掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

続・京都の皆様と竹鶴に行きました

2011-03-25 14:31:00 | 出来事
仕込蔵で、木桶仕込「生もと・純米」の醪を拝見させて頂いた一行は、続いて隣にある速醸の仕込の醪も順次拝見させて頂きました。この醪も大分大人しくなっておりました。

その隣の仕込桶には、近日中に搾りられる末期の醪が有り、そこで満面の笑みを浮かべながら広島煮酒倶楽部のM様が櫂入れをしておいでに成りました。
しかし奥様はすでにご経験済みの「生もと もと摺り」は・・・・・あ~これ以上言いますまい。

下を見ると石川杜氏が腰に手を当て、不審人物を監視しておられました(笑)

その後、皆様お楽しみのきき酒time
点数は24点。今年最初の搾りとなった仕込1号「初しぼり」の原酒から仕込24号「清酒竹鶴純米」に当るお酒まで皆様真剣にきいておられました。
中には、竹鶴には珍しくこんなデーターのお酒も・・・・仕込3号 原料米:大和町産雄町 精米歩合:65% 使用酵母:協会701号 アルコール度:19.0 日本酒度:-1.5 酸度:2.0 アミノ酸度:3.6 粕歩合:17.6% 
米は確り溶けて、しっかりアルコール発酵しいますが日本酒度は-1.5・アミノ酸度も結構高め。今まで大和雄町のデーターの中で日本酒度がマイナスが出ているのは初めて見ましたが、これがまた旨いのです。
許されるなら、単独で欲しいくらい・・・・・・・

他にも合鴨農法米「門藤夢様」に成る仕込15号これも非常に楽しみです。旨味の厚み・深みが素晴らしく、重厚感のある味わいながら切れがよく重たい印象はなく、直ぐにお燗で頂きたい感情に駆られました(笑)。
他にも生もと系もウヒョヒョヒョ・・・・のとても素晴らし出来栄えで22BYもとても楽しみなお酒ばかりでした。特に生もと純米大吟などは・・・・・・上品さの中にも力強い骨格と旨味・酸が素晴らしく竹鶴らしい純米大吟に仕上がっていました。機会が有ればまた生もとのお酒のリポートも詳しく致します。
賑やかな蔵見学でしたが、京都チームともまたいろんな交流が出来ればと思っております。皆様お疲れ様でした。
また蔵元の皆様石川杜氏様本当にお世話に成りました。



京都の皆様と竹鶴に行きました

2011-03-24 16:28:02 | 出来事
UPが遅くなって成ってしまいましたが、3月13日(日曜日)懇意にさせて頂いている京都の飲食店さんと、そのお客様を中心とした燗酒をこよなく愛する会「燗ing カンニング)」皆様方と、広島煮酒倶楽部のM様ご夫婦と、燗付けKing S様と、アジアの壁A先生とご一緒に竹鶴酒造に行って参りました。【京都 燗ingチームの皆様】
【広島煮酒倶楽部の方】先月、お取引先の京都の飲食店「魚の匠 あさきぬ」の佐藤様の方から、3月6日(日曜日)に竹鶴の蔵見学に行きたいのだけれど・・・というご連絡が有り、石川杜氏にその旨お伝えしたところ、ちょうどその日は「甑倒し」の日に当っていたので、相談の結果13日に成った次第でございます。京都燗ingチームは総勢13名、我々広島煮酒倶楽部チームを入れ18名という結構な人数に成りました。
この度の蔵見学は、初めて竹鶴に行かれる方もおられたので、その方に合わせて杜氏も詳しく時間を掛けて説明されていました。
先ず最初は酒米を蒸す「釜場」に案内されました。先ほど申しました通り3月6日に「甑倒し」に成っており、今年の蒸米の作業は見る事は出来ませんでしたが、石川杜氏のリアルなエアー蒸米話を熱心に聞いておられました。

次に案内されたのは「麹室」で、こちも残念ながら麹は有りませんでした。説明の中で杜氏は「量の多いものは一部機械で麹を造るものもあるが、それ以外はすべて麹蓋を使い箱麹は行わない。麹蓋を使わなくてもちゃんとした酒は出来るが、麹蓋で造る意味合いは有り、麹を解ろうと思ったら必ず必要な作業だ・・・道理が解った上で作業を行わないと次の世代に真の意味で継承は出来ない・・・家の若い者は皆、蓋麹の作業を率先してやりたがる・・・」など逆に麹がないがゆえの杜氏の丁寧な話に皆さん耳を傾けていらっしゃいました。

その後、蔵2階に在る「もと場」に向かいましたが、その途中に使い終え奇麗に手入れされた麹蓋が置かれており再度お話をして頂きました。

次に酒母を育成する「もと場」に通されました。ここも残念ながら酒母はおらず、仕込中の「もと場」の雰囲気を杜氏がご説明頂き、それに加え「生もと造り」の話を非常に丁寧にして頂きました。
酒類関係者の中でも「生もと」のメカニズムをきちんと説明出来る方は少なく、今回蔵見学に来られた皆様は甑倒しが終わっていて、ある意味残念でしたがその時期ゆえ石川杜氏も時間が取れ、詳しく時間を掛けて「生もと造り」のご説明頂いたので、いらっしゃった皆様はそういう意味では大変ラッキーだったと思います。

その後皆様は、仕込み蔵え・・・・。
仕込み蔵に入りすぐ左に折れると、貫録のある仕込木桶が3本(11号・12号・13号)が並んでおります。
木桶には、どこかで見た木札が・・・・・。そうです先般のブログでも触れた三次市三和町の木工杜氏美和桜の杜氏の手による素敵な木札が下がっております。
ここ仕込蔵に来て本日ようやく現物が・・・・・
木桶の中には、前回蔵にお邪魔した際に仕込み作業を拝見した「生もと・純米(八反錦)加水用」の醪が元気に発酵中でございました。この写真は仕込桶ナンバー13番これが今期最後の仕込だったと思います。こちらは13番より一足先に仕込まれた12番の醪です。活発な発酵も落着き醪の液面は泡も大人しく穏やかになっています。

余談ですが、この仕込用の木桶がメンテナンスを終え蔵に返ってた時、桶の底裏側に蔵の皆さんでサインをしてあるのですが、この度、そこに手を忍ばせて写真を取ったら、きれいに取れたのでご披露しておきます。

右端から
平成21年7月11日でしょうか・・・
竹鶴酒造株式会社
社長 竹鶴寿夫68歳
専務 竹鶴敏夫35歳
杜氏 石川達也45歳
(蔵人頭)若山健一郎
という文字が見えます。

続きは次回・・・・・。



広吟 美和桜入荷

2011-03-23 18:47:29 | 日本酒
先日、広島県三次市の美和桜酒造さんから注文していたお酒が届きました。
当店の定番商品の山廃の2種類の商品と、それ以外にも以前のこちらの蔵に見学にお伺いした際のブログでも触れた、「特別純米」も入荷致しました。

美和桜 特別純米(火入れ)22BY 原料米:雄町 精米歩合:60% アルコール度:16.3 日本酒度:+8.0 酸度:1.9 使用酵母:広島吟醸酵母(速醸)
価格1,800ml=\2,450

このお酒は広島吟醸酵母を使用して醸されています。当店では華やかな香りのお酒は少なく香りは穏やかなお酒が多く、お客様の中には「何故、華やかな香りの広島吟醸酵母のお酒を仕入れたの・・・」と思われるお客様がいらっしゃるかもしれません。しかしながらご安心を・・・このお酒は立ち香は地味とは言えませんが、そこまで華やかではなく食中酒としても十分対応してくれるお酒に成っています。
実は広島吟醸酵母にも色々種類が有り今回用いられたものは「広島吟醸酵母12」といわれるもので広島吟醸酵母の中でも比較的香りが大人目の酵母だそうです。しかもこの酵母は協会9号系(K-4)から選抜されたもので、杜氏曰く「この酒を造る時この酵母は、よく先祖帰りをするんですよ~。ですからほぼ9号系だと思って下さい・・・・」との事。そういう事か・・・と思いつつ本当か~いと思うのですが・・・・あ~これ以上は言いますまい。
味わいは、山廃のシャープで力強い酸に比べ、アタックは少し柔らかな旨味に心地よい切れのよい酸味を感じます。幅のある底味の確りした印象で、旨味も十分で、まとまりの良さも感じます。これからの熟成がとても楽しみなお酒です。
山廃同様、こちらの商品も是非宜しくお願い致します。



龍勢 贅沢ブレンド

2011-03-18 15:25:15 | 日本酒
先日、竹原の藤井酒造さんから注文していた「龍勢 生原酒 番外品 が入荷致しました。
この商品は、今年醸した純米大吟醸と純米吟醸と生もと純米の「責め」部分をブレンドした生原酒です。
搾りの段階にも大きく分けて三段階の工程が有り、搾る際圧力を掛けず自然に流れ出る部分のお酒が「荒走り」と呼ばれます。その後少し圧力を掛けて搾られた部分が「中汲み」と呼ばれ、酒質的に安定しているとされています。その後、高圧力で搾られた部分が「責め」と呼ばれ、中々単独で商品に成る事は余りありません。

一般的に「責め」の部分は「荒走り」や「中汲み」などからすると、どちらかというと雑味も出やすく奇麗な酒質とは言えないかも知れませんが、味わいの複雑さなどは返って面白い部分ともいえます。
しかも本商品は、高精白(精米歩合50~60%)で基本的に上品でポテンシャルも高いお酒で「責め」の雑味をあまり感じる事のない、普通に美味しく満足して頂けるレべルのお酒であり、それどころかこの酒質であればとてもお買い得なお酒です。味わいも、しっかりとした旨味と飲みごたえのある幅のあるお酒に成っていますし、口に含んだ後の鼻に上がって来る含み香もデラウエア系のニュワンスも少し有り、心地よい酸も全体を絞めてくれ、幅広い層の方にご満足頂けるお酒に成っています。下の写真にもあるように正に「贅沢ブレンド」です 分かっているデーターは次の通り原料米:雄町・山田錦 精米歩合:50~60% 日本酒度:±0ですが、多種類のブレンドなのでデーター的に余り意味がないような気も致します。
1800ml \3,500 / 720ml \1,750
 


もう一つは、福山市神辺の蔵元=天寶一酒造の「天寶一 純大生せめ」(純米大吟醸生酒の責め)入荷のお知らせです。
このお酒も先ほどの龍勢と同じく「責め」の多種類ブレンドですが、中身は精米歩合40%・45%・50%の純米大吟醸に成ります。
こちらも高精白のお酒ですので、お酒自体が奇麗目に仕上がっているため「責め」を詰めているにも拘らず、濃い感じや雑味を多分に感じるといった印象は有りません。原料米:山田錦 精米歩合:40%~50% 酸度:1.9 日本酒度:+5.0 使用酵母:9号 アルコール度:16度
1800ml \2,625

どちらも、数量限定商品に成りますので、ご入用の方は早めにご連絡下さい。



十旭日 淡雪入荷

2011-03-16 21:35:12 | 日本酒
東北・関東・中部と広範囲に渡り大きな地震や津波が起こり、皆様ご存知の通り甚大な被害が出てしまいました。
お亡くなりになった皆様のご冥福をお祈り致しますと共に、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
現在、被災地は無論都市圏でも公共交通機関の麻痺・渋滞、流通の乱れや物資の不足・・・・・・と周辺地域でも大きな影響が出ていますが、我々の業界もにも影響が出始めました。
日本酒の蔵元様、ビール工場、飲料水工場などなど・・・かなりの被害の所も多く在り、一部商品は休売に成り出荷の見通しがつかない商品の報告も相次ぐように成って参りました。
その為一般のお客様・飲食店の皆様に、これらご迷惑をお掛けする事が出て来そうです。加えて、当店からの地方発送なども被災地周辺には発送が出来ず、関東周辺は時間が掛かってしまうといった状況に成っています。どうかご理解の上ご了承下さいますよう宜しくお願い致します。


そんな話をした後ですが、下を向いてばかりいられませんのでいつものように、商品紹介をして行きたいと思います。
今回入荷の商品は、出雲の国のお酒のご紹介です。
十旭日 純米大吟醸 袋吊りうすにごり
淡雪仕立て 生原酒 1,800ml
 (22BY)
原料米:山田錦 精米歩合:45% 酸度:1.8 日本酒度:+8.0 使用酵母:島根K-1(協会9号系) 日本酒度:15以上~16未満
ご覧の様に、原酒なのに15度以上~16度未満・・・・・ひょっとして発酵が進まずアルコールが出なかったいやいや・・・安心して下さい、そんなことはご座いません。実は醪段階で加水しおり、その後搾りにかけています。その為製法上は原酒と言う事に成ります。(原酒で搾って後に加水した場合は通常の加水扱いで、勿論原酒ではありません) 
またこお酒は、いわゆる吹き出し注意の危険物で、発酵中に発生する炭酸ガスを閉じ込めた活性タイプのお酒です。(炭酸ガスの発生は物によって違うかもしれません)ガス圧はが高くなっている時は王冠の金属のキャップをくるりと外すところですでに栓ごとポ~ンと飛んで行く恐れがありますので、手で確り押さえながらキャップを開けて下さい。
抑えていてもキャップを開けようと手に衝撃が来た場合は、抑えていた手でもう一度強く栓を押し込んで噴き出そうとする酒がこぼれない様にして下さい。その後、抑えていた手を緩めたり、押し込んだりしながらガスを抜いた後、開栓をします(ガスが少なく不発弾の時も有りますが、くれぐれも用心して開栓して下さい)
味わいは、シュワ~とした炭酸ガスとメロン系の香りのニュアンスを感じ、クリーミーな滓とキレの良さも有り、高精白由来の上品な旨味も持っています。
価格は決して安くはありませんが、純米吟醸(45%精米)の袋吊りで¥4,200は良心的な価格だと思います。
季節商品の300本限定商品ですので、ご興味のある方は、お早めにご連絡下さい。