AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

集合知の無知(7)

2016-09-07 16:14:04 | 今そこにあるメディアのリスク









私の大学時代の友人で大学の教授をやってらっしゃるY氏はアニメーションの学ぶために、心理学を勉強しました。この本を読み解くごとに、「映像と心理」は表裏していて、立教が心理学部映像身体学科を設けましたのも理解できる事です。
これまで「モチベーション3.0 Drive The Surprising Truth about What Motivates Us」
で紹介させて頂いておりますが、外発的モチベーション(労働に対する対価としてのお金)がどれだけ内発的モチベーションを阻害しているのかは明らかに「イェス」です。
では「クリエーティビティ」にも影響を及ぼす事があるのでしょうか?
1945年に、カール・ドゥンカーが行いました「ロウソクの問題」です。



私はあなた方を部屋に入れて、ロウソクと、画鋲と、マッチを渡します。そしてこう言います。「テーブルに蝋がたれないようにロウソクを壁に取り付けてください」。あなたならどうしますか?
多くの人は画鋲でロウソクを壁に留めようとします。でも、うまくいきません。あそこで手真似をしている人がいましたが、マッチの火でロウソクを溶かして壁にくっつけるというアイデアを思いつく人もいます。いいアイデアですが、うまくいきません。5分か10分すると、たいていの人は解決法を見つけます。このようにすればいいのです。



鍵になるのは「機能的固着」を乗り越えるということです。最初あの箱を見て、単なる画鋲の入れ物だと思います。しかしそれは別な使い方をすることもでき、ロウソクの台になるのです。これがロウソクの問題です。「機能的固着」を超えること、これって一種のイノベーションですよね?現代的なビッグワードになっているイノベーションは、裏返すと「世の中に新たな機能を生み出す・新たな機能を与える」ことじゃないだろうか。この実験の例だと、今まで「ロウソクを壁に取り付ける」機能を認知されていなかった画鋲入れの箱に、新たな機能=価値を与えており、小さいけれど確かなイノベーションじゃないか、と思います。