AMASHINと戦慄

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さいなら平成 ~あま選平成邦楽名鑑~ その1

2019年04月21日 | まったり邦楽
もういくつ寝ると、平成も終わっちゃいますね。
そこで先々月くらいにふとメチャクチャ面倒くさくしんどい企画を思いついちゃったんですけど。

自分的平成邦楽ベスト30選とかいうの。

新譜を全然購入しなくなって、5枚すら選ぶことにも無理が生じて毎年やってた『AMASHINレコード大賞』もやめてしまって、こういう企画は楽しいけど面倒くさくって全然やってなかったので、元号が変わる節目としてやってみるのもおもしろいんじゃないかと。つかもうこれは義務感ですね。

まぁ大半が本ブログで紹介したことのある作品になってしまうと思われるので、文章の方は同じこと言うてるやんけってなるかもしれませんが、まぁ今に始まったことじゃないので。

平成の30年の間にリリースされたアルバムということで30枚選出しようかと思います。
日本の元号くくりなので邦楽のみで。
何位とかは付けてません。一応リリース年代順で。
上原ひろみとかKUNIなどの、半分以上外人のミュージシャンが混じってるような国際的なアーティストの作品は断腸の思いで外させていただきました。

まぁ、私が邦楽をよく聴きだしたのは20世紀も末期の頃で、90年代のはじめの頃は、まだまだ洋楽至上主義のクソメタル野郎だったので、邦楽というものをほとんど聴いてなかったんですよね。
バンドブームでうじゃうじゃ出てきた日本のバンドなんかも全然聴いてなかったし。

そんな私の選ぶ30選なものだから、時代によってだいぶ偏りがありますし、一応同じ名義のアーティストの作品を選ばないというルールで選出したものだから、絞り出すのにけっこう苦戦いたしました。
まぁこの30年間邦楽全然聴けてなかったんやなぁと痛感させられたしだいであります。

90年代初頭にも自分が知らないだけでまだ出会ってない素晴らしい邦楽アルバムがたくさんあるかと思われます。
でも全てのアルバムを聴くなんてことはまぁ誰だって不可能なことだと思うんで、「あの名作が入ってないなんて、コイツ全然音楽を知らないなぁ」って思いつつもどうか許してやってくださいマンモス。


1.『Incompetent...』 / DOOM(1989)


アヴァンギャルドにして粘着質な曲展開・・・
DOOMサウンドのこの異質なる陶酔感は、人間の心の奥底に潜むヌラヌラとした変態嗜好を呼び覚ましてやまない。
「I Can't Go Back To Myself」の間奏における諸田コウ氏(RIP)の驚異的なフレットレスベースワークは、平成史に残る(まぁ平成史どころじゃないけど)至極の名演。


2. 『MOTAL DAYS』/ SHELLSHOCK(1989)


演奏、サウンド共にとてもチープだが、各楽曲がとてもシッカリしていてデキがよく、AKIRA氏のトンがっていてドスのきいたVoが素晴らしい。
ピュアなスラッシュサウンドを奏でた良質なスラッシュメタルアルバムとして、OUTRAGEの初期作品と並び称賛されるべき一枚。
まぁこの作品以降のバンドのブレまくりぶりは残念というほかないが。


3.『禊』 / GARGOYLE(1989)


見た目は様子のおかしいヴィジュアル系だが、和性色の強いまぁ変わったメタルバンド。
屍忌蛇のメロウで流麗なギターワークは絶品。そしてザ・クロマニョンズのドラマーとして出世した抜けのいい音を叩き出すKatsujiのドラミングといい、演奏面での実力のほどはこのインディーズの頃から顕著。
そこに和太鼓やらストリングスやらサックスやら女性コーラスなどを挿入するといった1stにしてとても創作性に溢れた作品。
変な歌詞を含め、全てにおいてクセが強すぎるが非常におもしろい。


4.『猫のテブクロ』 / 筋肉少女帯(1989)


筋少は鬼才三柴江戸蔵が在籍していた昭和期の作品が断然好きだが、私が最初筋少に衝撃を受けたのは、三柴の入れ替わりで加入した元AROUGEのギタリスト橘高の色が全面に出たメタル体制になってから。
ただ、いくらメタル好きでも、プログレ好きでも、筋少の音楽にハマるハマらないかは、その人の持つ素養に関係しているかと。
筋少の作品は、大槻ケンヂの物語るカルト的で文学的な詩世界、そのコンセプトが大きく音楽に反映しており、その世界観を汲み取り、卓越した演奏者たちが演出、アレンジを加えて見事な物語を紡ぎだしている。
橘高がもし筋少に加入せず、普通のジャパメタバンドをやっていたら(最初誘われた時は「なんで俺が筋少に入らなきゃならないんだ!」と思ったらしい)、おそらく彼はここまでアレンジャーとして大成しなかったと思う。


5. 『人間失格』 / 人間椅子(1990)


元来ジャパメタというものにほとんど惹かれたためしがなくて、メタルを日本語で歌うことのダサさ、オリジナル性や音の弱さ、洋メタルに追いつこうとしてる空しいあがきと劣等感・・・・
それをすべて払拭してくれたのが、まさかのイカ天出身バンドの人間椅子だった。
まぁこれは青森県出身という彼らの生まれそだった環境、サバス、ツェッペリン、クリムゾンなどの70年代HR嗜好、そして和嶋氏の文学への造詣の深さが絶妙な化学反応をきたした特異な産物。
それにしても、平成の時代に1stにおけるこの古々しさとこもりサウンドは、故意とはいえ常軌を逸していた。


6.『What's The Truth?』 / SxOxB(1990)


約4年前に、世の中を震撼させた元兵庫県議会の某議員による笑撃の号泣記者会見を覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
あの某議員の盲滅法わめき散らす異常な記者会見は、不快というよりむしろ痛快さを覚えた方がほとんどだったのではないだろうか。
約30年前にすでにそのスタイルを打ち出し、世界中を震撼させたのが、グラインド・コアというジャンルを確立させた日本のSxOxBだった。
このSxOxBの極限まで突き詰めた音楽性とTOTTSUAN(RIP)のVoスタイルは、Napalm Death、Brutal Truth、Carcass、ジョン・ゾーンらに多大なる影響を及ぼした。


7.『VITAMIN』 / 電気グルーヴ(1993)


マトモとオフザケをゴチャマゼにした捉えどころのない極上の倒錯的音遊び。それが電気グルーヴの魅力だと思う。
彼らは間違っていない。音を思いっきり楽しんでいる。聴き手もそれを楽しんでいる。
いろんな意味でオモシロイことをやるのが彼らのスタイルで、そういう意味では彼らはブレているようでブレてない。
で、本作はマトモじゃないようでけっこうマトモだったりする。


8. 『セシルのブルース』/ 小島麻由美(1995)


ある日訪れた大阪のヴィレヴァンの音楽コーナーのBGMで流れてて一瞬で小島さんのガーリーな歌声に魅了されたのを今でも覚えている。
やっているのはレトロでオシャレなガールズロック、でもどこかぶっとんでいて異常、それでいてとってもピュア。
当時の退屈な日本の音楽シーンにおけるフラストレーションが一気に爆発したような小島さんの突き抜けたスキャットが絶品。


9. 『地球寄生人』/ SUPER JUNKY MONKEY(1996)


男優勢の当時の日本ハードコアシーンにおいて、唯一ハマったのがこの女性のみによって編成されたSUPER JUNKY MONKEY。
スラップバキバキのファンキーさや、ディレイがかったサイケ感溢れるギターワークなど、当時のクロスオーヴァーの時流にうまくのっかった一工夫も二工夫もある粒揃いの楽曲と、ガールズバンドならではのウキャウキャしたノリが、ただドス声かましてトンがってるだけの男のハードコアバンドとは一線を画していた。
睦(RIP)のVoスタイルは林檎とかにも影響を与えていたのではないだろうか。


10. 『Viva! La Woman』/ CIBO MATTO(1996)


バイリンガルなミホ&ユカによるガールズオルタナユニットCIBO MATTOによるサイケデリック、ヒップホップ、パンクと、雑食系のふたりの食いしん坊ぶりが炸裂したデビュー作。
非常にゴッタ煮感の強い混沌とした作品だが、それを彼女らのセンスと遊び心でオシャレにまとめている。
とにかくミホちゃんのキュートでぶっとんだラップが最高。


という感じで、とりあえず10枚まで。
なので3回に分けて発表していきますんで、乞うご期待。

ボツ画像



今日の1曲:『ツルっとフランス子守歌』/ ペダル踏弥
コメント (6)
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