わたしのたわし
きのうの
あした
わたしは
たわしがなくて
鍋の底を磨く道具は
愚かにも
鏡である
隣の自分ではない
ヒトに
向き合って
話すこと
であることを
今日知ったのである
わたしは
わたしに
足し算
贅肉になった
愚かな
むだな
食べ物
ただただ
欲求を満たすための
刺激をされた瞼の中の
幻
に
惑い
だまされている
わたしは
ここにいるのだが
崖の端
危うい
消費の渦に
巻き込まれ
飲まれ
溺れて
いのちさえ
商品
ぼくたちは
ひとりだけの
感覚や想いも
売りわたし
浸食されている
崖のふちに立った
絶滅危惧の種