AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

星ひとつない、聖なる闇

2017年02月06日 | プログレッシヴ草稿
グレッグの次はウェットンもかよ!!

なんなんだ?
あの世のプログレ界で、腕利きのメンバー集めて壮大なスーパープログレバンドプロジェクトでも推進してるのか?
にしてはベーシストに偏っている気もするが・・・


それにしても、プログレファン、いや、ロックファンにとって、ジョン・ウェットン逝去による喪失感は計り知れないものがあると思う。
なんせこの人、節操がないくらいあらゆるバンドを渡り歩いてきた引っ張りダコミュージシャンだからね。

KING CRIMSON、UK、ASIAはもちろんのこと、FAMILY、BRYAN FERRY、とまぁこのへんまではわかる。
WISHBONE ASHとかURIAH HEEPとかになってくると、この人単なる誘われたら断れないいい人ミュージシャンとしか思えないんよね。

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だから、プログレ好きならジョン参加の作品はかなりの枚数所持してると思うし、その周辺のブリティッシュロック好きもウェットンのベースはよく耳にしてると思うんだ。
まぁ私なんかは追求しきれてないとはいえ、クリムゾン作品をまぁまぁ蒐集してるから、関わりが多いのは必然になってくる。




私がジョン・ウェットンの音楽に最初に触れたのは、やっぱりエイジア。
姉が2nd『Alpha』のLPを持っていたので。
まぁ80'sポップ真っ盛りの頃だったとはいえ、ウェットンのさわやかポップな楽曲は生意気盛りな小学生の私の感性にはあまり響いてこなかった。
それにこのころはジョン・ウェットンの存在なんてまだ知らないしね。

私がウェットンが関わってる音楽に興味持ち出したのは、やはりキング・クリムゾン在籍時の作品。
高校の時、『宮殿』でクリムゾンにウワァーーッ!!っと目覚めて次に購入したのが『太陽と戦慄』だった。
ただ、ウェットンの抒情的な歌が数曲入ってるとはいえ、このあまりにアヴァンギャルドで破壊的な内容の作品を聴いて、私はこの歌とベースを担当してるのが、あの小学生の時聴いたエイジアで歌っている人と同一人物であることにまだ気づかないでいた。
その後、『RED』とUKの『憂国の四士』はたぶん同じ時期に聴いたように思うが、どっちが先だったかは記憶が曖昧。
ただ、UKを聴いて、私はようやくジョン・ウェットンなる人物が、実はプログレ界でかなり重要な人物であるということに気づきはじめるのである。


ジョン・ウェットンは、優れたベースプレイヤーとしての側面、甘い歌声とメロディーメイカーとしての側面と、評価する所は人それぞれだと思う。
まぁこんなこと言ったらまたいつかの記事へのコメントみたいに「耳の腐った変人め!!」などとプチ炎上するかもしれないが、UKの時点で既に思ってたんだが、ウェットンはベース弾くついでにヴォーカルを無難にこなす適任者って感じで、時折歌い方によっては「ダサいな」と思う瞬間も否めない。
まぁUKは超がつくスーパーバンドの形態で、複雑な楽曲の中でもウェットンのメロディーメイカーとしての役割がバランス良く機能していたし、「瞑想療法」などで聴かせる流麗なベースワークも耳を惹くものがある。
イエス、ELP、クリムゾンのメンバーが大集結したエイジアもスーパーバンドの様相を呈してはいるが、UKとは随分事情が違っていてウェットンのポップシンガーとしての側面が前面に出てしまって、どうも私の感性にはピンとくるものがない。
だから、ソロ作品など、ウェットン色の強そうなアルバムには全くといっていいほど手をつけてこなかった。

それでも一度くらいはエイジアのライブに行くべきだったと思う。
メンバーが在籍してたバンドの持ち曲をけっこう披露してくれてたみたいだし、ウェットンはもちろんクリムゾン、UKの名曲の数々を披露したとか。
一度でいいからウェットンの歌う「Starless」を生で聴きたかった・・・・・

思えば5年前、あの3人が奇跡的に再集結したトリオUK大阪公演が、ウェットンの生の姿を見た最初で最後のライブとなってしまった。
まぁ、テリーがあのドラムセットを持ち込んだせいで、ウェットンの演奏がイマイチ印象に残ってないのだが、あの甘い歌声がほとんど衰えてなかったことは覚えている。
とにかくあのライブを見れたことはほんとラッキーだった。




個人的には、やはりウェットンを一番魅力的に感じれるのは、クリムゾンにいた時。
まぁこのバンドでやっていくには、そうとうの精神力が必要になってくるので、誰もが“漢”になるんだよね。
ウェットン自身も、1974年のニューヨークのセントラル・パークでのライブを思い起こし、「エイジアでの活動やその他のすべてのものは、ただ僕の成功を決定づけたものにすぎない。あのギグはたった一つのものだ。」と、クリムゾンが自分のキャリアの中でもっとも重要な意味を持っていたということを認めている。
まぁエイジアの頃とは考えられないくらいベースがガリガリと唸っているもんね。


そして、なによりも70'sクリムゾンの終焉を想わせる「Starless」の、あの沈鬱で深遠なる哀愁の歌メロを思いついたウェットンのメロディーメイカーとしての資質は、やはり天才的と言いうほかないのである。


もう涙なくして聴けないよね。



今日の1曲:『Starless』/ King Crimson

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