AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

人殺し

2015年11月23日 | 本わか図書室
Perfume今年は結成15周年ということで、武道館4日連続公演や、現在東宝系列で上映されているドキュメンタリー映画『We are Perfume!』など、大いに盛り上げてるみたいで。
先月などはアメトーークで「Perfumeすごいぞ芸人」というテーマで取り上げられ、掟ポルシェ氏などが久方ぶりに全国テレビに出演して(誰も知らんやろな)Perfumeについて大いに囃したてていた。

そんな折りに先月本書が刊行されたので、Perfumeの写真集をブックオフで立ち読みしてもピンとこなかった私が初めて彼女たちの書籍に手を出した。
どうせなら会場限定版が欲しいと思ったが、今回のツアーは関西とばしなので諦めていたところネット通販でなんぼでも購入できることに気づき、DOME TOURの時サイズ切れで買えなかったTシャツと共にさっそく取り寄せた。

まぁ送料うかすためにこんなもんまで購入してしまったが。



本書は、帯見てもろたらわかるように、サブカル(2)週刊誌『TV Bros.』で8年にわたって現在も連載中のPerfume3人のコラム「たちまち、語リンピックせん?」を単行本化したもの。
なかなかのボリュームで、その内容量はおそるべき禁断の書『ネクロノミコン』にも匹敵する。


ブレイクし出してからのPerfumeの8年間の全活動記録を網羅したといってもいい本書。
まぁ、ツアーの裏話、PV、レコーディング制作秘話の他、彼女たちの今ハマってるものや、最近の出来事など、彼女たち特有のゆる~いノリで女子会よろしくしゃべくりあっている他愛もない会話文をちくいち読んでられないってのが正直なところだが、本書で初に明かされた連載タイトルの誕生秘話を読むと、「たちまち、語リンピックせん?」というのは広島弁と彼女たちが高校生のときの会話で生まれた造語をくっつけたもので、訳すと「とりあえず、おしゃべりしない?」という意味らしく、このコラムはもともとそういう趣旨で連載されたもので、小学生のスクール時代からの幼馴染同志ならではのタイトルの決め方でいかにもPerufmeらしい。

いろんな著名人との対談は興味深かった。
まず、Perfumeをインディーズ時代からサポートしていたという掟ポルシェ氏との対談。
何を隠そう、掟氏はまだ売れてない頃のPerfumeをブロスに紹介した張本人だとか。
担当編集者にPerfumeってアイドルがCD出したんで取り上げてもらえないかと交渉したところ、「その人たちのことよく知らないからとりあえずCD送ってくれ」って、最初躊躇されたとか。当時はアイドルってだけでなんか構えられたらしい。
そこで送ったところ、翌日「CD良かったんで2ページインタビューしましょう」ってあっさりOKが出たとか。
(その時のインタビュー記事も本書の冒頭に掲載)
本書が刊行されたのは、まさに掟氏の功績といっても過言ではないだろう。
掟氏企画のトークイベントでPerfumeがゲストで出たときの一般常識クイズコーナーで、掟氏が「格闘家の大山倍達といえば、○○殺し?」て問題出したら、かしゆかが真面目に「人殺し」って答えたエピソードは笑えた。

そんな黎明期の天然Perfumeのことまで長年の付き合いで知りつくしている掟氏。
最近はひとり打ち込みデスメタルソロプロジェクト「ド・ロドロシテル」を立ち上げ、人間椅子、DOOMとも共演を果たしている。



あとはやはり、ライブでは名前コールで盛り上がる鉄板のジューシー・フルーツのヒットナンバー「ジェニーはご機嫌ななめ」を作曲した近田春夫氏との対談。
やはり音楽的な話が中心でおもしろいのだ。
テクノという音楽がJ-POPとして成り立つというPerfumeの楽曲の妙とか、とにかく中田氏のことを作曲家としてかなり評価していた。
近田氏はPerfumeの音楽をまだ知らなかった頃に、ある日ラジオで「チョコレイト・ディスコ」が流れてるのを耳にして「これどこの国の音楽だろう」と思ったらしい。
中田氏について、ヴィジュアルを見ると結構自意識あるように見えるけど、音を聴いててこの人は「俺ってすごいでしょ」っていう押しつけがましさがなくって、そこがいいんだとか。

空耳アワーでも共演してる4者。こうやって並んで見るとただのスケベオヤジにしか見えない。



やはりブレイクし出した2007~2008年頃の記事が興味深い。
私はあの頃まだ音源もレンタルで済ませていて、Perfume3人の動向なんかもほとんど関知してなかったので。
アルバム『GAME』を3人が解説してる記事があって、個人的に好きな「Take Me Take Me」について、その曲の歌詞の短さと繰り返しに対し「中田さん(作詞作業から)逃げちゃったのかなー」って。冗談だとは思うが。

中田氏の『GAME』制作時における短い貴重なインタビュー記事も掲載されていて、そこで中田氏は歌詞に対する姿勢を語っている。

「歌詞をこんな内容にしようって作り始めることはまずありません。一番優先するのは良いメロディーを構成する要素としての言葉選び。合う言葉が見つかればそれをキーワードに文章ができてくる、という感じです。
僕が歌詞をあんまり重要視してないと思っている人も多いと思いますが、それは詞のストーリーとしてはそうかもしれません。が、歌詞はメロディーそのものの響きに深く影響するので、重要な要素だと思って作っています。」

聞きたくもない個人の恋愛体験をまくしたててるだけの押しつけがましい熱唱系のJ-POPソングとは真逆の論理といっていい。
まぁ天才じゃないとこういうのなかなかできないと思うけど。


『TV Bros.』の表紙を飾った今までのグラビアが掲載されているのもいいね。
なんや、今人気絶頂のメタルアイドルの前に、7年前すでにこのポーズやってたんや。
こんなとこまで手本にしてるんかいのー



表紙カヴァーをひっぺがすとわけのわからん構図が。
なんの冗談かと思ったら、撮影した公園の顔ハメパネルか・・・



今日の1曲:『ジェニーはご機嫌ななめ』/ Perfume
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする