苦しみ
                   痛みの毎日
                   喜びが磨り減り

                   どこへいくのか
                   美しいメロデイも
                   傷を癒さない
                   なにによるか

                   足元はたよりなく
                   ふらつくので
                   
                   立ち止まり
                   空を見上げる

                   どこへいくのか
                   雲
                   
                   風に吹かれる
                   葉の雨粒