掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

カネ中・純米大吟醸

2009-06-27 21:25:07 | 日本酒
今回のブログ掲載で、今月何と3回目の登場と成ります「中島屋」
6月13日「中島屋 古酒入荷」
6月24日「中島屋の会in三川町」
で・・・・6月27日の今回という事で、中島屋さんの細かい説明はもういいでしょう(笑)。

今回は、前回のブログ(24日)でご紹介した「酒の会」で飲んだお酒の中で、唯一まだ出荷されていなかった「カネ中・生もと純米大吟醸」が入荷したお知らせです。
当ブログでは、お酒は日常に密着してこそ・・・・という観点から、比較的日常酒になるようなものを中心としてご紹介をしていましたが、今回はちょっと日常酒という訳には行かない、少々高価なお酒ですがとても興味深いお酒ですので、ご紹介します。

【中島屋/カネナカ・純米大吟醸原酒】原料米:山田錦(山口県産)100% 精米歩合:麹米38%・掛米45% 日本酒度:+1.0 酸度:1.8 アミノ酸度:1.7 酒母:生もと造り 使用酵母:協会7号
価格=720ml瓶入 ¥3,500円  

上のデーターを見て、その筋のお方は(特にお燗好き)、「ふっふっふっ・・・」と薄笑いを浮かべる方もいるかもしれません。
よく目にする大吟醸のお酒は酸度もアミノ酸度も1.0前後で酵母も香系のものを使うものが多いのですが、このお酒は全てが正反対。酸もアミノ酸もこのタイプのお酒にしては高め、おまけに華やかな香もしない、寧ろ大人しい香。そんなお酒・冷やして飲んだり、常温で飲んだりするわけが無い・・・・・

少し脱線しますが、一般の方の認識では、「純米大吟醸のお酒をお燗にするの~もったいない・・・・・」と仰る方がまだまだ多いと思います。
「良い酒は冷やで・・・・・悪い酒はお燗で・・・・」などという根も葉もない言葉が一人歩きをし、結局そういう事に成っているのでしょう。まるで「古いお酒は、酢に成る」という位下らない根も葉もないものです。(最も香系で酸・アミノ酸度も低く・炭濾過の水のように透き通っているような酒は燗には向きませんが)そう思っている方は、お燗に対していいイメージがないのでしょう。
お燗は「鼻につ~んときて単調な味わいで、飲んでいる人臭い・・・・・おまけに二日酔いで次の日地獄・・・」などとオマケ付き
事実お酒のタイプの見方などご提案アドバイスを怠り、悪印象を植え付けたのはメーカー含め我々酒販店業会も含提供する飲食店にも多少の責任は有ります(勿論、ちゃんとしたお酒を醸し、そういった商品を扱い、そういったお酒を提供する飲食店もがんばっておられるところは数多くいらっしゃいます)
美味い燗酒(確りとした味わい深い、適度な酸味のある骨格のある純米酒など・・)をお勧めすると、多くの方が目から鱗・もしくは、きょとんとされる方が多々いらっしゃいます。この様なお酒のお燗は、つ~んときたり、という事はありませんし、個人差はありますが、とんでもない二日酔に成るような事は、ほぼありません。味わいも包み込むようなふくよかな旨味を感じるものも多く、お燗のイメージもかなり変わってくるでしょう。

長らく脱線しておりましたが本線に帰らせて頂きます。
このお酒は、本当に素敵なお燗が付きます。まだ、熟成期間が短く本来の味わいが十分発揮出来ている訳ではありませんが、今の時期にしては楽しめる状態です・・・と言いたいところですが、実は今の状態でも大いに楽しめてしまいます。
常温時は、底味の旨味は感じますが、どちらかというと味わい・旨味とも大人しく、がっちりとした幅というよりすっきりとした味わいで、余韻にキリットした酸の後味を感じました。
しかしながら、温度を上げてゆくと60度越え65度辺りで、今まで中ってあ旨味がじわ~と出てきて、思わずにんわり更に70℃位に成ると複雑な味わいと厚みが加わり、更に75℃越え位のお燗をチロリから別のチロリに移し変え、また元のチロリに移し変え、こんな作業を3~4往復(空気に触れさせ、温度も50度台にる)したところで、頂くと絶品。伸びやかな味わいと言うか深みが格段に増し、円やかな味わいと適度な酸がとても心地好くなり、素晴らしいバランスに成ります。益々、冷やして飲むなんてあり得ない・・・。これからこの先、熟成期間を経て飲んだらもっと「むっふっふっ・・・・・」なお酒に成る事間違えなし。
是非この味わいは体感して頂きたいと思います。またこれからの季節、お酒の好きの方に御中元などのギフト商品(写真のように化粧箱に入っています)としても宜しいのではないかと思います。「うるさいわしが飲むんじゃい・・・」と、どこからともなく聞こえてきそうですが・・・・



中島屋の会in三川町

2009-06-24 10:58:20 | 出来事
先日6月21日(日曜日)広島市中区三川町の居酒屋「いぶしぎん」さんで、山口県周南市(旧:新南陽市)の蔵元=中島屋酒造場(銘柄:「寿」)のお酒の会があり、夫婦で参加致しました。
勿論「いぶしぎん」さんでは、以前より中島屋さんのお酒は定番商品として(生もと純米カネナカ・熟成純米・純米にごりなど)取り扱っておられますが、中島屋さん単独の酒の会は今回初めての開催です。
悦び勇んで参加しただめな 熱心な方々は二十数名。お店は満席でした。それに加えスぺシャルゲストゲストに中島屋経営者にして杜氏でもあられる中村社長がお出で下さいました。とても穏やかで、気さくに丁寧にお話してくださる方です。【写真:中村社長】
今回の会の酒はこんな感じです。実際ずらりと「中島屋」のお酒ばかり並ぶと何故か迫力が有ります。
向かって右から
中島屋「寿」 純米しぼりたて生酒 20BY
1,800ml=2,520円 (発売中)

中島屋 熟成純米 熟成ブレンド  
1,800ml=2,940円 (発売中)


中島屋 カネナカ 生もと純米 19BY
1,800ml=2,625円 (発売中)

中島屋 純米吟醸熟成酒 15BY
1,800ml=3,650円 (発売中)

中島屋 純米にごり酒 19BY
1,800ml=2,520円 (発売中)

中島屋「寿」 純米吟醸古酒 7BY
720ml=3,150円 (発売中)

中島屋 カネナカ 生もと純米大吟醸20BY
720ml=3,500円 (近日発売・入荷予定)

皆さんどのお酒も大好評のようで、比較的熟成のお酒も多かったせいか「熟成酒の楽しを再認識しました。」と言う感想も聞け、お酒のセレクトに携わったものとして大変嬉しく思いました。また今年初めて生もとで大吟醸を造られ、今回初お目見えとなった「20BYカネナカ純米大吟醸」も期待通りの美味しさで、燗付の温度の変化でそれぞれに表情が変わりとても興味深いお酒に仕上がっていました。
先日当ブログでもご紹介した「純米吟醸古酒 寿7BY(13年熟成酒)」も芯のある確りとした古酒で、まだまだ熟成可能なとても素晴らしいお酒です。当日お燗番を務めていただいたT澤さんS木さんお疲れ様で御座いました。

中島屋さんは、これからもは長く付き合って行きたい蔵元さんです。当店も定番商品として各種取り揃えておりますので、これからも中島屋・寿を宜しくお願いいたします。



出雲の栄里子嬢登場

2009-06-23 15:49:30 | 出来事
いつもお世話に成っているお取り引きの有る島根県出雲市の蔵元「十旭日」(旭日酒蔵)さん社長の実娘「えりちゃん」こと寺田絵里子嬢が先週20日の土曜日ご来店されました。(写真向かって右が栄里子嬢)実は寺田さん毎年恒例の広島市西区井口のデパート「アルパーク広島」で行われる、島根の物産展に夫婦で参加され通ります。その際「せっかく広島に行くので、もしご注文が有れば配達いたしますよ」と、ご連絡を頂きお言葉に甘えて配達をして頂いた次第です。
今回は、栄里子嬢がお一人で当店にお出でに成りました。と言うのも働き者の旦那様は、一足早く18日に広島入りされ19日金曜日からすでにアルパークで販売をされており、栄里子嬢は20日の午後からアルパークでの販売という事で、こういう風になったようです。

さて、肝心の配達して頂いたお酒は、一般出荷の商品とは違い蔵元曰く「トライアル商品」といわれるもです。いわゆる酒造りの中で、新たな挑戦をしていく上で日本酒の可能性に目をむけ造り出されたお酒です。ですから定番商品ではなく、ひょっとして単年度でしか出荷しない可能性がある商品のようです。
「十旭日 純米原酒(料理酒)酒米:県内産米 精米歩合:70% アルコール度:18~19度 日本酒度:-42 酸度:2.6 アミノ酸度:4.2何と肩張りにはトライアル2料理酒・天然のアミノ酸たっぷり濃醇甘口純米造りとダメ~な言葉が書かれたお酒です。勿論純米酒。
また裏ラベルには、造りを工夫し天然のアミノ酸を通常の約3倍含むお酒に仕上げました。素材の旨味引き出す料理酒としてお使いいただけます。蔵の若手が酒造りの不思議さ、楽しさを求め、勉強の一環として取り組んだトライアル商品です。あえて濾過などは一切せず、2年熟成させています。旨味の濃い純米酒としてお飲み頂いても・・。色は確り濃い色があります。と、なんとも残念な素敵な文面が書かれております。
日本酒度-42で勿論甘いお酒なのですが、甘味に嫌味が無く柔らかでが優しくデーターから思うほど強力な甘味を感じない印象です。きれの有る酸味が上手く調和しており、後口も甘味をくどく感じる事も無いので、飲み用としても十分楽しめるお酒に仕上がっています。勿論お燗もです。お酒も少しキリット絞まった感じになり、酸味も顔を出し後味のキレもよくなった印象です。
勿論料理などには、料理(酒煮きり酒)・味醂の両方を兼ね備えた感じとしても使えますし、隠し味として・煮物などは勿論これからの季節素麺や蕎麦のお出汁を作る時も重宝しそうです。

その他にも「ほにゃらら擬(もどき)・トライアル3純米生原酒」
原料米:五百万石 精米歩合:70% 日本酒度:+8.5 酸度2.4 アルコール度:19~20度
こちらは、訳あって露出出来ません。詳しくは当店までお問い合わせ下さい。
こちのお酒も、引き締まった酸と厚みのある味わいも楽しめるお酒に成っています。どうかトライして下さい。
トライアル商品は、両方とも同一価格です。
1,800ml瓶入り=2,550円 500ml瓶入り=830円です。
 
後日21日(日曜日)アルパークに寄って来ました。仲良くご夫婦で販売されておりました。勿論あのトライアル商品も・・・・・



「辨天娘」嬢ご来店

2009-06-22 16:48:07 | 出来事
今年の酒造期に鳥取県八頭郡の太田酒造「辨天娘」さんに、蔵仕事の体験に当店のお客様でも有るMキャプテン様と、S賊殿と私と3人でお伺いして大変お世話に成ったというブログを2月にアップしましたが、その太田酒造社長の実娘陽子嬢が6月14日(日曜日)竹鶴の石川杜氏と、もうお一方と3人でご来店頂きました。(今年蔵仕事体験に行った時の写真・残念ながら陽子嬢は、この写真を撮っていらっしゃいましたので写ってはおりません)
余談ですが、ご存知の方も多々いらっしゃる事と思いますが「辨天娘」の商品はタンクナンバーがそのまま商品名に使われいます。例えば仕込3号タンクだと三番娘・仕込12号タンクだと十二番娘というような具合で娘というのは、キーワードと成っています。その蔵元の娘さん・言うなれば「本物娘さん」「一人娘さん」の来訪という事でしょうか・・・・・
しかしながら何たる不覚・・・その日は外出をしておりお会いする事が出来ませんでした。帰宅した後母にその時の事情を聞き、すぐに石川杜氏に電話したところ「今、一緒にいますから代わりましょうか」と仰り、少しばかりお話をさせて頂きました。すると「お渡ししたい物が有るのでまた明日の朝お伺いします」との事・・・。その日は竹鶴酒造の蔵に見学に行かれるようで、その前に再度ご来店頂きました。
2日に亘り2度までも足を運んで頂く事にとても恐縮を致しました。
ご来店されると、お話が有った通り何やら袋から取り出されました。それは何と「辨天娘」の手拭創業100周年を記念してこの度お造りになられたようです。それに何とMキャプテン・S賊殿の分まで・・・・ご覧の通りとても可愛らしいセンスのいい手拭です。大事に使わせて頂こうと思って居ります。しかしMキャプテンとS賊殿にも手拭をお渡しになったのは、これを持って次の仕込みの時に手伝いに来て下さいという事なのか・・・まっ・・手拭を貰っても貰わなくても次回の仕込みの時も、このお二人はお出でに成るでしょうが・・・・。
来年の2月はこの手拭を身に付けて作業3人のレポートが書ける事と思います。(笑)

追伸:最近、当店は陽子嬢に続き女性蔵関係のご来店が続きます・・・。20日には出雲の国よりあの女性がご来店。次回のブログにて・・・・。



限定・山陰東郷

2009-06-18 16:35:49 | 日本酒
今年3月、鳥取県湯梨浜の「東郷」(福羅酒造)20BYの入荷の商品(にごり酒や生もと・山廃の生酒を中心に)本ブログでご紹介致しました
今回はその時仕入れた「仕込9号純米火当てにごり酒」の純米原酒酒バージョン(にごりではない)の入荷のお知らせです。
前回もご紹介した通り、福羅酒造さんでは今年度醸造酒(20BY)の「生もと純米」は仕込8号と仕込9号の2本を造られていてそれぞれに個性が異なっています。詳しくは「山陰東郷20BY入荷」ご参照下さい。

今回入荷のものは仕込9号「山陰東郷 無濾過純米原酒20BY」の火当て(熱処理)のものと生酒(非熱処理)の2種類です。

原料米:玉栄たまさかえ 精米歩合:60% 酸度:2.2 アミノ酸度:2.1 アルコール度:18.7 使用酵母:協会7号 

20BYと若いお酒の割りに、円やかな旨味も感じる事が出来ます。確りと骨格の有る味わいと、きりりと存在感の有る酸を感じとても力強い印象で余韻に多少苦味も感じ、キレのよさと旨味がうまくバランスのとれたお酒といえるでしょう。当然お燗にもとても適しています。こういった酒質ですので熟成にはとても適していると思われます。あなただけの特製熟成酒に挑戦されては如何でしょうか

今後、通常の商品は8・9号の仕込みのブレンドに成るようにお聞きしておりますが、今回ご紹介の本商品仕込9号と、もう一つの仕込8号の単独の仕込みの商品(ブレンドではなく単独のもの)は少量の詰め口と成っていており、興味の有る方はお早目にお問い合わせを頂ければと思います。