なにがよくてなにがわるいんだか

最近の、妻の口癖。

自分の中の、価値をはかる基準がふにゃふにゃになってしまった、というのか。

なにがよくて、なにがわるいんだか、わからないんだよね、と。

この間、テレビで、子育てとかひきこもりとかについて、わいわいがやがや、やってたけど。

電車の中で、化粧するのはいけないって、おじさんたち、いうんだよね。

あれって、いけないの？、と。

そういえば、子供の頃、バスにのっていると、おばあちゃんが、バスのほうに向かって、お尻をペロッとまくって、おしっこしてたっけな。

女のタチションベン、というやつだね。

あれ、いけないのかな。

そのテレビのなかで、電車で、ヘッドホンからもれてくる音がうるさい、って、怒っていた人がいたんけど、その人のところに携帯がかかってきて、大きな声で話してたんだって。

そりゃ、たけしのできの悪いコントだよな。

いずれにしても、なにがよくてなにがわるいんだかわからない、って、いいことだよな。

人間て、思い込みの総合商社、というか、デパートというか、だから、それから自由になるには、大切なプロセスなのかもしれないね。

あれ、ってなに？

昔お世話になっていた会社で。

購買の担当者の先輩に、社長が言う。

あれ、どうなってる？

すると、担当者は、あれはあれしておきましたから。

この話では、妻とよく笑ったものだ。

あれ、ってなに？と。

あれ、で、よくわかるよね、ふたりとも。

って、他人事のように、笑っていたんだけど、けっこうこういう事って、多いよね。

靴の上から、痒いところを掻く、というか、空手の寸止め、みたいなもので、肝心な部分をさけて、お互いに、きずつかないでいよう、という暗黙の了解。