30日はワーナーマイカルお客様感謝デー映画1000円ということで、本年度ゴールデングローブ賞作品賞受賞の話題作『バベル』でも見ようかと。
混雑を予想して前日e席リザーブを初めて利用、上映15分前に家を出て悠々と徒歩で映画館に赴きました。
アメリカからはブラピ、ケイト・ブランシェット、メキシコからはガエル・ガルシア・ベルナル、そして我らが日本からは役所宏司、菊地凛子という、世界中からの名だたる俳優陣を結集させた壮大なスケールのこの作品。
まぁ最初は旅費がメッチャかかってそうやなぁという印象でした。モロッコ、アメリカ、日本、メキシコと舞台が入れ替わり立ち代りし、それぞれ全く別々のストーリーが展開されていくという。
これが最終的にはどういう流れで繋がってゆくのかなぁ~と期待しておったのですが、「は?これで終わり?」という感じで映画が完結してしまい、もう見事にズッコかされました。
このアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥという一生覚えられそうもない名前の監督の作品は以前『アモーレス・ペロス』というメキシコ映画を見てかなり面白かったのでちょっと注目していたのですが、今回の作品もこの『アモーレス・ペロス』と構成は似ておりました。
一作品の中で全然別々のストーリーが展開していき、それぞれの話に登場する人物が実はどっかで繋がっているというやつ。
数年前この監督の作品で『21グラム』というのを見たのですが、ストーリー展開の陰気臭い雰囲気はこの映画そのものでした。
一発の弾丸が元で遥か遠くの国に住んでる家族に影響を及ぼすという、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいなバタフライ効果を取り入れ、苦悩する家族の絆みたいなのを表現したかったのだろうが、あまりにもそれぞれのストーリーにヒネリがないというか、印象が薄すぎる。
まぁ日本人としては自ずと役所さんと菊地さんの話に注目してしまうわけですが、役所さんの登場シーンは殆どなくて、菊池さんはすぐにパンツを脱ぐ不敏な痴女子高生というかなり痛い役柄でドン引きしっぱなしだった。
アカデミー助演女優賞にノミネートされたのは、あの衝撃のヌードシーンによるところが大きいかったのかなぁ。
あの衝撃シーンの時に、私の3つぐらい横の席で「ええっ!!」と思わず感嘆の声を上げてしまっている感情移入しすぎな客はおもろかったけど。おそらくその人には刺激が強すぎたのでしょうね。
しかし、私の目がやられたのは菊地凛子の眩しいヌードのせいではありませんでした。
鑑賞している最中、私自身も少し視神経に違和感があったのですが、その時は単なる体調不良のせいだと思っておったのです。
で、私の横の客が堪えられへんという感じで席を立ち、一目散に外に駆け出していくという行為を2回繰り返しておったのですが、まぁそれもトイレが近い年寄りやなぁぐらいにしか思っておりませんでした。
ところが家に帰ってテレビをつけてみると、名古屋で『バベル』を鑑賞した客が照明がチカチカするシーンで気分が悪くなった者が続出していたというニュースが報じられておったのです。
とんだピカチュウ映画でした。
オススメ度:★★
今日の1曲:『THROUGH EYES OF GLASS』/ FORBIDDEN