AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

集合知の無知(6)

2016-09-06 20:27:40 | 今そこにあるメディアのリスク

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外発的要因 労働に対する対価が、どれだけ内発的モチベーションを下げるのかは次に挙げる「献血行為」でも明らかです。田辺信夫氏のブログ「表彰のモチベーション」でもダニエル・ピンク氏の「Driverーモチベーション3.0 ー」を引用されてらっしゃいました。




アメとムチが「好ましい言動への意欲を失わせる」
「アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由」の4番目は、外的報酬が好ましい行動にどのように影響するのかという内容です。

ここでも過去に行われた実験が紹介されていますが、今回の実験はビジネスに関連するものではなく、ボランティアに関するものです。

今回のテーマは「献血」です。献血を有償にすれば、より多くの血液が集まるのかどうかです。これには、倫理的な観念から血液は売買すべきでない意見もあり、有償にすれば、より多くの血液を確保できるので、それほど神経質になるべきでないという主張もあります。

1970年、イギリスの社会学者リチャード・ティトマスは献血に関する調査結果から、血液に対価を支払うことは、モラルに反するだけでなく、かえって血液が集まらなくなるだろうと主張しました。しかしこれは、実験によって裏付けられたものではなく、彼の直感による仮説でした。





25年後、スウェーデンの二人の経済学者がティトマスの仮説を検証しました。153人の女性を三つのグループに分け、次のような条件をつけました。

一つ目のグループには、献血は任意であり、無償であると伝えました。

二つ目のグループには、献血すれば一人50クローネ(約7ドル)の謝礼金が支払われると伝えました。

三つ目のグループには、献血すると50クローネの謝礼金が支払われるが、そのお金はそっくりそのまま慈善事業に寄付されると伝えました。

結果はどうなったでしょうか。献血した人の割合は次の通りです。

一つ目のグループ  52%

二つ目のグループ  30%

三つ目のグループ  53%

ティトマスの直感は正しかったのかもしれません。

(http://blog.livedoor.jp/trophy8046/?p=6)

これでも分かりますように、献血を対価で求める事自体は他の実験通り、内発的モチベーションに悪影響を与えますが、「献血された対価の寄付金」は、内発的モチベーションを更にたかめていくのです。