AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

集合知の無知(20)

2016-09-30 20:28:15 | 学問のススメの涙
集合知の無知(20)










先日 全国学力テストの結果が出ました。
2016年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の都道府県別の平均正答率は、石川が小学校の国語Aと算数A・Bで初めて1位を獲得し、これまでトップを分け合ってきた秋田と福井の「2強」に肩を並べた。下位層の底上げも進み、かつて総じて最下位クラスだった沖縄は、小学校の全てで全国平均を上回った。 石川県教育委員会の担当者は「基礎、応用とも高い学力を維持したことが確認できた」と自信を示した。同県は02年度から独自の基礎学力調査を行い、09年度からは学テの結果を金沢大と連携して詳細に分析。これらを各校の指導改善に生かしてきたという。
(Yahoo news http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160929-00000109-jij-soci より引用させて頂きました。)

然しながら、教育委員会から問題の反復演習を授業に強制的に要求された教師も多くいたそうです。Daniel Pink 氏 「Driver モチベーション3.0 大前研一訳」でもこの様に書かれております。
ドゥエックの発見は、(モチベーション2.0)と(モチベーション3.0)の基礎をなす行動的特質を、うまく描いている。タイプXは往々にして、固定知能観を内包し、学習目標よりも達成目標を好み、努力しなくてはいけないのは自分が弱点を持っている証拠として、努力そのものを見下す。
タイプIは、拡張知能観を持ち、達成目標よりも学習目標を重んじ、人生にとって大切と思われる能力を向上させるためには努力をいとわない。前者の思考が前提ならば、マスタリーは不可能だ。後者の思考ならば、マスタリーは必然となる可能性を秘めている。

すべての人は拡張知能観を信じて一生何かを学び続けなくてはいけない。拡張知能観はマスタリー(熟練)へ繋がる。長期的視野に立ち、コツコツと成長過程を意識しながら前進していく。
彼によれば、「かつては天賦の才だと思われていた多くの資質が、実は、少なくとも10年間の厳しい訓練の結果であると判明した」。

スポーツでも音楽でもビジネスでも、マスタリーには長期間(一週間とか一ヶ月ではなく、10年間)にわたる努力(困難で、うんざりするような、つらい、全身全霊を傾けた努力)が必要とされる。社会学者のダニエル・チャンブリスはこれを、「卓越性の日常化」と呼んでいる。
「誰の為の全国学力テストなんだろうか?」「固定知能観を育むのか?拡張知能観を育むのか?」子供の学力を教育者の業績にしてはいけないと思います。彼等が強要しているのは、ペーパーテストで子供達を図れません。如何に「学ぶ」事を好きになるか?」それが将来のあるモチベーション3.0を育てる事ではないでしょうか?正にカンヌライオンを受賞した「黒い絵」の持続力です。




蒲焼炎上(2)

2016-09-29 17:25:41 | アイディアのIdentity






クライアントというものは、99%のポジティブな話題性が評価されていても、1%の消費者のクレームがあればそちらを取るものです。大手企業でそれなりの宣伝部を持っていれば、あらゆるデータ CM好感度から裏打ちしてこういうクレームには対処致しますが、それでも気にはなるのでしょう。こうやって表現や発想が良いにも関わらず、削除されたり、CMの編集変えや再撮影が行われるのです。「UNAKO」構成に粗い部分もありますが、基本的に良く出来ています。
「さとふる」のCMでも「猿を振るとは何事か!」そういうわけのわからないクレーマー達は何処にでもおります。平成に入り、バブル崩壊後正義感の暴走なのか解りませんが、昭和で築いた映像文化(CM文化)が崩れ去っていくのに一抹の不安を思わざるをえません。

集合知の無知(19)

2016-09-29 16:25:03 | 今そこにあるメディアのリスク




「スペック ワーク」は今のクラウドソーシングの世界にそのまま当てはまります。今は亡き 名優 高倉健さんがNHK プロフェッショナルで「良い演技は1回きり」事実 名のある声優 俳優さん達と仕事をしますと、本当に1回きりだと思います。商品ネーミングだって100はないですし、最終30案くらいでも多いかもしれません。鼻面に人参を吊るされた馬でも今の時代では走らないものです。それでも走っている馬は、餌(金)に飢えた外発的モチベーションの馬であり(人)でしょう。仕事のやり甲斐で人は動く(内発的モチベーション)のですが、その仕事の対価でお金が生じるのです。このスペックワークというものも、新自由主義経済から派生したアウトローなクライアント目線でしょう。 シカゴ大学のミルトン・フリードマン 「経営者は株主の事だけを考えろ。労働者を考える必要はない。」






クラウドソーシングも本当は「モチベーション3.0」を目指さなくては行けないのですが、実際は凡そのところが、中間搾取以外のなにものでもないのでしょう。表向きは「モチベーション3.0」ですが、やっている事は「モチベーション2.0」よりも酷い事だと思えてしまいます。 デザインばかりでなく、商品ネーミングやタグラインなど滅茶苦茶な手法です。ネットが無かった頃は、「One Show」「 Directors Annual」「 NY ADC 」などの年鑑からヒントを貰ったものですが、今は「Pinterestがアイディアの宝箱」です。勿論Pinterestの表現をそのまま使ったらそれは著作権違反です。エンブレム問題の様に世界を駆け巡る大問題となります。唯一アイディア表現を展開させる為に利用するのです。
こういったボタンの掛け違い、素人クライアントや怪しいクライアントは「クリエイティビティ自体を理解していない」のですから、玄人にはあいません。勿論逆もあるでしょうが、、。だからスペックワークも同様に「素人×素人」以外成り立たないと思いますし、多くのレストランに「1番美味しかった店に料理代を払う?」「1番仕立てが良かった服にお金を支払う?」デザインや商品ネーミング、タグラインなどの分野以外で考えてみればあり得ない事だとお解りだと思います。

集合知の無知(18)

2016-09-28 14:52:00 | 今そこにあるメディアのリスク



学会やFacebookでも交友させて頂いております鈴木先生がアップした「スペック ワーク」
知りませんでしたが、クリエイティビティが最重要視される世界での真逆の手法です。
「信頼がなければ仕事は成り立ちません。」それを無視した行為でしょう。




「スペックワーク」というものが海外の広告デザイン業界で問題視されています。スペックワークを平たく言えば、「気に入ったらお金を払うよ」という類のクライアントからの要求だそうです。競合プレゼンよりも酷い扱いみたいですね。「番組枠購入のCM制作費込み」よりも酷い手法でしょう。



https://amix-design.com/saynotospec-1012.html



「モチベーション3.0 Drive」Daniel・Pink氏は、今の時代 モチベーション2.0はクリエイティビティのない単純労働では成り立ちますが、この「スペックワーク」というものもクリエーティビティを求められるモチベーション3.0に逆向の行為だと思います。






蒲焼炎上

2016-09-27 13:32:26 | 今そこにあるメディアのリスク
鹿児島の鰻養殖 ふるさと納税で人気の養殖鰻のネットのPR映像が炎上したそうです。
幾つかのブログにも引用されてましたので引用させて頂きます。

鹿児島県志布志市が、9月20日に「UNAKO」というふるさと納税PR動画をYouTubeに公開しました。





志布志市はうなぎの産地らしく、そのうなぎをスクール水着を着た中高生くらいの女性に擬人化した動画でふるさと納税をアピールしようとしたものですが、これがかなり気持ち悪いもので、まあとにかく見たいという方はこちらをどうぞ。
この動画では、うなぎを擬人化し、志布志でうなぎが大切に育てられている様子を描いています。
物語は、真夏のプールで、一人の美少女と出会うところからスタート。彼女は画面(あなた)に向かって、「養って・・・」という刺激的な言葉を放ちます。驚きのラストもさることながら、上質でどこか懐かしさを感じる映像に、思わず見入ってしまう仕上がりとなっています。
行政ですから、この動画を公開するまでには、幾度も会議を重ね、仕上がったものについても担当者から市長まではいかないにしても担当部長くらいまでの決済は必要だったでしょう。
その間、スクール水着の女性に擬人化することや「養って」の言葉に問題はないかの検討がなされなかったということは考えられません。
(http://ausnichts.hatenablog.com/entry/2016/09/26/154854 一部引用させて頂きました。)

私感ですが、相当にクレームを入れてくる人達は「冗談が通じない。森を見ずして木。」と言えます。ナレーションでもきちんと商品情報をこなしています。硬直した世の中は、硬直した思考しかできない。その典型だと思ってしまいます。「なんで女の子が黒い水着で泳いでいる。」「ペットボトルを持つとヌルヌルしているんだ!気持ち悪い!」女の子が言う「養って」鰻なんだからヌルヌルしているし、養殖だから「養う」だろう。バブルが崩壊して、全てに於いて「硬直している。」もしくは、こういうのをいちいち取り上げてアクセス稼ぎかも知れません。



創造性の低下と言いますか「養って」を卑猥に思う方がおかしいと思いますよ。天才バカボン 鰻犬の生みの親 赤塚不二夫さんだったらなんと言ったでしょうか?「これでいいのだ!」絶滅危惧種になってしまった鰻なのだから、近畿大学が開発した鯰で同じ表現で、髭をつけ「私に変えて、、、。」と今やったら話題になるでしょうが、、、。



物は違いますから、比較にはなりませんが バーガーキングが発売したワッパーの香水です。



ファシズムは冗談をうけつけないのだろうか、、、?ガラパゴス日本は雁字搦めにされているのでしょう。

Infinity Creation(1)

2016-09-26 20:05:43 | アイディアのIdentity




「集合知の無知」で紹介させて頂きました「Daniel Pink 著 Drive モチベーション3.0」






この内発的モチベーションと外発的モチベーションを知る事が出来たのは、スタンフォード大学のティナ・シーリング先生の「夢をかなえる集中講義」でした。そしてその前のプレデターリー シンキング「略罰思考」と全てに於いて「繋がっている」要は 「Creativityを生むインフニティ(無限の創造性)」です。



再度略罰思考「HAVE・DO・BE」vs「BE・DO・HAVE」の思考回路をご紹介させて頂きます。

私はどんなこともはしごの段としてとらえる。
はしごのいちばん上に一足飛びにたどり着くことは不可能だ。
挑戦しても失敗が続くだけで、いずれは諦めることになる。
だから個人的には、一度に一段ずつ上がるのがいちばんだと信じている。
コピーライターの職を得たとき、いつかクリエイティブディレクターになりたいと思った。
クリエイティブディレクターの1つ下の段は副クリエイティブディレクターだ。
その1つ下の段はグループ責任者だ。
その1つ下の段はコピーライター、すなわち私だ。
つまり、私はまずグループ責任者にステップアップしなければならない。
だが、エグゼクティヴ・クリエイティブディレクターのジョン・ウェブスターの考えは違った。
彼曰く、それはクリエイティブでない時代遅れの広告会社の組織構造だった。
彼は会社をそういうふうにしたくなかった。
コピーライターとアートディレクターのチームから成るフラットな組織にしたかった。
そしてクリエイティブディレクターは1人、彼だけ。
確かにクリエイティビティの面から言えば、文句なしの仕組みだ。
問題は、それでは私の計画どおりにならないこと。
どうやったら状況を変えられるか。
私の望みは、とりあえず少人数のジュニアチームを率いることだった。
それができれば、少なくともグループ責任者への道が開ける。
とはいえ、話し合いでジョンの考えが変わるはずもない。
ならば、ジョンが自分でそう思いつくようにしよう。
私は仕事を山ほど引き受けるようになった。
本当に山ほど。
仕事を手伝ってもらうために、実習生のチームを使うようになった。
じきに私は少人数のグループを率いるようになっていた。
私たちは山ほどの仕事をこなしていた。
そのうち、ジョンがそれに気づいた。
。mは私に言った。「1人では、これだけの仕事はできないだろう?
補佐役としてジュニアチームを雇ったらどうだ?」
こうして私は事実上のグループ責任者になった。
世界は「HAVE・DO・BE」で動いていると、大抵の人は思っている。