ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

12色の鉛筆・・・朱あるいは赤

2012-11-17 11:19:05 | 日記

                              
                    赤土                                    
                         
                         豪雨の日
                         赤土の泥水が
                         靴の中に滲み

                         うつむいて
                         雨水が滴る
                         前髪の向こうを見ていた

                         旗が
                         ぬかるんだ広場に
                         ひるがえり
                         悲鳴にも似た
                         シュプレヒコール

                         時代は
                         音
                         太鼓がなる
                         アスファルトの広い道に
                         女の声が
                         拡声器から漏れでて

                         複雑に
                         折り重なったテントの中に
                         隠れた
                         黄金虫が

                         はびこって
                         こぎれいなブーツの中に
                         棲み
                         頭の中にまで
                         入り込んで
                         占領している

                         知りたくないから
                         そこらへんの
                         氾濫している
                         ゲームにつかり

                         曇った眼と
                         麻痺した舌で

                         つながれてしまった
                         鎖

                         目覚めるには
                         どうするのか

                         目覚めはあるのか

                         世界は
                         疲れ
                         憑かれて
                                                 
                         小さな庭を忘れている