石川邸でびしょ鍋

先週、竹鶴酒造さんに用事が有りお伺いしたところ、石川杜氏から「実は次の日曜日、家で“びしょ鍋”で一杯やろうと思うんですが、来ませんか？」とお誘いを頂いたので、スキップをして伺いました。（余談ですが石川杜氏のお宅と我が家は徒歩3分）
ご一緒したメンバーは、竹鶴蔵人の桜○さん・居酒屋いぶしぎんの小○教官・馬笑九師匠・謎の人物Ｓさん（私のブログでばれたらまずいですよね・・・Ｓさん）・私でした。
お酒は、勿論竹鶴フルコース
それに何と、教官御自ら宿根雄町11ＢＹを持ってこられ、馬笑九師匠は門藤13ＢＹを持ってこられており大感激

お酒の事は後から触れるにして先ずは「びしょ鍋」からお話しますと、鍋材料（白菜・もやし・えのき・葱・・・鶏肉・スナズリ・肝・玉ひも・・・）に塩・胡椒・日本酒だけで造られるシンプル味付けの鍋で、現在は西条の郷土料理に成っています。
初めてこの鍋の名前を聞かれる方の為にご説明致しますが、「びしょ鍋」の“びしょ”とは、蔵人の事を指しますが、これがあまりよい言葉ではない為今では、「美酒鍋びしゅんべ」などと呼ばれていますが、本来はそう呼ばれておりました。
またこの「びしょ鍋」の生みの親（元祖）は、実は石川杜氏のお父様（もう亡くなられていますが、賀茂鶴酒造の専務さんでした）なのです。その為当時は、石川→石川五右衛門→五右衛門という事で「五右衛門鍋」とも言われていました。後になって「びしょ鍋」と言われるように成ったようです。
今、ちまたで一般に食べられている「びしょ鍋」は、鍋に油を引いて、にんにくのスライスを入れ、そこにお肉を炒め野菜を入れ塩・胡椒を振り最後に日本酒を回し入れ、蒸し焼きにして火が通ったら出来上がりですが、石川流は、（本当はこれが元祖）深い鍋ではなく、鉄板の様な平たい“おぼん”形の鍋に油を引いて、スライスにんにくを炒め、その上に鶏の股肉を載せ（材料の肉には、砂ずり・玉ひも・レバ・・などが有りますが、一度には入れず、鍋を作るごとに1種類づつで、癖の有る肉は後にという具合に）その後、えのき・ねぎ・燃やし・・いやいやモヤシをのせて、塩胡椒で味付けをして、竹鶴純米を火と回し・・いやいや一回し。お酒で蒸らし適度に火が入ったところで、菜箸で少し混ぜ火を通して行き完成です。鍋というより蒸し焼き炒め物といったところでしょうか。
が・・・よくやる失敗として注意したい所は、深い鍋を使ってやる方などは特に、酒を“しゃばしゃば”に入れて、酔っ払いそうな鍋を作る方がいらっしゃいますが、それはＮＧ

さすが直系・本家本元の「びしょ鍋」は美味い
今、西条の飲食店で“びしょ鍋”「美酒鍋」成る物を出している所とはちょっと違う。石川杜氏曰く『シンプルな味付けだからこそ、お酒はちゃんとしたもの（高い酒というわけではなく、パックの変なものではなく、ちゃんと造られたもの）を使うのがコツ。昆布だしで作った料理に成るか、化学調味料で作った料理の様に成るかは、ここが分かれ道。』さすが・・・納得

いやいやお酒の事が書けなくなってしまいましたね～。その話はまた次回・・・。