掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

鳥取出張・辨天娘編4

2009-02-28 01:00:00 | 出来事
太田酒造場さんでの作業も残すとこ後僅・・・。やっと何とか勝手が分かり始めた頃には終わってしまうという、よく有りがちなパターン
午前6:30~10:00まで作業し小休憩お茶などを頂き蔵の方々ともしばし世間話など・・・皆さん気さくに声を掛けて頂き、素人の我々がお手伝いに行って、さぞかし足手まといに成ったでしょうに「今日は人数が多いから仕事が速く片付いたね~」とニッコリ笑って温かく接して頂き、太田ファミリー同様本当によい方ばかり。本当によい経験をさせて頂きました。
その後、12時までの最後の仕事として小生は「もと米用=五百萬石」30Kgを洗米致しました。この作業は前日「留仕込み」用の山田錦を洗米した時と同じ段取りで今回はM様とペアーを組み作業を致しました。その後、片付け雑用を済ませ正午に作業を終了しました。(作業が終わり槽の隣で写真に納まるM様・ご苦労様でした)
2日間に亘り半日ずつの作業と短い間では在りましたが、大変皆様にはよくして頂きました。勿論一所懸命頑張ったつもりなのですが、奉仕作業に行ったのか足手まといに成ったのかはたまたご馳走に成りに来たのか・・・私自身は、前回お邪魔した時のお礼の意味あいも有ったのですが、今回もまたまたお世話になってしまったようです。そうして、最後の最後も昼食をお世話戴きました。何しに来たのか・・・・
という訳で、大変貴重な体験をさせて戴きました今回の太田酒造場出張も、バタバタしている間に終わってしまいました。ご一緒したお二人も充実した時を過ごされたようで、加えて太田酒造様の温かい家庭・酒や造りに対する向き合い方に接し、前回の私の訪問同様とても感銘を受けておられました。太田酒造の皆様本当にお世話に成りました。これに懲りずにまたお伺いさせて下さいませ(感謝)。
また、商品についての説明も追々して参ります。
後ろ髪を惹かれる思いで、午後2時に太田酒造を後にした3人は次の目的地「東郷」(福羅酒造)へつづく



鳥取出張・辨天娘編3

2009-02-27 09:20:47 | 出来事
2月20日(金曜日)早朝いよいよ2日目の作業です。
昨晩は、太田酒造場の奥様の美味しい手料理と嬢様(本物娘様)の絶妙なお燗酒をしっかり戴いてしまいましたが、目覚めはスッキリ・体調万全
流れとしては午前5:30起床⇒6:00に食事⇒6:30から作業開始という形に成りました。
昨夜に続き、懲りない面々はまたしてもしっかりと朝ごはんを戴いてしまいました。だって美味しいんだも~ん。しっかりと食べた後は、早速お仕事です。
先ずは先日洗米した210kgの山田錦(浸漬後・笊で水気を切って在るもの)を甑で蒸し上げます。昨年11月にブログで紹介したように、この甑で蒸し上げる米の量はMAX=150Kgと、とても小さいので210Kgの米は半々に分けて2回に分けて蒸し上げます。
米が蒸し上がる時間、我々は仕込蔵二階床のスペースに蒸し米を広げ放冷する準備をしておりました。直接米を広げるのではなく、高さ10cm・畳一畳分くらいの通気性のよい台を置きその上に、スノコの親分の様なものを引き10セット余りセッティングします。 その後蒸しあがった米を滑車で一階から二階へ運び先ほどセッティングした場所に蒸し米を広げて行きます。(下写真の様な状態)
順序として蒸し上がった米を計量しS様が蒸し米を滑車で一階から二階へ(下写真:仕込タンク前に写っているロープに右下にかすかに見える青い蒸し米を入れるケースをフックに引っ掛け二階に上げて行きます)小生が受け取りM様が運び他の皆様が杓文字の親分を持って広げて行き⇒空の箱を小生が再度一階へ滑車で下ろすといった作業の繰り返し。
それが終わると、次の蒸米作業をされておられる中島杜氏を残し、我々も一緒に皆で米を広げ米がダマに成らないように細かくほぐして行きます。一度全部ほぐし終わるともう一度同じ様にほぐし、一つの山を計二回×10枚余りほぐします
下写真:これで完成ですこれを少し置いてタンク投入「留仕込み」に使いますが、蒸しは二回ですからこの作業をもう一度繰り返します。(だだ二回目の蒸米は一階に広げる為、二階に上げる作業はありませんが・・
その後小生は蔵人の方とペアーに成り、写真は有りませんが放令してほぐした米を布ごとタンクまで持って行き投入して行きました。
その頃S様M様も同じく社長の弟様と伴に、二階で放冷・ほぐしが終った米をシューター(エアーシューターではないただ引力の法則で二階から一階のタンクに落ちる様になっているだけ)で同じくタンクに投入されておりました。私も後にご両人のお手伝いに参上致しました。
その後、米を広げる時使った道具を片付けて休憩に入りました・・・・・。ちなみに今回我々が仕込み作業に係わったのは、仕込み12号 山田錦 精米80% 協会701号酵母仕込 多分「辨天娘」12番娘20BYという事に成ると思いますが煮酒菌・ダメ菌がたっぷり入っていますので要注意です(つづく)



鳥取出張・辨天娘編2

2009-02-26 00:42:07 | 出来事
2月19日(木曜日)午後1:00いよいよ作業開始ですが・・・。
作業の進行上先ず簡単に仕込みにつ説明しておくと、最初「本仕込」のタンクより少し小ぶりのタンクに酒母・蒸米・米麹・仕込水を入れて「初添(はつぞえ)(またはただ単に「添え」ということもいう)作業が行われます。
その翌日は「踊り(おどり)といって1日仕込みをお休みします。なぜなら立て続けに仕込みをして一度に多くの米の量を増やす事によって、酵母の繁殖が遅れてしまう為中1日仕込みを休み、確りと酵母が活発に成るように促してやります。
その翌日は「踊り」の後の醪を本仕込用大きなタンクに移し「中添え(なかそえ)といって「初添え」の時の仕込の2倍位の蒸米・米麹・仕込水を入れ仕込みをします。
またその翌日にも同じく、蒸米・麹・仕込水をタンクに初添えの量の3倍の量を仕込みをします。これを「留添え(とめそえ)といいます。(初添え=中添え=留添えの仕込量の割合は「初1:中2:留3」という形が一般的です。またこの3回に分けて仕込む方法を三段仕込と呼ばれほぼこの仕込が主流です。

この日は、我々が到着する前・午前中に「中添え(なかそえ)の作業がありましたが午前中の仕込み作業は終わっており、我々が取り掛かった作業は明日の「留添え仕込」の蒸し米用の精米歩合80%(20%糠にして落とされた)「山田錦」約210Kgを洗米する仕事でした。
ご一緒したS様とM様は、貴重な米粒をこぼさない様に注意しながらを容器に10Kgづつ計り分け行く作業でした。小生はそのお米を洗い、水を切って半切りに張った水の中に笊に入れた洗米した米を浸漬するといった作業でした。
詳しく説明しますと、上写真が洗米の機械です。水が入り撹拌されているこの機会の中に、先ほどS様M様に計って頂いた容器の中の米を投入(機会の頭笊が被せている辺りに)します。1分半洗米した後この写真では後ろになっていて見えませんが、蛇口がありそこから勢いよく洗米されたお米と水が出ます。そこに笊を受けておいて、お米が溜まり始めると同時にホースで勢いよい水で再度1分半洗って行きます。その後笊の米の水を切り下の写真の様に、半切りに水を張った中に洗米した米に水を吸わせる浸漬をします。途中からこの作業はS様とご一緒に・・・その間M様は蒸し米を広げる布の洗いものを・・・これが妙に手つきがよいのです。お宅での洗物をされている成果でしょうか・・・・
米10kg入った容器21個を洗米した後、今度は、S様&M様はタンクの下に引く石を洗って移動させるという過酷なお仕事・小生は作業を終えた麹蓋をササラで洗う作業を致しました。その後諸々の雑用をし夕方5時過ぎに作業を終えました。
その後は、お風呂を頂き、夕食になりました。前回も奥様の手料理を頂き、またしても大変な大後馳走・更に太田酒造のお嬢様(本物娘様)の付けられた天にも昇るような素晴らしく絶妙なお燗恐縮すると同時に、ただ飯は食えない・・・明日もしっかりと働かなければ・・・・と気合も入りましたが、いつの間にかたっぷりと楽しんでしまいました。それから数時間経ってから、中島杜氏が腕時計をちらりと見て「そろそろ行きますか」というご指示の下、麹室へ・・・本日最後のお仕事麹の切返し四人での作業なので、さほど時間は掛からず終了致しました。そうしてまた部屋に帰り飲み直し・・・まだ飲むかいさっきの恐縮した気持は何処に言ったのやら・・・・といいながらも、明日の仕事も早いのでその後、適度な時間に就寝致しました。
この次は翌日早朝からのレポートを致します。(つづく・・・)



鳥取出張・辨天娘編1

2009-02-25 15:35:37 | 出来事
先週の19日~21日に亘って取引の有る鳥取の蔵元2蔵「辨天娘」太田酒造場と「東郷」福羅酒造に行ってまいりました

今回のブログでは太田酒造編でご座います。
実は昨年、女房と二人で鳥取県八頭郡若桜町に在る「太田酒造場」にお伺いした際(昨年11月のブログ①②③④をご参照下さい)、思いかけず恐縮するくらい大変お世話に成ってしまいました。
お話をしている中で「蔵が始まると少ない人数でやるので大変なんです・・・・」という話をお聞きし、それではという事で今回のご迷惑をお掛けした罪滅ぼしと言う訳ではないのですが「酒造期には一度お手伝いに伺いましょう・・・」とお約束をして帰りました。すると「もしこられるなら、木曜日・金曜日辺りが一番手の要る頃なのでその時に来て頂くと助かるかも・・・」というお話をお聞きし、この日にした訳です。
しかしながら平日という事もあり、女房にも相談した所「あんなにお世話に成ったんだから行っておいで・・・」と快い返事を貰ったので、思い切って行く事に致しました。(当然店の段取りと配送人員の確保をした上で・・・

昨年末その作業のお手伝いの話を、純米燗をこよなく愛すユーザーS様M様にお話したところ「私も作業に行ってみたいな~」という耳を疑う(会社は大丈夫なのか・・・・信じられないお言葉をお聞きし、ご一緒する事に成りました(まるで映画釣りバカ日誌日本酒版ハマちゃんの様・・・・おっと失礼)
当初太田酒造場さんに午後1時に到着予定にしておりましたが、出発前日に太田社長の方から「中島杜氏が作業プランを立てていて午後1時から作業が出来るかどうか確認してくれないか・・・と言っておるんですが、如何でしょうか」と連絡が有り、その為1時の作業に間に合うよに到着時間を30分繰上げ午後12時30分に到着するように少し早めにこちらを午前8時に出発しました。
峠越えは積雪はあったものの道路には幸い雪はなく、思ったよりも早く若桜町到着し蔵近くの「道の駅」で私は豚汁定食の昼食をとり(とっても美味しい豚肉が郷土料理に成っていてメニュー全てが豚肉関連メニュー:とんかつ・豚すき丼・豚味噌丼・とんこつラーメン・・・・ほか)時間を調整し、太田酒造場に約束時間ぴったりにお邪魔致しました。
到着後、事務所に通され本日の作業の説明を受け、いよいよ蔵での作業です作業の模様は、次のブログで。 つづく・・・・・




「竹泉」蔵見学

2009-02-25 00:05:42 | 出来事
早いもので、2月も残すところ4日・・・・。日本酒の蔵元さんもそろそろ20BY(平成20年度酒造期)の作業も佳境に入り、すでに蔵によっては『甑倒こしきたおし(蒸し米を造る作業が終わり、酒造りも一区切・文字通り甑を倒すという事)をしたという蔵の便りも聞こえる季節に成りました。今月はほとんどの日曜日・祝日に蔵元に見学に伺いました。少し前のブログで紹介した奈良県宇陀市の「初霞・睡龍」久保本家酒造さんにお伺いした時にも、方向的にも行く途中なので前日(2月11日・祝日)に取り引きの有る蔵元『竹泉酒造』さんの蔵にもお伺い致しました。
この日は午前10時より他の方々の蔵見学が入っていて、また午後からは居酒屋の方が沢山のお客様を連れ見学という事もあり、小生は朝8:30からの見学になりその為自宅を5時に出発致しました。(事務所前にはコミックの「蔵人」にも出て参りました招き猫がお出迎え・・・)前回お伺いした時は、酒造期ではなかったので近い内にお伺いしたいな・・・と思っていたのでよい機会でした。
蔵は、広く動きやすいそうで仕込みも佳境に入っていました。
竹泉さんも今年の造りは他の蔵と同じ様な傾向で米がよく解けたようで、醪日数も長くなっているとのことでした。

お伺いした時の作業の方は、丁度「梅酒用純米酒高アルコール(山田錦70%精米)」の仕込みの最中で、蒸し米を放冷機で冷まし
エアーシューターで仕込タンクに飛ばして蔵人がその仕込タンクの醪を櫂で突いておられました。
私も櫂を渡され醪の中に落ちる蒸し米を櫂で撹拌させて頂きました。ちなみに他の純米のほとんどは蒸し米を機会で放冷せず、手で運び床に広げ方冷し、その米もエアシューターを使用せず運ぶそうです。
今年は、大きく変わった点としては全般的に7号酵母の仕込が増えていました。以前の田冶米社長の話だと徐々に7号酵母の仕込を増やし9号・10・15号酵母を徐々に減らし何年かかけて7号酵母主体の仕込みに変えてゆくということでしたが、今回お話を聞くとかなりの仕込本数7号酵母になっていました。「純米吟醸 雄町」は3本仕込んだ(1本の仕込みの総米1050kg)中の1本が15号・2本が7号(上に写真は純米雄町55%精米701号(7号酵母泡無)で仕込んだもの。留め仕込み1月11日と仕込タンク横のボードに書いてあります。やはり醪日数は長い・・・・下の写真はその醪の入っているタンク内を撮影したものです。) 「特別純米 五百万石」や売れ筋商品の「純米吟醸山田錦」に至っては各3本(こちらは仕込は1本の総米が1500kg)仕込全てが7号酵母仕込というとっても不幸素敵な事に・・・・20BYの生酒の出荷からこの不幸素敵な生酒を呑めることに成ります。とても楽しみです。火入れの商品は今のロットがなくなり次第の出荷に成りますので、まだ少し先に成ります。これからも注目です。