掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

若林酒造に行って参りましたⅡ

2012-04-21 16:21:24 | 出来事
一行は、いよいよ仕込蔵に・・・・・蔵の入り口には、今期はお役御免となった甑が鎮座しておりました。
と、その正面辺りに有る杜氏のお部屋(分析室)に、どこかで見た事の有るような看板が・・・・。それは何と我が家にも有る、広島の木工杜氏(笑)いやいや美和櫻酒造の金尾杜氏作の、素晴らしい看板が燦然と輝いているではありませんか
しかしユーモアの有る金尾杜氏の作にしては、ちょっと看板の文句がベタすぎますな~。
ちょっと脱線致しました。
蔵の方は、この時期さすがに甑は倒れており、今年の洗米や蒸の作業も当然無く、麹室にも麹はございません。しかしまだまだ、上槽されていない醪は数本ございました。

中には、こんなものも・・・・・
ズームアップしてみると、ややや山廃仕込み今まで速醸と生もと造りしかしていなかった蔵なのに、今年はなぜ山廃をおまけに、山廃仕込をしていた蔵が生もと造りを始められた・・・と言うのはよく聞く話ですが、若林酒造さんの様に、すでに生もと造りを行っている蔵元さんが山廃をされるというのは、あまり聞いた事がありません。
そこで、山口杜氏に「何故、今期山廃を仕込まれたのですか」と質問すると、「よく生もとと、山廃はどう違うんですかと質問を受けるのですが、理論上説明は出来るのですが、詳しい話になると山廃は造った事が無いのでよく解りません・・・・としか答えようがないんです。ですから今回造ってみる事にしました。」との事でした。なんか実直で真面目な山口杜氏ならではの答えの様で、妙に納得致しました。いずれにせよある意味興味深いお酒に成りそうです。

他にもちょっと面白い形のものが・・・・・。バットマンモービル(バットマンカー)の後方部分を彷彿とさせる・・・そこまでかっこよくないですが。これは放冷機でございます。
今は布が掛かっていますが、ここの部分に蒸米を置き、手前のファンが回り蒸米を冷やす。という仕組みの様です。

また二階には麹室が在ります。自然木の太い梁がとてもいい雰囲気を醸し出しています。
麹室内は、残念ながらこの時期麹はございません。
その後、仕込蔵できき酒をさせて頂きました。無論新酒がほとんどでしたが、中には長期熟成のものも・・・・出荷される予定は有るのだろうか期待しています(笑)

その後、若林社長・山口杜氏と参加メンバー全員で懇親会を致しました。
若林酒造様におかれては、甑は倒れたといっても醪管理や火当てなど、もろもろ作業が残っている長時間にわたってどうも有難うございました。




若林酒造に行って参りました

2012-04-20 11:55:59 | 出来事
ちょっと前の話に成りますが、4月8日(日曜日)島根県太田市温泉津の蔵元:若林酒造(銘柄:開春)さんに夫婦で行って参りました。
今回の蔵見学は、当ブログでもおなじみ広島市三川町の居酒屋「いぶしぎん」のマスター小牧さんの企画で、お店のご常連のお客様、さらには交流のある居酒屋「相さん家」の相原さんもご参加に成り、総勢22名の参加者と成りました。
今回の道中も、参加者のI様のご手配により貸切バスにての快適な旅に成りました
AM8:15に広島駅(北口)を出発した一行は、AM10:30くらいに若林酒造に到着致しました。

一行は早速、店舗・母屋を抜けた蔵の前の洗い場辺りに通されました。
先ずは若林社長からのご挨拶があり、本日の工程についてのご説明がありました。
その後山口竜馬杜氏からのご挨拶や造りの現状報告などのお話がありました。
また併せて、若林酒造さんで使用される酒米のサンプルを見せて頂きました。【岡山県産 備前雄町】
【地元西田地区産(ハデ干) 山田錦】
【地元産 亀の尾】勿論他にもございますが、この辺で・・・・・。
この後いよいよ蔵の方へ参ります



玉川 五百万石 山廃純米火入れ原酒

2012-04-07 22:10:49 | 商品紹介
先日、京都府京丹後市の蔵元「木下酒造」さんから、素敵なお酒が入荷しました。
そのお酒は、玉川 五百万石 山廃純米火入れ原酒22BY(昨年度醸造酒)です。
季節柄、新酒の生酒の提案が多いこの時期、今回は当店らしく程よく熟成の効いたお酒のご紹介です。
玉川の山廃純米といえば、無濾過生原酒の印象が強いと仰る方も多いと思います。しかしながら、木下酒造さんも現在の杜氏フィリップ・ハーパー氏が就任され今年で5造り目を迎え、昨年辺りから山廃熟成の火入れ商品が、ぼちぼちではありますが、出荷される様になりました。
玉川の山廃純米は、北錦という酒米を使用して醸されたお酒が仕込数量も一番多く、代表格に成っています。今回入荷の商品は、五百万石を使用して仕込まれたお酒で、総米1.2tの一本だけの仕込で、生原酒で出荷されると残りはわずかに成ってしまいます。その少量のお酒を火入れして造られたのが本商品に成ります。

原料米:五百万石 精米歩合:66% 日本酒度:+3.0 アルコール度:19.7 酸度:2.5 アミノ酸度:1.7 酵母無添加 
1800ml 税込価格¥2,500 

22BY五百万石のお酒で、どれくらいの熟成をしていているのか・・・・と、とても興味を持ってきき酒させて頂きました。
玉川の山廃純米らしいジューシーな味わいと、深みのある味わい膨らみは持ちつつも、シャープな切れと酸が全体を引き締めてくれます。熟度は22BYにしては予想以上に呑みごろに成っていて、多少の渋も感じますが硬さが際立つ印象あまりありません。
また常温の時に比べ燗酒の方が、圧倒的に米の甘味や膨らみ厚みは増す印象で、割水の燗もお勧めです。
これから、まだまだお酒は変化してゆく事でしょうが熟成が大変楽しみなお酒です。
私自身は、これからの火入れされた熟成した玉川がこの蔵の真骨頂だと思っております。ますます目が離せません



出雲の国からのサンプル

2012-04-06 18:51:29 | 告知
先日、島根県出雲市の旭日酒造蔵(銘柄:旭日じゅうじあさひ)様より、予てよりお願いをしておいた、今季に醸されたお酒(23BY)の内8種類のサンプルが届きました。サンプルは全て上槽されたまの生原酒の状態です。ものによってはそのまま出荷されるものも有れば、加水や火入れをされ出荷されるものも有ります。届いたお酒は、下の通りです。

①仕込20号 純米吟醸 山田錦
精米歩合:55% 使用酵母:K-1 日本酒度:+3.0 アルコール度:18.7 酸度:1.9 アミノ酸度:1.3
 渋味を残すものの雑味も少なく、なかなか奇麗に上がっていてある意味吟醸純米らしい印象です。蔵元さんの話によると粕も比較的多めだったようです。

②仕込27号 生もと純米 改良雄町
精米歩合:70% 使用酵母:無添加 日本酒度:+11.0 アルコール度:19.6 酸度:2.0 アミノ酸度:1.8 すでに、柔らかで優しい旨味を楽しめます。中盤から酸味も感じ余韻も長く力強さも感じます。

③仕込28号 純米吟醸 佐香錦
精米歩合:55% 使用酵母:K-1 日本酒度:+6.0 アルコール度:18.4 酸度:1.7 アミノ酸度:1.1 現時点でも、滑らかな旨味を楽しめます。多少渋味も有りますが、早飲みも出来るお酒です。

④仕込29号 純米改良雄町
精米歩合:70% 使用酵母:7号 日本酒度:+6.0 アルコール度:18.7 酸度:2.1 アミノ酸度:1.9 火入れされた後、当店でも人気の雄町赤ラベルに成るお酒です。シャープで切れのある骨格の確りした、たくましいお酒です。

⑤仕込30号 純米吟醸 改良雄町 
精米歩合:60% 使用酵母:K-1 日本酒度:+5.0 アルコール度:18.8 酸度:1.9 アミノ酸度:1.6 ふくよかで、ふんわりとした優しい旨味を十分感じる事が出来ます。

⑥仕込31号 純米吟醸 改良雄町 
精米歩合:60% 使用酵母:K-1 日本酒度:+8.0 アルコール度:18.9 酸度:1.9 アミノ酸度:1.5 仕込30号と同じ、モトで仕込まれて同じスペックのお酒ですが、現段階では酸と渋味がまだ全体を支配した感じです。シャープな鋭角的な印象です。

⑦仕込36号 生もと純米 改良雄町
精米歩合:70% 使用酵母:無添加 日本酒度:+10.0 アルコール度:19.5 酸度:2.2 アミノ酸度:1.6 現段階では、当然若さは感じるものの、米由来の甘味と酸が相まって、心地よい甘酸っぱいニュワンスを感じます。

⑧仕込37号 生もと純米 改良雄町
精米歩合:70% 使用酵母:無添加 日本酒度:+10.0 アルコール度:19.7 酸度:2.1 アミノ酸度:1.8 仕込36号と同じスペックの生もとですが、そのお酒よりシャープなな印象です。渋味もまだまだ強く、骨格も確りしており熟成が楽しみです。

本サンプル商品の感想は、私の個人的な感想です。蔵元様の感想ではございませんご注意を・・・・(笑)
①~⑥は、生出荷もされるようですが、⑦.⑧は基本火入れ出荷されるようです。
今年もなかなか素敵なお酒が出来ています。今後とも旭日のお酒達を宜しくお願い致します。