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ゲイリー・ピーコック(5)(日本録音 CD)

2020-12-16 | JAZZ (CD)
ゲイリー・ピーコックの日本録音の中には「EASTWORD」の他にも多くの作品があり、菊池雅章、富樫雅彦とのコラボによる1994年録音の「GREAT 3」もその中の一つです。
そんな中で、SONYから発売されているもう1枚は、先の「EASTWARD」より一層シリアスな演奏となっています。(レコードは過去に手放してしまったので、CDでの記載です)
こちらも演奏は勿論のこと、SONYが誇るSX68 SOUNDの録音も一級品の出来です。
「VOICES」 SICP 10046
 
1. イシ(意志)
2. 梵鐘
3. HOLLOWS
4. VOICE FROM THE PAST
5. REQUIEM(鎮魂歌)
6. AE. AY.
GARY PEACOCK (b) 菊池雅章 (p, elp) 富樫雅彦 (ds) 村上 寛 (ds)
録音 1971年4月5日

全曲がゲイリー・ピーコックの作曲によるものですが、最初の2曲は、曲目からも想像できるように日本の印象を刻んだ演奏に聴こえます。
「EASTWORD」に比べて精神性の強い演奏集であり、ベース音の響きがとても美しく捉えられていて、じっくりと聴き込める内容となっています。
4曲目の「VOICE FROM THE PAST」は、富樫のパーカッションが演奏に上手く溶け込んで調和を保っていますが、この曲は1981年8月にECMに録音した自身のアルバムでも再演しています。
「 REQUIEM」はベース・パターンが印象的で、「EASTWORD」でも演っている「 LESSONING」に似た曲想の曲です。
また、菊池雅章がエレキ・ピアノを弾く 「HOLLOWS」や「AE. AY.」は、非常にリズミックな演奏ですが、アルバム全体にバランス良く配置されています。

なお、菊池雅章、ポール・モチアンとの「デザートムーン」の諸作は日本録音ではありませんが、数多く残しており、いずれも名演奏です。


また、佐藤允彦と富樫雅彦のトリオでの傑作作品も残しています。
「WAVE」 32JD-10008
 
1. BREEZE
2. VALENCIA
3. FEELING SUMMER
4. HELLO CHERRY - DON
5. 2.5 CYCLE
6. SPIRITUAL NATURE
7. WORDS OF BELLS
富樫雅彦 (ds) GARY PEACOCK (b) 佐藤允彦 (p)
録音 1986年 10月29, 30日
ピアニストが、菊池雅章から代わっただけで、音楽のイメージが随分変わる印象を受けます。
それは、精神性の強い菊池のプレイに対して、佐藤允彦は知的な印象を与えるからでしょうか。
このWAVEというセッションは、富樫雅彦がゲーリー・ピーコックに声を掛けたことに始まり、佐藤允彦を加えてトリオとして吹き込んだもので、セッションはⅠからⅢまであります。
その中で、ゲイリー・ピーコックは誰と組もうが、マイペースを維持しており、「WAVE Ⅰ」では全曲を富樫の作品で演奏する中で、「SPIRITUAL NATURE」で全面的にソロを取っています。
曲作りの上手い富樫の作品集は、メロディの美しさも特出しており、この演奏の中でも生かされています。

「WAVE Ⅱ」 K32Y6215
 
「WAVE Ⅱ」は、1987年5月の録音で、全てゲイリー・ピーコックの作品が7曲が収録されており、ピーコックが演奏の中心にいることは当然のこととして、富樫のいつになくカラフルなドラミングを聴くことが出来ます。
また、ピーコックの曲作りの上手さも聴きどころの一つです。

「WAVE Ⅲ」 BJCD-0017
 
「WAVE Ⅲ」は、1988年2月の録音で、3曲のトリオ演奏の他、30分にも及ぶオーケストラ(新日本フィル)との共演を含む佐藤允彦の作品集で、音圧に圧倒されるアルバムです。
トリオ演奏については、3枚の中でも一番インタープレイ色が強く出ており、このユニットの総決算的内容となっています。

前述のように、この「WAVE Ⅰ~Ⅲ」は、富樫、ゲイリー、佐藤がそれぞれ曲を提供して作られていて、各々に異なったカラーがあり、その違いを聴き分けるのも楽しみの一つですが、発売元は日本フォノグラム、キング、NEC Avenueとそれぞれ異なることから、3社の協力により成し遂げられた成果だと思います。


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