今日、14日は、歌舞伎座第三部、玉三郎と、中車の、瞼の母を見てきました。今年一年、長谷川伸の、作品は、複数回、上演され、見てきていますが、これが、一番でしたね。さすがの、お二人ですし、助演陣もお見事でした。
特に、母を探す主人公の前に現れる三人の労助役が臣とでした。
最初に現れる萬次郎は、常に主役を張る人だから、上手なのが当たり前として、
二番目に現れた、こじきに近い、立場での、三味線弾きを演じた【玉郎(たまお)】が、昭和52年卒の、国立劇場けんしゅうしょ卒なのに、上手でした。この人は親が歌舞伎俳優ではないのですが、若いのに、頑張っていますね。プログラムには、【老婆】とだけあるやくですが、
主人公、番場の忠太郎が、『この人が母ではなかろうか?と、心配しつつ、助けてあげる、老婆です。
次に、夜鷹(町で、立って、客引きをする娼婦)の役をやっている歌女之丞、・・・・・この人は、けんしゅうしょ出身なのに、すでに幹部になっているので、上手な人なのでしょう。ところで、夜鷹と言えば・・・・・可哀想な東電OLのWさんが、慶応大学卒で、エリートサラリーマンなのに、渋谷・円山町で、男を誘っていたという、話を思い出します・・・・・Wさんは、母親との関係が悪かったそうですね。母親は、妹ばかり偏愛をしていたらしい。で、娘が、がりがりにやせていて、夕食も食べないし、夜遅く帰って来るのにも、心配してあげる母としての、義務を放り出していたのです。まあ、労働をケチって居たわけですが、最終的に、殺された長女によって、自分の人生も、偏愛していた方の、次女の人生もずたずたになったというわけです。
新作歌舞伎は、終わる処で、・・みえ・・がないので、私は、どうも、落ち着かない。それは、西洋演劇の、過剰な取り込みではないかと、以前言っています(後注1)
が、今回は、それが、受け入れられ易かったですよ。つまり、非常に緊密に、時間が推移したので、見栄が無くて、ただ、フェイドアウトで、暗くなる幕切れを、許容で来たというわけです。
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後注1、
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