AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

復習

2018年02月07日 | やっぱりメタル!!
ひき続き、TANKARDについて。

タンカードと言えば、私が中学から高校にかけて夢中になったジャーマンスラッシュメタルバンド。
まぁだいたいデストラクションと同時期くらいで、ソドムやクリエーターよりも聴くのは早かった。
だから、ベストを含む初期の作品はだいたいアナログで買いそろえてた。




上の作品以降は全くといっていいほどタンカードの作品を聴いてこなかった薄情すぎる私ですが、10代の頃はそれなりにタンカード愛に溢れていたんだってことがこれでわかっていただけたかと。

これらの中でも、とりわけよく聴いてたのが3rd『The Morning After』であったかと。
まぁ、のっけからスタスタスタスタと勢いで突っ走るノリ、そしてどうでもいいギターソロがひっきりなしに繰り返されるパターンは、先の2作となんら変わらないんであるが、所々にユニークなアクセント(カウベルなど)や曲展開を挿入するなどして、ほんとうにほんのわずかだが、それなりに幅の広がりを見せている。
オリヴァーのドラミングもさらに強靭になっており、特にグラインドナンバー「Mon Cheri」でのブラストは強烈である。
で、この作品が好きなあまりというわけでもないんだが、アナログを含め同じものを4枚も所持してるってのは、どうかしてると思われるかもしれない。
『クリムゾン・キングの宮殿』じゃないんだから。


まず、アナログプレーヤーが使えなくなって多分どっかの中古屋で買ったCD。
まだドイツが東西に分かれていた時代にプレスされた旧規格の西ドイツ盤。



『The Morning After』と『Alien』のカップリング2 in 1CD。
こいつはつかまされたって感じ。商品届いた時、やけにジャケットの印刷が薄いなぁと訝しげに思ったんだが・・・
リマスターって書いてあったから購入したのに、音のレベルが旧盤と全く変わらず。



先月TTF主催者のレコード店ROCK STAKKがバンド直で仕入れたデジ仕様の最新リマスター盤。
うん、今度こそ間違いなくリマスター!
ただ、今回はムダに『The Morning After』と『Alien』のディスクが分けられてある。
いや、そこはひとつにまとめといてよ!かさばるし、資源がもったいないから!



まぁでも、ライブでこのアルバムから演奏されるのは、おそらくタイトル曲くらい(だいたい最近のセトリみてたら初期作品はいずれもタイトル曲くらいしか演ってないからなぁ)。
初期作品はタイトル曲以外にいい曲いっぱいあるんやけどなぁ・・・

まぁ言うてもしゃーないけどね。




今日の1曲:『The Morning After』/ Tankard
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予習

2018年02月04日 | やっぱりメタル!!
大阪名物TTF開催まで、あと一週間を切っちゃいましたね。

懸念してた通り、TANKARDの出演する最終日はソールドアウト。
さすが大御所メジャースラッシュメタルバンド。動員力が違う。
いやいや、あの狭いハコに日本中、いや世界中のタンカードフリークどもが駆けつけるとなると、こりゃめちゃめちゃモッシュやりにくくなりまっせ。
かつてのS.O.D.初来日公演ときみたいに、ギュウギュウ詰めの肉弾戦になりそうで今からちょっと憂欝。




それにしても、タンカードは今までアルバムを出し過ぎている。
昨年もバンド結成35周年記念アルバム『ONE FOOT IN THE GRAVE』(17作目)をリリースしているので、一応購入しときました(もう全部は無理)。
タンカードの新作を買ったのは、実に30年振りくらいになるだろうか?

ジャケットには相も変わらず酒を携えたマスコットのエイリアンが登場していて、その音楽の方向性にいささかのブレも進歩もないことを如実に窺わせている。
ただ、オリジナルメンバーは、現在ボーカルのゲレとベースのフランクのみ。
スコットは短髪(普通のオッサン)に、ゲレは昔の3倍くらいに膨れ上がってしまった。まぁもちろんビールの飲みすぎであろう。




新作『ONE FOOT IN THE GRAVE』は相も変わらずのタンカードらしいスラッシーな内容。
ただ、演奏力が昔と比べていたって落ち着きが備わり、なんだか丸いサウンドになってしまった。
当時はどうでもいいデタラメなギターソロがひっきりなしに鳴りまくっていたが、現在のギタリストはいたってメロディアス。
楽曲全体もゲレの歌もなんだかやけにキャッチーになってしまった。
そして、曲の間中だいたい鳴っているツーバスのサウンドがやたら耳触り。
タンカードはやっぱスタスタじゃないとねぇ。





今日の1曲:『One Foot In The Grave』/ TANKARD
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い・け・に・え!

2018年01月28日 | やっぱりメタル!!
さて、大阪名物TTFもいよいよ2週間後に迫りました。
まぁ私はいわゆるマニアではないハンパなスラッシャーなので、TANKARDの出演する最終日だけ見れりゃいいやと思っていたのですが、ムラムラと1日目も参加しちゃろうかという気になりまして、チケットの方確保してまいました。

10周年の豪華面子。3日間行く人身体もつんかいな。



一日目の個人的大本命は、なんつってもSACRIFICE。
SACRIFICEつっても、彼らが世に出てきた80年代の同じ頃に、日本にも同姓同名のSACRIFICEっつースラッシュメタルバンドが存在していてややこしいのだが、今回TTFに出演するのはカナダのバンドの方。




彼らの名作といえば、よくわからない魑魅魍魎なカヴァーイラスト(なんか烏天狗とかおる)が印象的な2nd『Forward To Termination』(1987)といってほぼ間違いないだろう。
音質はかなりチープ。演奏力事体はまだ発展途上の段階で、それゆえガムシャラに疾走するパターンが多く、スローダウンするととたんにドラムのリズムが怪しくなるといったこの時代ならではのハードコアパンク成分濃いめのスラッシュメタルを展開している。
ギターヴォーカルのロブは苦虫を噛み潰したようなダミ声で歌い、最終的にはヒステリックに雄叫びを挙げるという定番のスタイル。
楽曲はそれぞれ特色をしっかりと持った良スラッシュナンバーが揃っており、モッシュにはもってこいのツボをおさえた展開も十二分に備えている。
これらのことをひっくるめて、つまるところ、理想的で丁度いいB級グルメなスラッシュアルバムなのである。


で、時勢に逆らえず、90年代なかばに消滅してしまったSACRIFICEであるが、なんの気まぐれか、2009年にオリジナルメンバーで再結成、16年振りにアルバムも制作している。
まぁとりあえず購入したのだが、当時これを聴いたときはかなり落胆させられたのを覚えている。
ホンマに同じメンバーか?ほとんど別バンドやんけ!と。
ちなみにメンバーの容姿も現在のArtilleryのスタッツァー兄弟と同じ運命をたどっている。



決して悪い作品ではない。演奏レベルが格段にアップしており、サウンドも分厚く最近の若いスラッシュメタルバンドとも十二分にタメを張れるレベルである。
初期の頃のようなパンキッシュな部分は鳴りを潜め、モダンにしてゴリゴリでザックザクのリフ、そしてヴォーカルのロブの声がものすごくイカつくなってしまった(ほぼガテラル)。

まぁそりゃ彼らも長年バンドやってりゃ(やってたのか?)巧くなるだろうし、機材やレコーディング環境も昔と比べようもないくらいハイスペックになってるから仕方のないことなのだが。
それを昔のようなチープでシャリシャリな感じでって言う方が無理があるよな。
彼らだって当時、なにも好き好んで劣悪な環境でレコーディングしてたわけじゃないだろうし、その時持てる演奏レベルでレコード作ってたんだから。
ただ、なんか楽曲がつまらない。音がカチっとしすぎててサウンドがゴリゴリで、それが逆に発想の枯渇をごまかしてるような・・・
メタルコアみたいなジャケットも気に入らない。


今回のTTF、2Days出演のバンドはどっちか一日スペシャルなセットでやってくれるとのこと。
まぁなんかのアルバム完全再現みたいなことと思われるが、SACRIFICEは是非2nd完全再現で!




今日の1曲:『Terror Strikes』/ Sacrifice
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青春スラッシュ(SANITARIUM)

2017年12月29日 | やっぱりメタル!!
早いもので、今年も残すところあと3日。

この一年間、世間を賑わせた様々な事がございましたね。
相撲界の暴力沙汰騒動や、北朝鮮のミサイル問題にこのハゲーーーーっ!!と。

そして、メタル好きとして知られるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が訪問先のデンマークで、宮殿で行われた公式訪問の際、同国のラース・ロッケ・ラスムセン首相からサプライズでメタリカの『MASTER OF PUPPETS』デラックス・ボックスをプレゼントされたという、大変微笑ましいエピソードも今年の印象深いニュースのひとつ。

「あとで、アーティレリーもお渡ししますね」と、ラスムセン首相。



そう、今年はあのメタリカの究極のモンスターアルバム『MASTER OF PUPPETS』が発売されてから丁度30周年(と思ったら31年だった)。
今月、各メタル雑誌でもこのアルバムの特集が大々的に組まれている。


このアルバムは確かに当時、メタル界を大いに揺るがす衝撃をもって世に放たれた。
そして、この私もリアルタイムでその衝撃を受けた者のひとりであり、それまでの私のメタル嗜好(といってもまだメタル歴一年くらいだったが)をガラリと路線変更させた一枚であった。

メタリカに出会う以前は、ナイトレンジャー、モトリー・クルー、アクセプト、イングベイ、リジー・ボーデン、そしてアイアン・メイデンなど、いわゆる正統派というか、妙に色とりどりな、今思うとキテレツ極まりない派手な衣装に身をつつみ、ヴォーカルはだいたいハイトーンっていう王道のメタルバンドを聴いていた。そういうメタルが常識だったし、それがカッコいいと思っていた。

だが、ある日突然ラジオから流れてきたメタリカの「Master of Puppets」は、そんな常識をいとも簡単に打ち砕いてしまった。
ザクザクと刻まれるリフの応酬、吐き捨てるようなヴォーカル(といっても、この頃のジェームズの声にはもうすでに整合感が備わってきていたが)、曲展開の激しさ、そして長尺!
それまで8分超えの曲なんてあまり聴いたことなかったから、当時の私としてはとんでもないものを聴いているような気がした。

Metallica-Master Of Puppets (Lyrics)



この作品は、「Battery」や「Disposable Heroes」などのスピード感溢れるキラーリフに満ち溢れた楽曲群の秀逸さもあるが、バラード「Welcome Home」やタイトル曲、そして故クリフ・バートンが作曲の大半を担った遺作ともいうべき長編のインスト曲「Orion」に見られる整合感と知性に溢れる楽曲が含まれていることが、以前は「うるさいだけ」「速いだけ」と、メタリカやその辺のスラッシュを蔑んでいた者を振り向かせたという点で、大変な偉業を成し得た作品といえよう。
煌びやかで華やかなメタルバンドが幅を聴かせていたアメリカで、NWBOHMに影響を受け、決してイケメンじゃない普段着を着た連中がアンダーグラウンドでシコシコやっていた過激なスラッシュバンドが、PVの力も借りず(MTV全盛期の当時としては異例)実力だけでスターダムにのし上がったのである。

コスチュームでない彼らのファッションセンスも、当時メタルの常識を真っ向から覆した。



デニム&レザー。クリフのジージャンにベルボトム姿も印象的だった。



『MASTER OF PUPPETS』は、凄まじい猛威をふるって全世界に波及した。
いわゆるスラッシュメタルムーブメントが勃発したのである。これはもはや社会現象といってもよかった。
その影響力は凄まじく、私が通っていた京都南部の田舎の中学校にまで及んだのである。
私の周りではわりとメタルが流行ってて、まぁ持ちこんだのはおそらく私だと思われるが、私よりも人望があって影響力のあるやつが他のクラスで広めたといったところだ。
ラジオでメタリカの音源を目の当たりにした私は、さっそくワルツ堂に赴き『メタルマスター』という、カセットテープかみたいなダサい邦題のついたメタリカのレコードを取り寄せた。
そしてさっそくメタル仲間に聴かせたところ、4、5人のやつがやはり共鳴した。ただ、ハマらないやつも何人かいた。
メタリカのサウンドに感じいったものは、それからいわゆるスラッシャーという人種に変貌していって、もっと過激なスラッシュバンドはないかと、互いに競い合うかのように音源漁りに邁進していった。
そこでスラッシュコミュニティみたいなものが形成され、いままで聴いていた産業ロックめいたメタルには見向きもしなくなっていった。
そしてメタル仲間の中で派閥みたいなものができて、論争やケンカにまでは発展しなかったものの、メタル正統派の連中とは自然と付き合いがなくなっていった。

当時私の下敷きにはさんでいたものも、いよいよ過激さを増してゆくのであった。



それから2nd、1stと遡って聴いていって、今となってはその初期3枚の中で3rdはサウンド的に一番もの足りない作品となってしまったが、以降の作品にロクなものがないことからも、まぁ『MASTER OF PUPPETS』ってのはメタリカにとって、これ以上ない頂点に達してしまった作品といったところですわな。


それから歳月は流れ、メタリカのあの印象深いロゴは今じゃブランド、ファッションと化しており、イオンに入店しているような安物のアパレル店で購入したメタリカのロゴの入ったTシャツを着た若者を最近よく見かけます。

そういう若者を見ては、メタリカの音楽と共にスラッシングな青春時代を過ごした最良だった日々が思い出され、ああ、この子たちがせめて『MASTER OF PUPPETS』ぐらいは聴いてて欲しいものだと、思ったり、思わなかったり。




今日の1曲:『Battery』/ METALLICA
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TAKASHIが届いた!

2017年12月16日 | やっぱりメタル!!
へへへ・・・やあ、みんな!

待ちに待った、TAKASHIが届いたぜ!

TAKASHIといえば、昔住んでた家の近所に住んでた毬栗頭のタカシくんのことが思い出される。
ある日タカシくんの家の前を通ったとき、お兄ちゃんと2人で庭で焚き火をしていて、珍しい家庭だなと思って近づいていったのがキッカケで友達になった。
だが、そのタカシくんと今回届いたTAKASHIとはなんの関係もない。

TAKASHIは、アメリカ、ニュー・ヨーク産のツインG.を擁する5人組正統派へヴィ・メタル・バンド。
1983年に彼らが唯一残した4曲入りEP『Kamikaze Killers』。それになんとメタルのコンピレーションアルバムに提供した幻の2曲と、デモ音源とライブ音源が数曲付いてCD化された物が私のもとに届けられたのだ。

これはもはや事件だ!

TAKASHI。このアー写から、計り知れない日本愛が感じられやしないか?!



なんと輸入盤なのに邦題もついてる!
もうこれだけでウェルカムトゥジャパーーーン!!じゃないですか。



ちなみにボーカルのダニー・スタントンは、TAKASHI解散後、NINJAというバンドを組んでいる。


とにかく、TAKASHIはダテじゃない。







今日の1曲:『Kill Or Be Killed』/ TAKASHI
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メタル学部プログレ学科

2017年09月07日 | やっぱりメタル!!
DREAM THEATER(以下ドリムシ)の最高傑作と誉れ高い1992年作の2nd『IMAGES AND WORDS』のことを今更ブログで言及するのは少し恥ずかしい気もするし、ここ数年のドリムシ作品には全く手をつけてない私ではあるが、今週末、本作の25周年記念完全再現ライブを見に行くので、この機会にと思って。


高校時代から浪人時代にかけて、70年代の古典的なプログレッシヴロックに傾倒していた私は、最初ドリムシにはかなり懐疑的な思いを抱いており、手をつけてなかった。
それというのも、その時代に出てた(90年代初頭)プログレッシヴハードロックバンド作品に手を出しては失敗ばっかこいていたからである。
Magellan、Marillion、Watchtower、Thought Industry等・・・、B!誌ではかなり高評価だったが、私の肌には全く合わなかった。
その頃ハマっていたプログレバンドといえば、It BitesとVoivodくらいだったかなぁ。
そして大学に入学し、軽音学部に仮入部した時、最初に私に話しかけてくれた同じ学部のメタラー君がドリムシの『IMAGES AND WORDS』を強く勧めてきたのであった。
他にも、最初に組んだバンドのヴォーカルの奴もこのドリムシの2ndを大絶賛してやまないし、とにかく軽音内のメタラーでドリムシをけなす者は皆無に近かった。
で、偏屈(それほどでもないが)者の私も、とうとう重い腰を上げて、このアルバムを近所の電気屋でその時ハマっていたレッチリのアルバムと一緒に購入した。


まず、冒頭のイントロギターの旋律で一気に惹き込まれてしまった。
メタルならではのヘヴィなリフを全面に打ち出しながらも、柔軟でムードある展開にキャッチーなサビ、1曲目の“PULL ME UNDER”は、初聴の者の心をガッチリ掴むには上々のオープニングナンバーだ。
そしてサックスソロが挿入されるAORな雰囲気を纏った美しいバラード“ANOTHER DAY”を挟んだ後は、ほとんどが7、8分を超える長尺曲が並び、楽曲が進むごとに展開もいよいよ激しくなっていく。
“TAKE THE TIME”のような、コール&レスポンスには持ってこいのメタラーの心をくすぐるばかばかしい要素もキッチリおさえている。
それにしても、どの曲もあれだけ変調しまくるのに、メロディは耳に残り、曲全体は実に整合感があり絶妙で、それでいて中弛みしないのはすごい。
なるほど、軽音のメタラーたちが熱中するワケだ。

本作は、まさしくプログレッシヴメタルの理想的な形を、各々の卓越した演奏技術でもって完璧なまでに構築したハイレベルのメタルアルバムといっても過言ではない。
と、いまさら声を大にして言うのもかなり恥ずかしい。


本作からジェームズ・ラブリエが加わり、今日までバンドの中で不動の地位を獲得することになるが、本作ほどラブリエの歌メロが印象に残る作品もないと思う。
まぁ最初彼の歌を聴いたときは、マイケル・キスクになったり、セバスチャン・バックになったり、器用なやっちゃなーとは思ったが。
そして、本作がこれだけ名作たらしめたのは、ケヴィン・ムーアの貢献もデカかったように思える。
“TAKE THE TIME”でのソロワークも素晴らしいが、小曲“WAIT FOR SLEEP”、そしてケヴィンの奏でるこの美しい旋律が、ラストの“LEARNIG TO LIVE”に見事繋がって(Replay)いくこの流れには、心底「やられた!」と思った。
このケヴィン・ムーアの本作での功績は、B!誌の人気投票のキーボード部門の上位にトミー・リーやエディがランクインするという情けない結果に終止符を打つほどであったと思う。


女子としゃべれなかったダークで孤立した高校時代から5、6年が経った後の同窓会で、クラスでけっこうかわいかった女子が突然私に話しかけてきてた。
「あましんくん高校の時メタル聴いてたやろ?私も最近弟の影響でメタル聴いてんねんけど、ドリーム・シアターがめっちゃ好きやねん」
ええっ!?高校のとき谷村有美とか加瀬大周とかではしゃいでた娘が・・・・
その時私はちょっぴりうれしかったのと、「このドリムシの誘引力!おそるべし!」と思ったのを覚えている。
ただ、その頃の私はちょうどメタル離れしていて、ツイストパーマとかかけててヒップホップとか聴いてた頃だったので、その後その娘とはあまり話がかみ合わなくてもったいないことしたなと思った。





今日の1曲:『PULL ME UNDER』/ DREAM THEATER
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スプリング・メタル・カーニバル

2017年03月18日 | やっぱりメタル!!
どういうわけか、明日川崎くんだりまでY&Tを見に行くことになっている。
まぁせっかく小春日和の三連休なので、東京遠征してユニオンで盤漁りがてらというところだ。
スラドミも全然開催してくんないしね。
そう、ついにこのTシャツを着ていく時がきたのだ!!

ちなみに上のTシャツは、Y&Tフリークのじょにい氏が3年前にY&Tを観に川崎に遠征した際に、私が頼んで買ってきてもらったもので、私自身Y&Tのライブは一度も観たことがなければ、『In Rock We Trust』も実は所持していない。
ただ、私はこのB級感あふれる稚拙な初期Y&Tのジャケに妙に魅かれるところがあって、メタルを聴きはじめてワクワクしていた思春期の頃のメタル魂を呼び覚ましてくれるメタリックなこの絵柄に、とてつもないノスタルジックな感情を抱いてしまうのである。
大阪のメタルバーのねえちゃんに面と向かって「そのTシャツダサいですね」って指摘受けたこともあるし、Y&Tフリークのじょにい氏ですらダサ過ぎてよー購入できなかった程の見下され様である。
しかし、私はそれでも未だこのTシャツにただならぬ魅力を感じないではいられないのだ。


私がY&Tを真剣に聴いていたのは中一くらいまで。
姉が大好きだったので、メタルの入門アイテムとして洗脳に近い形で聴かせられてたと言う方が正しい。

よく聴かせられたのがこのライブアルバム。



なので、今月に入ってからベスト盤などを車中で爆音でかけておさらいに勤しんでいたわけであるが、今回Y&Tをじっくり聴き込んで気づいたことがひとつある。

それは、デイヴ・メニケッティの歌唱法は、大友康平の歌唱法と同じだということ。


『In Rock We Trust』って、実写化されてたのかー



今日の1曲:『Don't Stop Runnin'』/ Y&T
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賞取りスラッシュ

2017年02月18日 | やっぱりメタル!!
上の写真のCDジャケは、1989年にデビューしたアメリカのミネソタ州出身のスラッシュメタルバンドPOWERMADの1stアルバム『ABSOLUTE POWER』である。
見てもらったらわかる通り、スラッシュ史上1、2を争うダサいジャケットの一枚だ。

まぁスラッシュメタルのアルバムジャケットには、他にも数々の粗野で頭の悪そうなジャケットが存在するが、スラッシュってのは、演る側も聴く側も暴力的で下品なジャケほどいい!っていう嗜好があるので、金がないのを逆手にとって安っぽい奇をてらったようなジャケットを起用する傾向が強いのだが、このPOWERMADの謎に満ち溢れたアルバムジャケのダサさ加減は、狙ってできるものじゃないっていうほど群を抜いている。
なんやねん、この浮遊するキューピットちゃんは・・・・

ただその内容は、パワーメタルの流れを汲んだヴォーカルがハイトーンの、演奏もわりとシッカリしている将来性のあるスラッシュメタルを展開していて、スラッシュ好きの間では隠れた名作といわれているが、まぁジャケットがこれなもんだから売れるはずもなく、この一枚を遺してバンドは消滅してしまった。


しかし、日本ではほぼ無名のこのPOWERMADなんであるが、実はデビュー当時はそれなりの脚光を浴びたというか、なかなかの伝説を残したバンドで、まずは下のキャプチャーショットをご覧いただきたい。
とある映画のワンシーンである。



映画作品名は『ワイルド・アット・ハート』。
デヴィッド・リンチ監督が1989年に撮った作品で、ニコラス・ケイジが主役で、その恋人役に『ジュラシック・パーク』で一躍有名になったローラ・ダーンが繰り広げるトチ狂ったラブロマンスロードムービーである。
この映画の冒頭で、ローラ・ダーン演じるルーラが、服役を終えて刑務所から出てきたニコラス・ケイジ演じるセイラーを車で出迎えるシーンで、ルーラが意気揚々と「ケイプ・フィアーに宿をとったわ。
それとね・・・・『ハリケーン』でパワーマッドの演奏があるの!」と、嬉しそうにセイラーに伝えるのである。

パワーマッドとは、もちろんスラッシュメタルバンドのパワーマッドのことである。



デヴィッド・リンチ作品は20代の頃、『ロスト・ハイウェイ』という作品を、30席くらいしかない大阪の場末のボロボロのミニシアターに観にいったことがある。
スクリーンがむちゃくちゃ近くて観づらく、上映中終始ヴヴゥゥゥーーーー・・・というノイズ音が鳴っていて、ほとんど映画に集中できなかった記憶がある。
まぁ映画内容もワケがわからなく、ストーリーはほぼなくて、アート性、トリップ感、狂気みたいなのを最優先に監督がヤクやりながら撮ったとしかいいようのない精神分裂症ぎみのアヴァンギャルドな内容で、友情出演みたいな感じでマリリン・マンソンなんかも出てくるんだが、観終わった後、疲労感がハンパなかったことを記憶している。

ただ、劇中ヤバいシーンのところで、私好みのディストーションリフが刻まれるカッコいい曲が流れた時は「オオっ!」となった。
これが今や大人気のドイツのカルトインダストリアルバンド、ラムシュタインだったのである。

Rammstein - Rammstein



同じ頃に観たデヴィッド・リンチ監督のなんかの映画でも、劇中にどっかのスラッシュメタルバンドが暗闇でひたすら頭を振ってリフを刻んでるシーンがあったように記憶してるが、この監督には以前よりスラッシュ好きの傾向があると見てとっていた。

この『ワイルド・アット・ハート』でもメジャーデビューしたての無名新人スラッシュメタルバンドを起用して、ディスコみたいなところで演奏させるという発想、やっぱりこの監督、ちょっと普通ではない。


モーテルで数年振りに情事を楽しんだ後、セイラーとルーラは町のクラブに出かける。

ステージにはパワーマッド本人らが登場。スラッシングマッドな激しい演奏を繰り広げている。



パワーマッドの名曲「Slaughterhouse」に合わせて、踊り狂うバカップル。



そして、完全に2人だけの世界に入る。なんでやねん!



劇中でパワーマッドとニコラス・ケイジとの絡みもちゃんとある。
他の客とひと悶着あって、セイラーがパワーマッドの演奏をストップさせるのだ。
俺の女にちょっかい出すんじゃねぇみたいな揉め事があって、この白けた場をとりなそうとセイラーがしゃしゃり出る場面である。


一介のスラッシュメタルバンドに向かってこいつ何言うてんのぉ?



挙句の果てにパワーマッドに伴奏をやらせ、エルビスを熱唱。



そして、再び2人だけの世界に浸るバカップル。アホですわ。



従順にラブソングのバックコーラスを務めるパワーマッドのメンバーが健気。
この時ヴォーカルのジョエルがピアノ弾けることが判明。



ちなみにこの映画『ワイルド・アット・ハート』は、1990年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞している。


最後に、本作で一番キレた役を演じてた、タイツ越しでも誰だかわかるウィリアム・デフォーのドアップ顔をどうぞ!






今日の1曲:『Slaughterhouse』/ POWERMAD
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速弾き野郎とパワメロ姐さん

2015年10月06日 | やっぱりメタル!!
先日の久方ぶりのメタルDJイベントで、Raging Slabの想定外の反響とは裏腹に、私が自信をもってセレクトしたのにも関わらず、微妙な反応しか得られなかったのが、このCHASTAINだ。
そしてこんだけのメタル野郎が集まっても「チャステインて全然注目されんのやね」って、ちょっと寂しい気持ちになった。

CHASTAINは、当時としてはめずらしかった女性Vo(“女版ロニー・ジェームス・ディオ”との呼び名も高かった)のレザー・レオーネ嬢と、スーパー速弾きギタリストのデヴィッド・T・チャステインの二大看板で85年頃から活躍してたアメリカのメタルバンド。
ずっと活動はしていたみたいだが、途中でレザーが脱退し確かパツキンのネーチャンが後釜に入っていたのをYouTubeで目撃したことがあるが、まぁレザーほどの力量はなかったような気がする。
で、最近またレザーが復帰して新作出してたっけ。

DJイベントでチャステインをかけた時、客のひとりに「あましんさんがチャステインとは意外ですね。」て言われた。
いやいや、この私だってメタルを聴き始めたばかりの中坊の頃はそこそこ王道のメタルバンドも聴いていたし、イングベイやジョー・サトリアーニやヴィニー・ムーアなどのピロピロスーパーギタリストに注目してた時期もあったんですよ。

チャステインは、その頃よく通っていたニチイのワルツ堂で働いていたメタルにーちゃん(通称ヘヴィにぃ)が大プッシュしていたバンドで、レザーの女性とは思えぬワイルドで強靭なパワーヴォーカル、そしてデヴィッドの常軌を逸した高速ギターワークに一発でガツーン!とやられ、そのにーちゃんからテープを借りてダビングしたのを聴きまくっていたのを今でも覚えている。

そのアルバムが3rd『The 7th of Never』で、メタル作品の隠れた名盤として今でも日本盤は超がつくプレミア価格で取引されている。




今回私がDJイベントで流したのは、1990年の5thアルバム『For Those Who Dare』のタイトル曲。
『The 7th of Never』と比べてサウンドプロダクションが格段に上がっており、楽曲にすこし落ち着きが備わり、デヴィッドのプレイもソロを弾きまくるよりソリッドなリフを前面に打ち出している傾向にある。




以前ギター弾きの友人じょにい氏を助手席に乗せているときに本作をカーステで流したことがあるのだが、やはり彼も微妙な反応を示し、このバンド名が導き出されるのにかなりの時間を要した。
そして、やはり私がこんなメタルを聴いているのは意外だということを言われた。

じょにい氏にその時指摘されて初めて気づいたことなんだが、本作には実はHEARTのカヴァー曲が収録されている。
“Barracuda”という曲でデヴィッドのソリッドなリフから始まるのであるが、この出だしも原曲のままだという。
もちろんアン・ウィルソンがレザーほどの暑苦しい歌唱をかましてたとは思えないが(とはいえ、彼女も昔は女版ロバート・プラントと言われていた)、チャステインがハートの曲を取り上げたことよりも、ハートがこんなB級メタルっぽい曲を演ってたことの方が意外であった(というか、私が80年代のハートしか知らないってのがある)。




それにしても・・・・

数いるスーパー速弾きギタリストの中で、チャステインほどギターキッズに影響を与えず、注目されなかったギタリストっていないような気がする。
私は好きだが。


今日の1曲:『For Those Who Dare』/ CHASTAIN
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DOOMS DAY

2015年01月11日 | やっぱりメタル!!
昨年、日本中を震撼させたニュースといえば、笑撃の野々村議員のグラインドコア会見と、あとはやはりこれだろう。

DOOM再始動!!

この日をどれだけ待ち焦がれたことか・・・(てゆーかすでにあきらめてた)


今回、なんや知らんけど突如立ちあげられた『VIOLENT ATTITUDE 2015』。
DOOMの再始動を記念して始動した新イベントって説明書きだが、藤田氏のインタビューによると以前よりイベント開催は決まっていたらしく“ヘヴィ・ミュージックの祭典”としてヘヴィメタルやスラッシュメタルといったジャンルのシーン活性化を目的に今後も不定期に開催される予定となっているとのこと。
いや~、でもありがたいことです。




昨年の春、帰らぬ人となったUNITEDのベース横山氏の葬儀に参列した祭、昔のミュージシャン仲間から背中を押され、横山氏追悼ライブ『YOKO FEST THE FINAL』に再びDOOMとしてステージに立ち、藤田氏は再始動することを決意したという。
横山氏が亡くなり、諸田氏を含め次々とかつての盟友が死んでいく中、自分はまだ生かされてるんだから行動を起こさなくてはいけないという気持ちになったと、藤田氏は最近のインタビューで語っている。

つか、DOOMをヘッドライナーにこんな大々的なイベントを川崎チッタでやるやなんて(チケット超安いけど)、さすが東京というか、業界側にもDOOMの復帰を待ち望んでた人らがけっこういはったんやね。それが驚き。
改めてDOOMの存在のデカさを知って、オッサンなんだか嬉しかった。


今回のDOOMラインナップは、唯一のオリジナルメンバー藤田タカシ氏(g)、PAZZ氏(d)、KODAIRA氏(b)の3人。
KODAIRA氏は、元CASBAHのフレットレスを操るベーシストで、数年前SKULL SMASHというDOOMのトリビュートバンドで来阪したときにその卓越したプレイを目撃している。
元GASTUNKのPAZZ氏は、廣川氏脱退後、活動停止前のDOOMを支えた凄腕のドラマー。DOOMの後期2枚のアルバムにも参加している。

よって今フェスでは、その2枚から中心に演奏されることが予想される。
いわゆるメイク落とし素顔曝け出し期。
つーことで、今日はその後期2枚の作品を紹介していこうかと。




『HUMAN NOISE』(1991)


ここでサウンドプロダクションがグっと良くなる。
いきなりインダストリアルな「NAKED A LUNATIC」の金属的なドリル音ループが脳髄を貫通し、そこへ諸田氏の粘着質のフレットレスが爬虫類のごとくうねりまくってくるその気持ちよさったらない!この辺の曲はマリリン・マンソンとか好きな人には感じうるものがあるのではないだろうか。
ジャズドラムの教養を身につけていたPAZZ氏が加わったことにより、さらに曲調が複雑化、そしてアヴァンギャル度が増している。
ゲストにサックスプレイヤーの菊池成孔氏を迎えるなど、インプロジャズ的な展開もみせ、楽曲の随所にクリムゾン的な破壊力も加わってくる。

ただ、以前のと比べてDOOM独特のイビツさや変態ちっくな雰囲気は減少し、そこらへんはメイクを落としたことによるところが大きいのか、楽曲全体的にはワリと整合感を伴ってて、ストレートでわかりやすい展開もみせる部分も多くなった。よってヘッドバンガーズにも十分楽しめる内容。
もうちょっとレコード会社やメディアが大々的に広報活動していれば、DEATHにおける『INDIVIDUAL THOUGHT PATTERN』的な金字塔を打ち立てるアルバムになっていたのではないだろうか。





『ILLEGAL SOUL』(1992)


バンドブームも終焉を迎え、ビクターとの契約が切れ、再びインディーズに戻ってからのDOOMだったが、さらにアヴァンギャルドさが度を増していよいよ厄介なバンドになっている。
もう変拍子、変転調のオンパレード。はっきりいってプログレアルバムだ。
まぁ最初ほんとうにワケがわからんが、聴き解いていくと非常にオモシロ楽しいスルメ作品である。
ただ、環境が変わったせいか、サウンドが少し薄味になっており、藤田氏の歌い方も若干ソフトになってしまった。
弱体化したというのではなく、進化しすぎたバンドの最終形態といったところだろうか。




てなワケで、いよいよ明日!!
みなさん、川崎でお会いしましょう。

つか客どのくらい入るんやろう・・・・東京を信じてるからね!(関西はあかん)

今日の1曲:『Those Who Race Toward Death』/ DOOM
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エベエベ嗤ってまたベスト。

2014年12月07日 | やっぱりメタル!!
人間椅子4枚目のベスト盤『現世は夢』がディスクユニオンから届く。

前回のベストは20周年記念で今回のは25周年というわけだが、アルバムのほとんどを所持している古参ファンからしたら、これらをいちいち購入するのはお布施以外のなにものでもない。
でもなんで購入するのか?それは新曲が何曲か入ってるから。そしてなんといっても人間椅子が好きだからにほかならない。
5年ごとにベスト盤出すとか、ちょっとはこっちの身にもなってくれとも思うが、出す側からしたらそんなことは知ったこっちゃない。
そもそもベスト盤というものは、古参ファンのためではなく、これから人間椅子の音楽を聴いてみようかなっていう人のためのガイド的なものである。文句言うなら買わなければいいだけの話。
特に今回はオズフェスト出演効果により一気に増えた新参ファンには恰好のベスト盤と言える。
だからして、最近よくライブで演奏される曲を意識してセレクトしたと思われる。古参ファンからしたら、もうその辺の曲ライブでしてくれんでもええわ的なセレクトとも言えるが。

初回限定盤の特典、25周年記念オリジナル手ぬぐいのデザインの良さも、悲しいかな、大いに購買意欲をそそられた。



でも、こうも思えるんですよ。
オズフェストで人間椅子を知った新参ファンは、フェス後(もしくはフェス前)に20周年ベスト買ったか借りるかしたんでねべが?ってね。
それを最近の4枚のアルバムからの曲を追加しただけの同じようなベスト盤また出されてもねぇ~って思ったんじゃねべが?

そこで私は考えたんですよ。古参ファンも新参ファンも納得する周年アイテムを。
オズフェスのでもいいし、今年のツアーのでもいいし、最近のベストライブ映像を編集したDVD一枚と、新録及び未リマスター音源を収録したCD一枚をセットで出すっていう。
これだったら、今回の5000円っていう無慈悲な値段設定でも納得できたかと。
まぁこんなことここで書いてもどうなるわけでもないですけどね。


最近の作品からのセレクトが増えたせいで、2nd~7thのまさに黄金期ともいえる人間椅子が一番創造力に富んでいた良作からのナンバーがほとんどハズされてしまっているのは残念というほかないが、イカ天時代のインディーズ盤0th『人間椅子』からの2曲「陰獣」、「神経症I LOVE YOU」がリマスターで復刻されたのはよかったと思う。なぜ「猟奇が街にやって来る」をハズしたのかは理解に苦しむが(次のベスト盤用か?)。

0th『人間椅子』。音はペッチペチだが、初期ならではの味があり「桜の森の満開の下」の森の妖怪が歌ってるかのようなエフェクトVoなどは最高。
手作り感満開の歌詞カード内の竹中英太郎を彷彿とさせる版画挿絵も秀逸。




気になる新録4曲だが、まだそんなに聴き込んでもいないので感想は割愛させていただくが、今回私が最も注目していたのが、やはり「宇宙からの色」。
言うまでもなくラヴクラフトの小説をモチーフにした前作収録「時間からの影」に続くタイトルまんまクトゥルーもの第4弾である。

『宇宙からの色』は、創元推理文庫刊行『ラヴクラフト全集 4』に収録されている。
アーカムに住むある農家の井戸付近に宇宙から飛来した奇妙な隕石が落下してから、その周りに生えている草木を始め、農作物、家畜などに不穏な影響を与え始め、その農家の家族の者まで次々と精神を病み発狂してしまうといった、神話的クリーチャーなどは登場しないが、まさに宇宙的恐怖というべきラヴクラフト本人も自信作と謳っていた傑作ホラー小説である。
ミスカトニック大学の調査員によれば、その落下した隕石からは、既知のどんな色とも異なる名状しがたいスペクトルを発していたという。

今回のベスト盤ジャケも、なんとなく「宇宙からの色」あるいは「隕石」を彷彿とさせてはいまいか!

PVも作製された。




今回の新曲については、ウェブロックマガジンBEEAST連載の和嶋慎治氏のコラム『浪漫派宣言』(最終回!)で詳しく解説されてます。
http://www.beeast69.com/column/wajima/117475

最近の和嶋氏の言葉は正しいんやろうけど、やけに説教めいてて私にとっては耳が痛いってゆうか、苦手なんだけど、実に頼もしい言葉もこのコラムの最終回に残してくれています。

「H・P・ラヴクラフトの小説をモチーフにした楽曲は、これからも作り続ける所存だ。受けようと受けまいと、それこそしつこく。喜ぶべきは、ここ最近海外からメールや問い合わせが来ていること。世界中にラヴクラフトのファンがいることを勘案すれば・・・」

てかアルバム20枚近く出しててクトゥルーもの4曲ってのが今まで少なすぎたんよな。
てっきり1998年の名曲「ダンウィッチの怪」以来、ラヴクラフトとか、そういうSFホラー曲から足を洗ったものとばかり思ってたけど、今回のPVでは「The Colour Out of Space」と、英語表記のテロップなども表示してかなり海外クトゥルーファンを意識した作りとなっている。
フフフ・・・これから楽しみになってきたな。

DU特典の特製人間椅子ブックカバー。とりあえず『ラヴクラフト全集』を包んでいる。



今日の1曲:『宇宙からの色』/ 人間椅子
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ブルルン!この30年この30枚

2014年09月15日 | やっぱりメタル!!
今月号のワールズヘヴィストヘヴィメタルマガジン『B!』の創刊30周年記念超特大号を立ち読みしてて、各ライターらが選ぶ「この30年この30枚(1984~2014)」という企画に触発され、家に帰って私もさっそく棚からメタルCDを30枚選び出し万年床に並べてみた。





ほしたら、マイミクさんの間でもけっこうブームになってて、普段B!誌をディスりつつもやっぱこの雑誌の影響力ってのはバカにでけへんなーと。
私のこの批評癖も、この雑誌からの影響であるといってほぼ間違いない。
そして、毎月5日になると、『BURRN!』のことが頭をよぎるのは、(元メタラー含め)メタラーの悲しい性なのであります。
これはおそらく一生つきまとうでしょう。それだけこの雑誌とメタラーとの関わり合いは根深いものがあるのでございます。

B!誌はほとんど元メタラーの姉が購読していた。
古いのは近所の幼馴染の兄ちゃんのかりパクもの。



ほなさっそく1984年~2014年にかけて発表されたあましん厳選メタル作品群30枚を発表したいと思います(って上の写真ですでに明白なのだが)。
「なんでB!誌創刊してからの30年間というくくりに合わさんといかんねん!」とも思うが、考えたらB!誌が創刊されてから約2年後に私はメタルに傾倒し出したので、まぁ私のメタル歴もそんなもんかと。
よく聴いたアルバムってのが中心で、必ずしもそのバンドのベストアルバムってワケではなく、当時衝撃をウケたってのを優先させました。私的重要作と申しましょうか。
(同じバンドの作品は意図的に外しております)


年代順(リリース日は曖昧)に並べてみました。


・S.O.D. / 『SPEAK ENGLISH OR DIE』(1985)
・IRON MAIDEN / 『SOMEWHERE IN TIME』(1986)
・DAVID LEE ROTH / 『SONRISA SALVAJE』(1986)
・METALLICA / 『MASTER OF PUPPETS』(1986)
・MEGADETH / 『PEACE SELLS・・・BUT WHO'S BUYING』(1986)
・SLAYER / 『REIGN IN BLOOD』(1986)
・GUNS 'N' ROSES / 『APETTITE FOR DESTRUCTION』(1987)
・CHASTAIN / 『The Seventh of Never』(1987)
・E・Z・O / 『E・Z・O』(1987)
・DESTRUCTION / 『RELEASE FROM AGONY』(1987)
・MOTORHEAD / 『ROCK 'N' ROLL』(1987)
・OVERKILL / 『TAKING OVER』(1987)
・MACE / 『THE EVIL IN GOOD』(1988)
・QUEENSRYCHE / 『OPERATION:MINDCRIME』(1988)
・RIOT / 『THUNDERSTEEL』(1988)
・VOIVOD / 『Dimension Hatröss』(1988)
・IT BITES / 『EAT ME IN ST LOUIS』(1989)
・KING'S X / 『GRETCHEN GOES TO NEBRASKA』(1989)
・KREATOR / 『EXTREME AGGRESSION』(1989)
・DOOM / 『INCOMPETENT...』(1989)
・TERRORIZER / 『WORLD DOWNFALL』(1989)
・DEATH / 『SPIRITUAL HEALING』(1990)
・TROUBLE / 『Trouble(4)』(1990)
・STONE / 『COLOURS』(1990)
・人間椅子 / 『人間失格』(1990)
・CATHEDRAL / 『この森の静寂の中で』(1991)
・DREAM THEATER / 『IMAGES AND WORDS』(1992)
・EXTREME / 『Ⅲ SIDES TO EVERY STORY』(1992)
・MORBID ANGEL / 『COVENANT』(1995)
・CELTIC FROST / 『MONOTHEIST』(2006)


見てもろたらわかるように、1986~1990年にだいぶ偏ってるのは、やはりここら辺が一番メタルに傾倒していた多感期の頃だったからでしょう。
で、1995年から2006年までポッカリと穴が空いてるのはやっぱメタル離れしてたから。人間椅子とVOIVODくらいしか新譜買ってなかったような気がする。
まぁ私のメタル探究歴なんて10年ぽっちですわ。


ちなみにこちらは、B!誌創刊30周年記念企画として再発されたCDを買ったら、特典でついてきたスペシャルステッカー。
いらん!!



皆さんもよかったら30選やってみてくださいね。




今日の1曲:『Burn』/ Deep Purple
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あいやまたれい

2014年07月19日 | やっぱりメタル!!
ブレイクしているうちにどんどん作品こさえて売りまくろうというレコード会社側の意図があるのかしらんが、1年たたずしてもう新作をリリースした人間椅子の18枚目の新録『無頼豊饒』。
60~70年代ハードロックバンドじゃあるまいし、そんな急ピッチで今の人間椅子にいいモノなんて作れるワケがないとハナから期待はしてなかったが、まさに予想的中って感じ。
ジャケは浮世絵タッチのメンバーの肖像画という、ここ最近のに比べてレコード会社がちょっとは金かけたことが窺えるが、今更って感じもする。
歌詞カードの中身は、なまはげやメンバーのチューニング風景の挿絵などが施されてていい感じにはなってるが、最後の歌川画のがしゃどくろ絵はやっつけ仕事も甚だしい。
ディスクには葛飾北斎の絵がとってつけたようにあしらわれており、ただただバンドのイメージに沿ってテキトーに装飾してみました感がありありと窺える。

とにかく、このアルバムには方向性もカラーもなにも見えてこない。
まぁバンドが個性のかたまりみたいなデキあがった存在だから、特に新参者にはまだまだ新鮮だし、そんなもん必要ないってか?
売れればよいのか?現状維持でいいのか?
最近や過去のインタビュー記事で、レインボーやツェッペリンの後期のポップになった作品をディスるような発言をしていたが、オズフェストで食いついたメタラーに媚びを売るかのようなマンネリ化した作品をたて続けにリリースする方がどうかと思うのは私だけだろうか?
まぁ、本人らがそれでいいってんなら仕方ないが。

しかし、ファンクラブのメンバーから募集かけて撮影に参加させたという最新PV「なまはげ」の創意工夫なしなしのしょーもないデキには愕然となった。


まぁ幸運にもこのPVに参加できたファンにはいい思い出ができたろうけど、せめてメガデスの「Wake Up Dead」のPVばりの一体感を出せなかったのかと。全国からファンを募ってこの内容とは、一体なんの意味があったのか???
とにかく、周りのクリエイターのアイデア不足は目に余るものがある(それともやはり徳間に予算を大幅に削られているのか)。


ただ、初回限定盤に付いてくるライブDVDは、かなりオイシイ内容。
つか、今回この映像目的で購入したみたいなもん。
そう思えば、4800円というボッタくり値段も痛くはない。



今年の年始に1300人規模のO-EASTで行われた『バンド生活二十五年 ~猟奇の果~』ツアーライブの模様が収められたもので、「爆弾行進曲」、「怪人二十面相」、「九相図のスキャット」、「踊る一寸法師」、そして、なんといっても「猟奇が街にやって来る」などの名曲、レア曲が披露されている。
個人的に不評だった前作収録のクトゥルーナンバー「時間からの影」も、ライブになるとグッと彼方からの深淵なる精神侵食の宇宙的な雰囲気が出ててワジーの演出力、ギターワークに改めて惚れ直した。
このライブ行った人らはホンマ大当たりって感じ。クッソー、羨ましすぎる!





今日の1曲:『猟奇が街にやって来る』/ 人間椅子
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疫魔交響曲第二番煎じ

2014年04月30日 | やっぱりメタル!!
連休をダラダラと過ごして気づいたら、もいくつ寝るとCARCASSのライブやないけ!
年始に購入した新譜もあんま聴いとらんぞ。
えらいこっちゃえらいこっちゃ。

17年振りに作製されたCARCASSの6thアルバム『SURGICAL STEEL』。
なんでもB!誌では昨年のベストアルバムのチャンプに輝いたんだって?
確かに、あれだけブランクが空いているにも関わらずここまでブルータルでクオリティの高い楽曲を用意できるっつーのはスゴいと思うし、メタル作品としても実に完成度が高い。
さすがはデスメタルという、通常のメタルファンから忌み嫌われていた音楽をメインストリートに押し上げた実績を誇るレジェンドメタルバンド!まさに『HEARTWORK』から入ったメタルファンの期待に見事に答えた作品といってよいだろう。

ただ、ジェフにしてもビルにしても、あの頃のような不健全かつ志高き熱意を持って本作に挑んだのかというと、そういう風には感じられんのよね。なんとなくビジネスという割り切った感が見え隠れする。
手術器具を並べたてるという昔のデザインを流用しただけのジャケットにしたって「3rdと4thを掛け合わせたようなもん作っときゃウケるんじゃね?」みたいな安易な姿勢がなんとなく見てとれんのよ。
SLAYERの『CHRIST ILLUSION』を聴いた時にも同じようなもの感じたが、4th『HEARTWORK』の栄光を再び!っていう腹黒い意図(それこそまさに「腐ったはらわた」だ)が丸見えなのよね。それでいてその当時の研ぎ澄まされた絶妙な楽曲センスはすでになくて、結局二番煎じ、あるいは流用品に過ぎなくなるという。
4th『HEARTWORK』収録の“CARNAL FORGE”は、CARCASS屈指の名キラーチューンであるが、このタイプの楽曲が本作に多く見受けられた。しかし、残念ながら“CAENAL FORGE”以上、あるいは同レベルに達している名曲は皆無であった。いかにもハートワークなメロディライン、ブラストビートもなんだか押しつけがましい。

日本の配給会社が考えたこれみよがしの邦題も、これまた白々しい。
初期の対訳を手掛けた秋山幸子さんのセンスの足元にも及んでいない。


私は初期のゴアなCARCASSしか認めない!!っていう変態グラインド野郎ではないし、それ以降の整合感のあるCARCASSも好きだ。
ただ、もう3rdアルバムからそうだったとも言えるかもしれないが、今のCARCASSに「リヴァプールの残虐王」という悪名は当てはまらないように思う。


でも、5年前の大阪単独公演もとても楽しかったので、明後日のライブも行ったら行ったでそこそこ楽しめると思うので、秋山さんのトチ狂ったような対訳を朗読しながら内蔵コラージュの写真でもみて、気持ちを高めときたいと思っております。





今日の1曲:『Unfit For Human Consumption』/ CARCASS
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フレミング克服にむけて

2014年03月13日 | やっぱりメタル!!
いやぁ、もうすぐですよ。THRASH DOMINATION。
以前はスラドミ週間とかいって、はりきって出演アーティストをひとつひとつ紹介していくシリーズなんかやってたんだけど、もう気力がなくってねぇ。書きたいネタもけっこうあるんですが、なかなか触手が動かんくてブログ更新も滞ってしまって・・・・
まぁ正味今回心から見たいバンドはVOIVODくらいでありやんして、SANCTUARYは正直趣味じゃないし、EXODUSはヴォーカルがあれではあまりEXODUS見てる気がしないっちゅーか。悪くはないんですが、価値は半減しますわなぁ。

今回初来日となるデンマーク出身のARTILLERYも、これまた微妙。もうヴォーカル三代目で、今回の人なんかジェームズ・ラブリエタイプときたもんだ。
スラッシュメタルバンドでヴォーカル3人も交代したらもうダメですよ。ANTHRAXがいい例だ。
で、新譜は買う気になれず、先日予習がてらに4th『B.A.C.K.』を土壇場購入。



それまでARTILLERYの音源は、2代目ヴォーカリストの時の6th『WHEN DEATH COMES』と、高校のときあっさんにダビングしてもらった3rd『BY INHERITANCE』のテープを所持してたくらい。
『BY INHERITANCE』は当時からあんま聴いてなくて、冒頭からみせるこのバンドお得意の中近東風フレーズには感銘を受けたものの、どうもフレミング・ロンズドルフのヴォーカリゼーションが私の好みでなかった。なんちゅーか、VOWWOWの人見元基氏の声をより濃くしたような、あのアクの強さがどうも受け付けなかったというか。
ただ、演奏力に関してはかなりの実力を誇っており、スタッツァー兄弟の織りなす縦横無尽のリフワークに印象深いツインリードは注目に値する。
彼らはいわば正統派メタルの側面を色濃く持ってるバンドで、フレミングの歌唱力もしかるべきところにいけば、十二分に評価される実力を備えている。
ただ、ARTILLERY脱退後はビートルズのカヴァーバンドでジョン・レノンのパートに就いたって、ナーンヤソレ!

ナザレスのカヴァーなんてけっこうハマっていて、当時これには感銘を受けたものだ。



その『BY INHERITANCE』から10年越しで作成された『B.A.C.K.』は、ますますフレミングのアクの強いヴォーカリゼーションが強調され、演奏力もより強力になり、特にリズム隊が分厚くなっている。といっても、ドラムはサポートであり、ベースは元ベーシストのモルテン・スタッツァーが兼任している。
この作品を聴いても、やはり私のフレミングに対する苦手意識は払拭されず、このアクの強さはアルバム半分いったところですでに疲労感が溜まる。やっぱこの声キツいわ。
ただ、後任者2人のあまりのオーソドックスなヴォーカルを聴くにつけ、やはりARTILLERYの個性はこのフレミングのアクの強いヴォーカリゼーションに依るところが大きかったんだなぁ・・・とも思うんだよね。

今回のライブは、どのアルバムあたりから演奏されるんやろか?皆目見当がつかん。
いずれにしても、それほど暴れられる楽曲もないので、川崎では彼らの卓越した演奏をじっくり観察しようかと思う。




今日の1曲:『Cybermind』/ Artillery
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